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南方戦争13

( ;∀;)

 

「さて、どう動いたものか」


 シルビアは顎に片手を当てて思案していた。自分はこの戦場でどう動けば最も効果的なのかと。

 シルビアは思案しつつも砲でデザイアをキリシマへと飛ばし、何故か砲から出てくるレーザーによって雷神の落雷を相殺したりしていた。ただ、こんなことは()()()()()()()()()()()

 どうしたものかとしばらく考え、、、とりあえず敵を一人、消すことにした。


 雷神、論外。現状勝ち目が薄いものが下手に刺激すれば無になる可能性だってある。また、シルビアの砲では決定打にはなり得ない。

 デザイア、論外。数が多い、復活地点の作成が厄介。そもそも押し付けられる相手がいるのに戦う必要性がない。

 E_66304、論外。こちらも下手に刺激すればどうなるかがわからない。シルビアの砲が破壊できるのは、あくまでも中継拠点。本体には手を出せない以上、下手に刺激して数億の機械兵を送り込まれればたまったものではない。

 六芒星、考慮。硬くはあるもののシルビアであれば貫通させられる。城攻めは得意分野でもある。が、与えられるダメージは微々たるものであることや、彼女の攻撃能力が極端に低いことから余り優先すべきではないと考えられる。

 ユースティア、考慮。怪奇系種族の都市伝説型(理不尽であるものの明確な攻略法や対処法がある)と呼ばれる種族であることのみ判明している。ステータスの消失という能力も持っているが、シルビアの武器が"砲"である以上、近づかなければそもそもステータスは余り関係ないとも言える。




 よってーーー


「天破斬を叩くとしようか」


 状況を見るに、ユースティアはシルビアと同じく本日到着した様に思える。また、街中は論外として、防壁の外にデザイアが建てたポータルには近づいた様子はなかった。ここから考えられることは、プレイヤーの特性上、彼女は一度倒せば前に登録したポータルで復活することとなる。よって、この戦場から()()()()()()()()()()()可能性があるのだ。


「ステータスに頼っているプレイヤー諸君には、少々厳しい相手だろうしな。

 総員注目!!私はこれより天破斬への対応に行く。以後の指示はファータ大尉に仰ぐように!!」


「「「YES!!!マム!!!」」」


「!? 中佐!!!!????」


 そう言う私は武器に頼っているのだが、と自嘲しながら、シルビアはユースティアの元へと向かった。


「ちょ、中佐!?本気っすか!?え?中佐!?中佐ぁぁ!!!」
















 ───────────────────────


「眠たいですね」


 眠気にふらつきつつ、私はちらりと防壁の上の元凶へと目をやります。すやすやと眠りこけ、薔薇から大量の眠り粉を吐き出す少女。

 彼女の影響一時的にでも除ければ幸いなのですが、私では途中で意識を途絶えさせられるでしょうし、ユースティア()も先程幻影で防がれていました。現状、彼女をどうにかする手段って、なさそう何ですよね。


 では、どうすれば良いのかと言いますと。


「私、どうでしょう?」


「私は構いませんが?」


 他の私も同様の意見の様ですし、やりましょうか、共食い。


 数人の私が一人の私に襲い掛かり貪り始めます。そして、捕食されている私の記憶を、残りの全私と随時共有します。


「虫ケラ、お前もプレイヤーのはずだ。だったら何故そうも狂えるんだ?」


「さぁ?何故でしょうか?」


「異常者が」


 微笑む私に、樹皇人が吐き捨てます。


 種族スキル『破滅の一途』

 共食いをしてでも生き延び、強くあろうとするという大衆蟻にとっての異常行動。その様な行いをしても破滅に向かうだけなのに。そんな思いが現れたスキルですね。

 まあ様はです。共食いを行い続けることによって、気分高揚と全ステータス1.5倍の強化を施す、狂戦士(バーサーカー)に通ずるスキルです。


「くふ、あはははっ♪」


 気分が高揚している為か、自然と嗤えて来ます。捕食される痛みというのも、何度も味わえば慣れてかえって心地好いとさえ感じられます。さて、こんな状態であの樹皇人を殺せたのなら、、、それはどれ程素敵なことでしょう?


「『変体』パイルバンカー」


 私の尾がメキメキと二股に別れて両腕に絡み付きます。そして形を変え、注射器にも良く似た形状になりました。


「『毒性狂化』」


 皆様、毒に耐性を持った相手を前にした時、どうすれば良いと思いますか?簡単です。より強い毒を浴びせれば良いのです。


「死なないで下さいね?」


「ほざくな。虫ケラが」


 私を襲う枝や根に注射器状の腕の針を突き刺して行きます。毒を注入された瞬間に枯れ果て朽ちていくそれらをかき分け、樹皇人へと迫ります。

 さぁ、さあ、さあ!!!踊りましょう?





 ──────────────


 キリシマは毒を受けた瞬間、患部を根元から切り離した。彼の直感が、食らえば死ぬと察したからだ。


(あまりこの世界の■■■■■には頼りたくはなかったが、、、虫ケラに負けるよりはましか)


「植物魔法『樹海』」


 膨大な魔力を放出し、一気に周辺の風景が変わる。砂漠から、不自然なまでの森林へと。

 そして、キリシマは自身の一部を森林の木々と接続する。これにより的は大きくなるが被害は分散され、キリシマからの攻撃は木々を通すためほぼ確実にデザイアへと届く状態になった。


「植物魔法『耐性強化』『植生強化』」


 森林の木々が魔法により強靭になっていく。幹は太くなり、葉は生い茂り、成長速度は異常なまでに速くなる。


「『葉針』」


 キリシマはデザイアに森林を枯らされつつも、それ以上にデザイアを鏖殺していった。







デザイア→スキルを使うよりも身体能力だけで蹂躙する方が楽しいと思っている。けれど必要であればバンバン使う。


キリシマ→種族由来でスキルというかそもそもこのゲームによるもの全てがあまり好きではない。また、基本的に身体能力だけで倒せない敵はいないため使わない。

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