少年の戦い
また遅れました、、、
((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
襲撃は唐突だった。
たった3秒。それだけで、俺らが暮らす村は大量の糸によって包囲された。時刻は夕暮れ時。もう起きて家の外にいる大人は少ない。子供も時間が時間だからか、みんな家に帰っている。例外は魔力操作の練習を畑でやっていた俺だけだ。
「くそっ!なんだこの糸!!」
突然の出来事に呆然としていた俺は、近所のおじさんの声で我に帰った。
おじさんの方を見てみれば、村を覆う糸の束に向かって必死に鍬を振り下ろしている。
、、、あの糸、たわんでる?
わずかだけれど、おじさんが鍬を振り下ろす度に糸がたわんでいる様に感じた。なら、確かめるしかないだろ。
「おじさん!その鍬貸して!」
「ちょっおい!坊主!」
一瞬の出来事に反応できずにいるおじさんを余所目に、鍬を奪い取った俺は魔法を唱えた。
「中級付与ファイア!!!」
中級。この鍬が耐えられる最高レベルの付与をして、俺は鍬をおもいっきり持ち上げ、振り下ろした。
「おらぁぁぁ!!!」
ぐわんっ!
大きくたわむ糸の束。若干だけれど、熱で溶けている。これなら、、、いける!
「はぁぁぁ!!!!!」
振り下ろす手に、さらに力を込めて、、、一気に弾かれた。
「がっ!」
反動で舞い上がった俺は、とっさに受け身を取る。だけれど完全には勢いを逃し切れずに、背中を強く打った。
痛みで口から息が漏れるも、何とか立ち上がる。とりあえずはこの糸を何とかしないと!
「うひゃひゃひゃひゃひゃ!!うへycc7ubuth78v8j8b8gc788hcdv77cddihfx8hgfdhhwwwwwwwwwww」
再び鍬を構えた俺に聞こえたのはおじさんの甲高い笑い声の様な、悲鳴の様な声だった。
「あら。驚きました。人間種の幼体でありながら、私の糸をそれほどまでにたわませるとは。惜しむらくは私の糸には生成後数時間程自己修復機能が働くことでしょう」
後ろを振り向くと、頭に尾を突き刺されたおじさんと、もう一人。
黒髪に黒いコート。全身黒尽くめの、やけに赤い目が目立つ、10歳の俺よりは年上だが、また少女と言っていい年齢の女が立っていた。
そいつの普通じゃない点は4つ。
一つは背中から生えているんだと思う4つの昆虫の様な脚。両手両足の黒い装甲は、100歩譲ってガントレットなどの装備品なんて可能性もあるんだろうけど、この4本の脚は違う。明らかに人間ではあり得ないものだ。
次に触覚。吸い込まれそうなまでに整った顔。その上、額の部分から生える2本の触覚は、俺が今までに会ったことのある人間、獣人、エルフ、魔人。そのどれにも当てはまらない特徴だ。
そして尾。明らかにさそりと同質の巨大な尾が、その少女の背後から姿を覗かせていた。
はっきり言おう。俺はこの時点でも村も何もかも捨てて逃げたい気分になってた。でも、それを加速させた最後の要因、それは。
「な、なぁお前、なにを、、、なにを食ってんだよ!」
俺が目線を向けている先。異形の少女がかじっている肉の塊。その形はまさに、、、
「なに、ですか。強いて言うなれば人間の肉でしょうか?」
人の腕の形をしていた。
「人間って意外と美味しいのですよ。なのに他の人外種の者で捕食する方は少ない。種族的な物も関係するのでしょうか。ああ、食べますか?」
少女は自然体で人の腕の形をした肉を、俺へと差し出す。俺はそれを払いのけ、一気に鍬を少女の頭に振り下ろした。
忌避感なんて感じている場合じゃない。この少女の形をしたナニカは生かしておくべき存在じゃない。俺の直感がそう告げている。
大丈夫だ。人型の魔物なら、ディザートゴブリンや他の魔物とも戦ったことがある。いける!
カァァァンッ!
だけど俺の鍬の一撃は、少女の頭部に当たったはずのそれは、金属音を響かせて弾かれた。
「なっ!?」
「戦闘がしたいのですか。ふむ。英雄個体か転移、転生個た、、、その様子を見るに転生個体ですか。いいでしょう。ちょっと待って下さい」
ふむふむと何かを確認し出した少女を他所に、俺は内心の動揺を隠すのに必死だった。転生。そう、俺は転生者だ。まだ誰にも明かしたことのない秘密。前世の記憶があるなんて知られたら、どんな反応をされるのかなんて分かりきったことだから。
、、、だけど、今この状況では良いことだったのかもしれない。俺が転生者だということに、少女は興味を持ち、何らかのアクションを取ろうとしている。
つまりその間は俺以外の村人は襲われない。俺が足留めしている間に糸を断ち切り、この化け物から逃げ出せる可能性が出てくる。
「ありました。どうぞお使い下さい」
少女が虚空から引き抜いたのは、一本の赤黒い剣。俺に手渡されたそれは、見るからに業物の雰囲気を醸し出していた。、、、これなら、この化け物を倒せるかもしれない。
「上位付与!ヘルファイア!!!」
黒い焔が立ち上ぼり、剣へと纏わりつく。俺は、それをそのまま少女の首筋に向かって振り上げた。
カァァァンッ!!
「っつ!?」
弾かれた。ビリビリを震える感覚が剣先から腕に伝わってくる。俺の全力の振り上げは、少女にただ腕を上げるだけで受け止められた。
「、、、、、、、、、あの、これが全力なのでしょうか。だとしたら誠に期待はずれなのですが、、、」
少女は、困惑した様子で自身の無傷の腕を見つめる。それが、俺にはとても恐ろしかった。自分の手札の中でもかなり強い攻撃が、こうもあっさりと防がれたから。
「なら、見せてやるよ。俺の取っておきを!!!」
《龍咆絶裁》
これは発d
ドンッ
「あ、もういいです。つまらないので」
「がはっ」
後ろから少女の声が聞こえたと同時に、俺の鳩尾あたりに穴が空いた。ちょうど、少女のさそりの様な尾と同じサイズの。
ドサッ
俺は地面に倒れながら考える。少女は最初から最後まで俺の目の前にいた。なのに、なのにだ。俺は後ろから貫かれた。
朦朧とする意識の中、俺は必死に顔を動かし、少女の姿を捉えようとした。
ふたりいた
明らかに研ぎ澄まされているであろう剣の剣戟でも通らない程に硬く、村一つを包囲して余りある糸を吐き出せる存在が、二人。
俺たちは、何を相手にしているんだ?俺は、何でこんな目に会ってるんだ?
ドスッ
朦朧とする意識が、最後に頭に何かを突き刺されたことを感知し、途絶えた。
「、、、、、、、、、成る程。これは楽しそうですね」
本体の尾によって接続された私は、この体の記憶を読み取り、とある催し事を思いつきました。ふふ。愉快。
ああ、そうと決まればこの体に死んで貰っては困りますね。この体は、、、回復等の魔法は使えますが、この体のものだけでは足りなさそうですね。仕方ありません。私の方から回復を促しましょう。
ああ、早く回復しきりませんでしょうか。
アレン君VSデザイアでした。
畑での魔法操作練習の意味合いは、作物を通すことで育成の促進、物体の仲介を経る魔力操作自体が練習になる、、、等々の利点があります
『混沌の存在
デザイア レベル1500
職ジョブ 英霊祈祷師(8次職) レベル10
種族 ヒュジャル砂漠大蠍 レベル290
支配者階級の蜘蛛 レベル600
大衆蟻 レベル700
HP 1748000
MP 574450
攻撃力 207450
防御力 830450
俊敏性 655450
知力値 1098450
器用値 1922450
精神力 2365450
称号 虐殺者 サイコパス 混沌たる存在 その他』
種族【大衆蟻】
仲間(自分)がいっぱいになる種族。レベルを消費することで、自身と同レベルの自分を作り出す。厄介な点は増えれば増える程レベル上昇が早くなること。自然界では死ねば復活することはないため、いい感じに個体数が保たれている。
ただ、デザイアの様にプレイヤーが種族として活用すると死後もポータルによる復活が可能となってしまいとたんに化ける。デザイアは現在1500匹。レベル毎HP+1000、MP+100、攻撃力+200、防御力+600、俊敏性+300、知力値+200、器用値+700、精神力+600