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御手洗綸太郎の事件簿1

次は早くて来週です。


お嬢様の爵位が初心者スレのとここので異なってしまっていたので子爵に統一します。

 

 ドォォォォン!!!!!


「キャー!!」


「爆発だ!御手洗が来たぞ!!!」


「万一にもお嬢様方にトラウマが残るといかん!早急に避難を!!」


 とある貴族家のお嬢様のお屋敷。自国の宰相の結婚式にむけて遠方からの御友人を泊めていた矢先、予想だにしない事が起こる。

 突如として吹き飛ぶ屋敷の一部。硝煙と共に上がる悲鳴。飛び交う怒号に右往左往と行き交う人々。いつの間にか仕掛けられていた爆弾。まさしくミステリー。

 事件だ。事件が僕を呼んでいる。この屋敷にて起こった、摩訶不思議な事件が探偵()を呼んでいる。


「落ち着いてくれ!まずは消火を!それから屋敷の者を全員ここへ集めるんだ!犯人はこの中にいる!!」


 そう、この僕『御手洗綸太郎』を、ね!


【御手洗綸太郎の事件簿~第146話 貴族家の不審爆発~】


 ってなるはずだったんだけれど。


「居たぞ!!御手洗だ!御手洗綸太郎だぁぁぁ!!!」


「俺は護衛の方を呼んでくる!!」


「見逃すな!あいつは爆弾魔。逃走に有利な(ジョブ)は持たない!注意すれば我々でも追跡可能だ!」


「僕は探偵なのにー!!!!!」


 あっ!痛い!誰だよ矢を射ってきた奴!ダメージはたいしたことないけど、痛いものは痛いんだぞ!?

 あーもう、後で絶対爆殺してやる。














 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 side たいつ


 俺の名前はたいつ。訳あってミドガルド子爵令嬢のアリスティーナ様、通称お嬢様の奴隷になった男だ。

 運営に問い合わせたところ、奴隷としてVTOをプレイしているプレイヤーは俺以外に居ないらしい。

 伝える時担当の人に苦笑いされていたが、俺は気にしない。俺はお嬢様に仕えられている現在の身分に満足しているしな。


 話が変わるが、1ヶ月後に某プレイヤーとこのゲームの重要NPCズによる結婚式が行われるのは知ってるか?前夜祭から披露宴まで含めて10日間にも及ぶとかいうどえらい式だ。

 んなたいそうな式をするのには当然理由がある。

 なんでも今回結婚するNPCの中に、|この星1の国家《北方盟締国アステトリア》の女王陛下と、この星2位の国家(先住民族ブルガリア)の部族長の娘、あと10位の国家(ティバイアス覇王)陛下と20位の国家(ノスタード王国)の宰相も含まれているときた。

 そりゃこんなバカみたいな規模の式になるってもんだ。むしろ、10日間に抑えた宰相さんを褒めてやりたいくらいだ。


 そんな結婚式だが、お嬢様の所属するノスタード王国で行われることが決まっている。理由は某英雄さまがうちの国に滞在していたからだな。

 某英雄さまのパティーメンバーに部族長の娘と覇王陛下が紛れていて、ちょうど滞在している国の宰相様も嫁入りときた。更には女王陛下が逃がさないようにっつて乗り込んできた。

 都合良くノスタード王国が中央大陸中央部にあることもあって、そのままこの国で開催の運びとなったわけだ。


 さて、1ヶ月前に急遽決まった式ということもあってこの国にどっと他国どころか他大陸の貴族様まで押し寄せる事態となった。

 んな事態を予想している訳もなく、当然貴族様がたの別荘の建設が間に合う訳もない。

 ここはアステトリアじゃないから、都合良く貴族にふさわしい屋敷が転がっているなんてことも当然ない。

 じゃ、どうするか?決まってる。細い僅かな伝手を辿りに辿りまくって、現地の貴族(お嬢様ら)の屋敷に留まる他ない。


 てな訳でお嬢様のお屋敷には、今侯爵家4家、伯爵家18家、子爵家53家、男爵家21家が泊まっている。

 なまじ歴史があって、他国との交易を担当する家柄だったことが災いした。他国との伝手は往々にしてあるわけで、更に子爵という高過ぎず低く過ぎない爵位も悪かった。この国の他家と折り合いの悪い高位貴族から、この家と懇意にしている下位貴族まで勢揃いだ。

 馬鹿みたいに多いって?俺もそう思う。思うがなっちまったものは仕方がない。いくら王都郊外にあるため屋敷がかなり広いとはいえ、この数の貴族をもてなすのは不可能だとしても仕方がない。

 爵位のごり押しをされては、旦那様はともかくお嬢様や俺みたいな奴隷は口出しすらできないのだ。


 泣きっ面に蜂ってのはこういう時に使うんだろうな。馬鹿みたいに大勢の貴族がうちの屋敷に泊まるものだから、馬鹿みたいな馬鹿の標的となった。

 御手洗綸太郎。自称探偵の爆弾魔。あまりの悪辣さに、四大陸にて指名手配されたPKだ。

 先ほど聞こえた爆発音、あれが厨房での事故でないとするならば、十中八九あいつが来たと見て間違いないだろう。


 最低でもレベル1000はあるだろうと言われる御手洗は、腐ってもこのゲーム有数の実力者だ。俺だってレベル300を越えた実力者だが、それは『第一陣のなかで』という話だ。レベル1000の壁を乗り越えたβプレイヤーには一歩どころか数十歩は及ばない。

 ならどうするか?餅は餅屋に。βプレイヤーにはβランカーを。


「そこの奴隷、御手洗はどこだ」


 ぞくりとしたものが背筋を走り、即座に後ろを振り返る。果たして、そこにその人はいた。

 長い黒髪に浮かぶ、二対の白い楕円形の丸。プレイヤーイベントでアストラル大陸を襲った白虎と同じ【虎鯱】の種族のプレイヤーにして、β最後のイベントのランカー。


「今、大広間に!」


 可愛らしいプレイヤーネームと、苛烈な戦闘スタイルとのギャップで有名な通称『ランカーさん』が。





虎鯱((既存種))「ぼく、じめんをおよげます!」


蟒鯰蠎(じいちゃん(古代種))「偉いねぇ」

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