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送る道化師のお迎え道中5

遅れました、、、最近スランプ気味かもです。短いですし


追記。予約投稿が分単位でできるようになったのはとても嬉しいですが、その他の仕様は元に戻して欲しい(切実)

 

「・・・」


 マヌティノーゼによる蹴りによって体勢を崩されたアーニスは、回転によって体勢を建て直しつつ地面に着地する。


 アーニスは自身の攻撃の対策が建てられるとは考えていたものの、実際に行われるとそれは厄介極まりないものであった。

 アーニスが使っている『火葬』や『弔いの浄焔』といった魔法やスキルは本来、死者を無事天へと送るためのもの。大道芸や曲芸等とは違い、戦闘においてこれらをメインに据えたのはアーニスにとって実はこの騒動が初めてのことであった。

 だから対策を講じられた際の対処が、かなり詰めが甘い。


「『弔いの浄焔』」


水瓶「『流水』」


 が、そういった事情を差し置いてアーニスは王都に向かわなければならない。そのためにはここでマヌティノーゼを倒しておくことが必要である。それも曲芸師や道化師ではなく、葬儀師の能力で。

 仮に今マヌティノーゼを無視して先に進むこともできるが、確実にアーニスよりも足の早い者に回収され、後々障壁になるからだ。


「『丞悟清炎』」


水瓶「『流水』」


 何度目かの攻防の際、アーニスが動いた。


「『水葬』」


『水葬』。『火葬』のように既存の流れる水に触れている存在を問答無用で天に召すスキル。


十二神「『十二(つき)』」


 それをマヌティノーゼは、水を凍らせることで防いだ。

 水に触れたら天へ送る性質が与えられることがわかっているのであれば、氷にしてしまえば打ち消せる。氷で葬儀は行われないのだから。


睦月「うーんこれは?」


卯月「だよねー」


神無月「それしかないよね?」


水無月長月如月「「「アーニスさんさ、あなたこのスキル、使いなれてないよね?」」」


葉月「あ、やっぱり?」


師走「(マヌティノーゼ)がそう言うってことはやっぱそうなのかー」


弥生「さすがにあれだけ私に水が触れてるかどうか見られてたら気付くよねー」


「『階天緋炎』」


十二神「おっと危ない『十二星座』」


 炎が来れば水で打ち消し、水が来れば凍らせて止める。マヌティノーゼの徹底した妨害戦略を前に、現状、アーニスは成す術もなく翻弄されていた。


魚「ぴちぴち」


牡牛「さてどーする?」


水瓶「このままここで持久戦?」


蠍「十数時間たてば確かに私はログアウトするわけだけど」


射手「愛しのはおー様を早く迎えに行きたいなら、それは選べないよねー?」


「そう。私としてはここで止まるのは是非とも避けたい。だからしょうがない」


 するりと、アーニスは何処からともなく瓶に詰められた薬品を取り出し、


「それにこれはアイテム。運営(あいつら)も文句は言えないだろう」


 それを自身に降り掛かるように頭上で割った。


「『荒るる()()。創造より既に渾沌と化し、統治されし今尚萌ゆるは動乱の鼓動』」


十二神「ッ!!『十二刻』っ!!」


 十二神最大の特殊形体、十二刻。ステータスオール400固定という欠点を持ちつつも、それを差し置いて有り余る特性がある。

 十二刻、1から12までの数字を持つ分体と、十二神本体。これを数字順に倒さなければいかなる条件下であろうとHPが0以下にならず、死亡しないのである。

 また、十二刻の特異性はそれだけではない。


4時「『加速(アクセルブースト)』」


6時「『減速(スローダウン)』」


7時「『停止(ストップ)』」


 1時に加速を、アーニスへは減速と停止を。このように、個々が時に関するそれぞれの固有スキルを持っている。

 が、殊の外耐性が高かったアーニスには思うように魔法が効かず、詠唱を止めるには至らなかった。


「『貧困格差、人身差別。あらゆる蔓延る劣等を。天上天下、唯我独尊。我今打ち破りし越等種』強制発動『大解放』」


 ゴゥゥゥッッッッッッン!!!!!!!



十二神「・・・えぇ(;´-`)」


 必死にアーニスから離れていた1時(マヌティノーゼ)

 他の自身が巻きこまれたことを感じ振り返った先には、自身に向かって迫り続ける業炎と、四方八方に向かって放たれる、空間を埋め尽くす程の鳩やらトランプやらナイフが飛び交う光景が広がっていた。







追記。誤字報告感謝です


スキル『大解放』

自身の通常カテゴリーに分類されるありとあらゆるスキルや魔法を、一切の制約を無効とし10秒間射程、威力2倍で放ち続ける。

今回は薬品を用いての強制発動であったため必要としたが、普段は詠唱は必要ない。


『ティバイアス覇王国四天王

 アーニス レベル8600

 (ジョブ) 底辺暮らしの落伍者(プァーエストクラウン)(十次職) レベル2500

   灰被りの小鼠(シンデレラマウス)(特殊職) レベル2500

   救い無き者の弔い手 レベル3600

 種族 貧民街の越等種(封印中) レベル 0 (上限) 

 HP 1375000

 MP 100000000

 攻撃力 1000

 防御力 100000

 俊敏性 550000

 知力値 300000

 器用値 5500000

 精神力 4000000

 称号  逸脱者 血濡れの道化師(ブラッディクラウン) 送り人 その他』


(ジョブ)【救い無き者の弔い手】

攻撃力100分の1。MP、精神力、器用値10倍。他者を傷つけることに対して忌避感を感じるようになる(効果・中)

他者の苦しみへより共感するようになる(効果・大)


種族【貧民街の越等種】(封印中)

悦等種とも呼ばれる。その恐るべき戦闘適正の正体も、類い稀なる膨大な力も、その正体は一切が不明。

わかっていることは、異性へ恋をすると爆発的にさらに力が増すことと、瞳に下60°分ほどが欠けた二重円の紋様があること、そして必ず貧困層でのみ現れることである。

あらゆる特殊スキルや魔法を習得可能。一秒毎に減少した分だけのステータスを補完。ステータスのマイナス値を解放。



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