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南方戦争2

南方戦争は前半は基本デザイアの蹂躙の予定です。


「痛てててて、、、」


水膜に阻まれ地面へと衝突した金髪の少女、六芒星が頭を擦りながら立ち上がった。


「んーまっ。楽しかったしいっか!」


ニカッとした笑顔を見せる六芒星に、然したるダメージは見られない。六芒星の体には砂ぼこりがまとわりついているものの、よくよく見ればかすり傷すら付いていなかった。


[六芒星、体調は大丈夫ですか?]


ヒュジャル砂漠から粉塵を巻き上げながら走っていた、ずだ袋を背中に固定したサソリの群れ。その内の一匹が六芒星の元で脚を止めて声をかけた。


「へーきへーき( -∀-)。ちょーっと痛かったけど、あれくらいならジェットコースターみたいなもんだよ」


あははうふふと笑いあう二人。しばらくして、警戒心が溢れ帰るセプリプルブスの首都の防壁へと目を向ける。


[基本私が攻めますね。六芒星には()()()の防衛をお願いします」


「オッケー」


スキル『変体』。その効果により、メキメキと音を立ててサソリから人型の異形へと自身の体を作り替えるデザイア。

隣で起こるグロテスクな変身を意にも介さずいつも通りののほほんとした雰囲気を漂わせる六芒星。

あまりにも異様な光景を目の当たりにして、プレイヤーは、セプリプルブスの民は何を思ったのだろうか。








最初に()()の正体に気がついたのは、聖女アナスタシアだった。


「つっ!?なんと、なんという冒涜を!!!」


デザイアがずだ袋から取り出したモノ。高レベルのアナスタシアをして視界が霞む程距離が離れていたが、聖女として多くの人の死に立ち会った彼女は、ソレが何かを察してしまった。




「っ!!!!総員!アレを撃ち落とせ!!決して!決して他の兵の視界に捉えさせるな!!!」


「「「「「「イエッサー!!!!!」」」」」」


次に気がついたのはセプリプルブス所属の狙撃部隊。正確には聖女よりも先に視界にそれを捉えていた彼らは、認めたくなかったが故に反応が遅れた。


ブォンッ


「『斬糸』」


ズパッ!!!


防壁の上に向かって一人のデザイアがソレを投げつけ、もう一人のデザイアがスキルによってソレの()以外を切り刻む。


「射てぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


狙撃部隊が大砲によってソレを撃ち落とし、続く他の部隊が正確には認識できていないものの、撃退の為にソレへと投石や魔法光景を行う。


「───たまえ!!『水神域の守り』!」


アナスタシアはソレを防ぐ為に水の防壁を張り、間髪入れずに魔法の詠唱へと戻る。


(この為ですか!デザイア!貴方が10日間も姿を見せなかったのは!!!)


アナスタシアの表情は、いや、ソレを正しく認識している者の表情は怒りに歪んでいた。









高速で飛翔するソレ。いくらまもり通そうとしても飛び散り攻撃の隙間を抜けてくるソレは、ふとした瞬間に守りを抜けて防壁の上へと落ちた。


「ひぃ!!」


ソレがなんだったのか。今までは速度や距離によって認識できていなかった兵士の視界に、現実が映る。べしゃりと防壁の屋上部、兵士の足元にへばり付いた()()()()


「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」


一ヶ所でも通ればそこからざわめきの波は広がっていく。


指揮官が気を引き締め直す前に、ざわめきによる乱れを狙って多くのソレが投げられる。


べしゃり    べちゃっ   ぼとっ


内臓、手、歪んだ顔、骨。


降り注ぐ()()を構成していたであろうモノに、兵士は混乱の一色に染まる。


「なんだよ!なんだよこれぇ!!!」


無論、兵士だけではない。リアリティを楽しむ為に、AIによるフィルターをつけていないプレイヤーには切り刻まれた死体の破片が。グロテスクなものが苦手なプレイヤーには人肌やそれにまとわりつく無数の赤いポリゴンが映る。

言うまでもない。阿鼻叫喚である。


「落ち着け!落ち着けって!!!」


そんな声も届かない。目の前に映り、今も降り続くものに耐えきれない。

悲鳴に満ちたセプリプルブスの防衛陣を、デザイアが見逃すはずもない。


「『蟻酸』『剛糸』」


何十にも巻いた強靭な糸。その中に蟻酸を包み、まるで巨大な風船の様になった、デザイアの10倍近い大きさのそれを、防壁に向かって投げつける。

聖女によって水の膜が張られるも、何十発も同時に受け止められる強度はない。当然投げられた蟻酸風船のほとんどが防壁へと激突する。


着弾と同時に破裂する蟻酸風船。溢れ出る蟻酸によって、どんどんと防壁が溶かされていく。されど首都を守る壁。そう簡単には溶けない。じわじわとは溶けていくものの、溶かしきる前に何らかの対策が取られて終わるだろう。


「あら。では狙い撃ちましょうか」


瞬間。千近い蟻酸風船が生成され、防壁に衝突しては破裂する。


そして、、、穴が、空いた。





「どーすんのよ。これ。こっわぁ。蹂躙されるのは分かってたけどさ、これはないよこれは」


はぁ、とため息をつきつつ、アイス31号は空からその光景を見ていた。


「、、、しょうがないよなぁ。頑張って育てたんだけどなぁ、、、うん、まあ仕方ないよ。あの子らは消耗品だし」


行ってよ。私の可愛い子ら。


告げられた瞬間、空間魔法による歪みから大量土竜がとびだし、その四つ足でデザイアへと襲い掛かった。








雷神ちゃんは家のお布団で震えてます。


土竜はモグラじゃないです。ドラゴンです。


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