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南方戦争プロローグ

次回、この話の一個前に割り込み投稿します。

デザイアはナーフしました。デザイアのスタイルは数の暴力メインなので。

 

 一人軍隊(ワンマンアーミー)。そう称されるプレイヤーがいる。

 プレイヤー最強であるロロの様に、自身の配下によって軍隊を形成するわけでも、プレイヤー最強の()である剣士さんの様に、本人が強すぎてそう呼ばれる訳でもない。

 デザイア、一人軍隊(ワンマンアーミー)と称されるプレイヤーは、()でありながら()なのだ。


 大衆蟻という種は、凶悪な特性を持ちながらも自然界では淘汰される傾向にある。

 魔物という存在の中では上位に位置するこの種族最大の特徴は、『増殖する』ということにある。レベルが上がれば、そのレベルを消費することで自身と同じ存在を作り出すことができる。

 例えば、デザイアレベル1500がいたとしよう。そのデザイアレベル1500は、デザイアレベル1499二体に分裂することができる。また、デザイアレベル1498三体に分裂することもできる。

 そして、分裂したとしても自分であることに代わりはない。デザイアレベル1498が一体でもデザイアレベル1499になれば、残りのデザイアレベル1498も全てデザイアレベル1499となる。

 要するに、レベル、経験値、スキル、(ジョブ)、人格を共有するコピーを作り出すことができるのだ。


 増えれば増える程経験値獲得速度が早まり、増えれば増える程に強くなっていく。それが大衆蟻。


 だが、そんな大衆蟻がなぜ自然界で猛威を振るわないのか。それにはいくつかの要因がある。

 まず、個体の死に関して。

 デザイアレベル1Aとデザイアレベル1Bがいたとする。戦闘や何らかの要因でデザイアレベル1Bが肉体的に死亡した場合、いくらデザイアレベル1AのHPが残っていたとしても、もうデザイアレベル1Bが復活することはない。


 次に個体のステータスについて。

 大衆蟻という種族は、上位の種族に位置しながら他種族よりもステータスが低い。そのため、レベルが低い場合、他の種族に増えるエサといった扱いを受けることとなる。先ほども言ったが、一度死んだ個体はもうもとには戻らないため、数も増やせずレベルも上げられなかった場合、大衆蟻は自然界においてただの被食者でしかない。


 では、仮に大衆を築き、レベルもかなりのものとなったとしよう。自然界では数千、数万に一度程度の確率ではあるものの、ないわけではない。この場合、原生値に住むワルーレン大陸の人類は、ひたすらに無視を行う。

 何故か?大群を築いた強力な大衆蟻の軍勢は、()()()()()()()()()()することとなるからだ。

 大衆蟻の特徴として、共食いをしないというものがある。当たり前だ。誰が好き好んで自身の肉を食らうというのだろうか。そのため、周辺に食料がなくなった場合大衆蟻は何も食べることができなくなり、勝手に自滅する。





 さて。そんな大衆蟻という種族に一人のプレイヤーがなってしまった。デザイアだ。

 彼女の最も最悪だった点は、()()()()()だということだろう。

 プレイヤー。○○◯○○によってデスペナルティを受けつつもポータルで復活することができる存在。この特徴だけで、大衆蟻という種族は非常に強力な種へと転じてしまった。

 1個体が死んだ?ポータルで復活する。

 ステータスが低い?並みの(ジョブ)よりは上昇値が高い。

 腹が減った?バットステータスやスリップダメージを受けるも、死にはしない。仮に死んだとしてもポータルによって復活する。


 そしてデザイア。人を食料とすることに忌避感を持たない異常者。自身の欲望のままにワルーレン大陸の小国家郡で暴れまわった彼女は、一時期5000を越える大衆を成し、、、上位者によってその数を1500まで捕食され尽くした。


 以後、余りやり過ぎるなという警告を受けた彼女の今回の行い。それが許されるかどうかは、、、神のみぞ知る。







なーんて解説が検証班にあるってのは知ってたんだかねぇ。


「おらよっと!『斬波』!!!」


はぁ?おいおいこいつ外骨格で俺のスキル反らしやがるとかよぉ。


あん?俺が今何してるかって?見りゃわかんだろ。爆音のアニソン聴きながら厄介極まりない黒色昆虫人間(デザイア)4匹の相手してんだよ。

上下左右から連撃加えて来るとかなんの冗談だってんた。俺だから良かったものの、、、ほらよ、見てみな?あっちで人ぶっ飛んでるぜ?

いやぁこいつらマジにめんどいなぁ。こんなことならこの依頼受けなきゃ良かったぜ。ん?()なんだからこいつが正しい表現なのか。めんどくせぇ。


「『乱爛嵐舞』!!」


おっ!いったいった。いえーい5匹討伐。、、、ってもすぐポータル使って戻って来るんだけどな。ゴキ○リかよ。黒いし。


「あら。そろそろですか。名残惜しいですが」


パンッ


「あ"あ"あ"やっと終わったぜぇ、、、」


ドサッと座り込む。地面は血やら昆虫の体液やらで汚れてるが、、、んなもん気にするよりさっさと座りてぇ。


ふう、、、な?厄介極まりないつったって、しょせんあの昆虫人間は良いとこのお嬢様。親の決めた就寝時間には敵いやしねぇ。いくら精神やこっちでの体が化け物染みていても、リアルじゃただの一般人だ。あん?リアルでも化け物だったら?んなもん依頼破棄してしてとっととずらかるわ。プロの選手相手に俺ら底辺が勝てるわきゃねぇだろ?それとおんなじな?


「傭兵様!お疲れ様です!!!!!」


「おうよ。肩かしてくれ。ちと疲れたぜ」


俺んとこまで迎えに来た衛兵の肩を借りて立ち上がる。

さて、明日も頑張りますかね。



デザイアはリアルでは良いとこのお嬢様なので、夜は11時には寝てしまいます。なので、ゲームのできる時間は10時程度までです。襲撃に時間制限や規則性がなければ、この傭兵は逃げてました。

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