英雄王4
祝!300ポイント!!ですが切りが良かったので短いです。
ところで、ミロクのステータスを見に行ったんですが、彼攻撃力は10億、他は数千万あるんですよ。
それで、彼はβの最強決定戦で4位なわけで。なら5兆ならまだしも5億程度で検証班のあの驚き様はおかしいよなぁと思いまして。
後日検証王らの反応を修正するかもしれません。してなかったら忘れてるかそれよりも話を進める方にシフトしたと思って戴ければ幸いです。
「『|衣装変更』」
ライメトゥスの装束が替わる。防御に特化したものから、俊敏性に特化したものへ。
『衣装変更』
現在の装備と、あらかじめセットしておいた装備やアイテムを入れ替えるスキル。
下位職の頃ならばどんなプレイヤーでも習得でき、一度習得すれば職を消しても使い続けられる基礎的なスキルである。
ただ、下位職はレベル1で固定のスキル5つを習得、それ以降5レベル毎にレベルごとのスキルプールから二つずつしかスキルを選べない仕様であること。また、そもそも状況に合わせて替えられる程に装備を充実させるには途方もない金が掛かることを見越してなど、様々な理由であまり使われないスキルである。
「『韋駄天』」
姿が煙のように消えたかと思わせるほどの速度で走り出すライメトゥス。アーニスへの最初の一撃は、ここから攻撃スキルで首を切り落とすことで決まった。
だが、今のアーニスにとっては余裕で目で追える程度の速さでしかない。
「『大破海』」
アーニスから、ライメトゥスの進路を防ぐようにして破壊の波が放たれる。
触れたものを分解する津波。避けようがないそれを、ライメトゥスは更に強く踏み込み、装備任せに突っ切った。
「『衣装変更』」
幾多の装備を使い潰し、ライメトゥスはアーニスに肉薄する。
「『震波汪斬』!!!!!」
『震波汪斬』
剣を高速で振動させ、切れ味を高める攻撃スキル。
威力やクールタイムなど、他の要素はよくある攻撃スキルと似たり寄ったりなのだが、このスキルには他にはない要素がある。それは、効果時間である。
だいたいのスキルが一度の斬撃、やn秒間などである中、このスキルは剣を振り上げてから振り下ろしきるまでが効果時間なのだ。
横振動を行えば切れ味が鋭くなる。なら、縦振動を行えば?
連撃が繋がる。
連続とは、一定期間内に一定数以上連続して相手に攻撃を当てることで連続が途切れない限り攻撃の威力が上昇し続けるというもの。
対格上の戦いでは、欠かせない技術であると言える。
そして、ライメトゥスは、一度の振り下ろしで1000を越える連撃を与えた。
走り抜けた勢いが落ちきる前に、振り下ろした姿勢のままライメトゥスはアーニスの背後に回り込む。
そのまま体が悲鳴を挙げるのにも構わず、強引に体勢を捻りアーニスへ刃を向ける。
「『英傑の一撃』」
『英傑の一撃』
『魅せ』に特化した強化スキル。次に放つ攻撃が、ドラマチックであればある程、英雄然としていればしている程、盛り上がるような攻撃であればある程、成功率が大きく上昇する。
そして、斬る。深淵特有の、スキル名を言わずとも威力が低減しないスキル『深淵の衝動』を添えて。
スパンッ!
なんとも軽い反動と共に、ライメトゥスの斬撃はアーニスの左腕を切り落とした。
もとより静まりかえっていた周囲が、一瞬更に鎮まる。そして、爆発するように歓声があがった。
バフを盛った上で、数100万程度しかないステータス値で、ライメトゥスは見事5億という途方もない防御力を持つアーニスの腕を切り落としてみせた。
その事実をウェドゥネスのビットからの映像で見ていたプレイヤーたちは、大きく沸き上がり、
「で?」
直後、再び静まりかえった。
一秒後、アーニスの腕を切り落とした後に油断せず距離を取ろうとしていたライメトゥスを、アーニスが切り落とされたはずの左腕で放った『大破海』が襲ったからだ。
無駄だった。あれだけ何種類も重ねたバフも、大破海を突破するために塵となった装備も、速度も、攻撃力も、スキルも、何もかも。そんな絶望が、その場にいる全てのプレイヤーに広がる。
「腕なら俺の独力だけで行けた。なら、これを使えば首まで行ける。」
たった一人、ライメトゥスを除いて。
「さすがに首落とせれば認めて貰える、、、といいなぁ」
言葉の弱気さとは異なり、ギラついた眼でアーニスを見据えつつ、ライメトゥスはとある指輪を嵌めた。
拙作をここまで読んで読んでくれている皆さまならもうしているとは思いますが、まだでしたら是非ブックマークと星での評価をよろしくお願いします。




