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第6部

 お城には王様となぜかお姫様の部屋があり、たくさんの貴族の男子のきらびやかな衣装や、ドレスがクローゼットに満杯に有った。

貴族の男子の服を着てみると、オオヨドハジメにサイズがぴったりだった。

いつもいつも最強装備の鎧じゃ、重くて大変だし動きもぎこちない。

貴族の男子の服を着てみるとこれが結構快適だ。

二人の女の子もお姫様の部屋で、鏡を見ながら、

あーだ、こーだ言いながらファッションショーをして楽しんでいる。

お姫さまのドレスも二人にピッタリだそうだ……よかった……僕だけ、ずるい!……とか言われずに済んだ。


 オオヨドハジメはサムライの様に、剣だけ腰に帯びた。

お城の庭で貴族の男子の服を着たオオヨドハジメと、散々ファッションショーして好きなドレスを決めてドレスアップした女の子二人が、優雅なお昼のティータイムを過ごしていた。

お城の美しい磁器のティーカップにメハネさんが入れてくれた絶品の熱いハーブティを飲みながらチョコドーナツを食べて

三人がのんびり日向ぼっこしていると、執事のメハネさんが血相変えて走って来た。


「大変です、町の入り口から謎の武装傭兵部隊が侵入して、あちこちの家に火をつけて略奪行為をしています。門番は置いていませんでした」


 町の入り口まで走って5分。

オオヨドハジメは、鎧を着るのは諦めて、剣だけ携えて走った。


パピヨンはーー火を付けられたーーと聞くと、

即座に魔法の呪文を唱えた


降雨プリィトインペリス!」


にわかに空に黒雲が沸き起こり街全体にどしゃぶりの雨が降り始めた。



オオヨドハジメが駆け付けると、傭兵らしき目つきの悪い兵隊たちが切りかかって来た。

剣で薙ぎ払う。

掛かって来た傭兵6人がすっころんで気絶した。

次々と、飛びかかって来る傭兵たちを10人、20人と気絶させていく。

シノムラマリコは、か弱そうな女の子の振りをしながら傭兵たちに近づき、

相手の剣や鎧を、ドレスを着ても下に付けていた盗賊の手袋の魔法の力『全ての物を盗む』で盗みまくった。

傭兵たちは、気づかない間に、すっぽんぽんの丸腰だ。

強そうだったイケメンの傭兵隊長もマリコの餌食になった。「げげっ!」

産まれたまんまの姿で逃げて行く。

町のおばさんたちがイケメンの傭兵隊長の下半身を見て「ちいさー」と大笑い。



オオヨドハジメは、剣で薙ぎ払い続けた。

さらにどんどん、飛びかかって来る傭兵たちを20人、30人と気絶させていく。


100人ばかりの傭兵隊の兵士たちを気絶させた

あるいは丸腰丸裸にさせられた傭兵が逃げ出していく。

傭兵たちをやっつけて、町の入り口の城壁の外に出ると、逃げ出そうとする兵士たちに小さな二頭立ての馬車に乗った16,7歳の女の子がヒステリー声で怒鳴り散らしていた。


「大金を払ったのになんてことなの? ハトル王を倒したオオヨドハジメとその一味を一網打尽に倒すと軽く請け負ったはずじゃないの?」


丸裸のイケメンの傭兵隊長は少女の怒鳴り声を無視して股間を抑えて、とっとと逃げ去った。


あとに、その小さな二頭立ての馬車に乗った女の子と忠実だが弱っちそうな御者の小男だけが残った。

御者は、馬車の陰でガタガタ震えている。

「命ばかりは御助けを」


オオヨドハジメが御者に聞いて見た

「この馬車の女の子はだれなんですか?」


「ハトル王の妹のエスメラルダ姫です。パトリア町外の森奥の湖畔の王家の別荘に住んでいらっしゃいます」


綺麗なドレスを着た女の子は馬車の中で泣きじゃくっている。


そこへ執事のメハネさんが駆け付けた。

「エスメラルダ様、ご心配しておりましたが、あんなやくざ者をお雇いになってまで……わたくしが説得いたしますので……エスメラルダ姫はなにより舞踏会がお好きなので、舞踏会を開いていただけませんか?」

「うん、いいよ。舞踏会開きますので、お姫さまの説得よろしく」とオオヨドハジメはメハネさんに丸投げした。

パトリアの町の町民はクラシック社交ダンス好きが多いそうだ。

メハネさんが取り仕切り、お城の大広間で、クラシック社交ダンスコンテストが開かれるーーと思ったら参加人数が多そうなのでより広い中庭に変更!

1位は金貨10枚、2位は金貨8枚、3位は金貨5枚という賞金で、二日後に舞踏会が開かれる。

そのニュースに町中が色めき立った。


「よく考えたら、僕、ぜんぜんダンスなんて知らないわ。運動会やキャンプでのフォークダンスなら経験あるけど」

「あたしも同じよ」とマリコ


「私が踊りの魔法をかけてあげるから、問題ないよ。身体だけ動かしてればいいよ」とパピヨン


舞踏会当日

それこそ、これだけ人がいたのかと思うほど大勢の人が着飾って、お城の中庭を埋め尽くした。

中庭には大きな木のテーブルが幾つも置かれて、沢山の大皿に、こぼれそうに山盛りにーー豚の丸焼き、魚のから揚げ、牛肉料理、ミートパイ、鶏の丸焼き、かぼちゃパイ、マーマレードケーキ、アップルパイ、チョコドーナッツ、沢山の果物バナナ ハイナップル グレープ メロン リンゴ オレンジーーが置かれてビッフェ形式で皿とフォークが沢山置かれて自分で自由に食べれるようになっている。

沢山のワインやシャンペンの瓶が置かれそれを沢山置かれたワイングラスに次ぎ放題の飲み放題。

ウエイターやメイドたちが忙しそうに動き回り舞踏会の参加者たちにサービスして居る。

中庭のバルコニーでは町の音楽隊が軽やかなワルツを奏でている。

老いも若きも着飾って、ありったけの笑顔でみんなが楽しそうに踊っている。


エスメラルダ姫はメハネさんと踊っている。

オオヨドハジメはパピヨンと踊っている。オオヨドハジメとマリコはパピヨンに、靴に『踊りの魔法』をかけられた。ジッとしていると、足が、勝手にタップを踏んでいる。

シノムラマリコは町の青年にダンスを誘われて楽しそうに踊っている。

城を守る兵隊隊長のバルドン隊長も着飾って踊っているが、相手はエスメラルダ姫の女執事のメハネ夫人だそうだ。

バルドン隊長はお城の兵士の中で一番剣が強い18歳の青年で、執事のメハネさんの息子だ。



楽しい舞踏会が終わり、ダンスコンテストの1位2位はすべてのダンスコンテスト参加者の投票によって結果が決まる。


1位はエスメラルダ姫とメハネさん。

2位はオオヨドハジメとパピヨンだったが、エスメラルダ姫は辞退した。

それに倣ってオオヨドハジメも辞退した。


結果、1位はマリコと街の青年、2位はバルドン隊長とメハネ夫人の母息子おやこ、3位は町の一般の老夫婦だった。


エスメラルダ姫のご機嫌は直った。


夕暮れのお城の庭に、オオヨドハジメは、エスメラルダ姫に呼び出された。

美しい藤の棚の下に置かれた翡翠ひすい色のブロンズの長椅子に座りながら、前にガチガチに緊張して立っているオオヨドハジメに、自分の横に座るように、エスメラルダ姫が促した。

仕方ないので、オオヨドハジメは横に座ったが、目のやり場に困った。

エスメラルダ姫は絶世の美少女で爆乳だった。

着ている夜会服のドレスはすごい胸開きで、オッパイが半分以上見えている。

涼やかな声で、この前の一件の言い訳をした。


「わたくし、兄とはあまり仲が良くありませんでした。特に兄がもっと強く永遠に若くありたいと言う理由で悪魔に魂を売ってからは……それで王家の別荘に、あたくしの専属侍女だったメハネ夫人と引っ越したのですわ。あなたは兄より悪い人だとうわさで聞いたので」


「え、僕が悪い人?」


「いえいえ、あたくしを騙して仕事を得ようという傭兵隊長の嘘だったのですわ。ごめなさい」


姫は続けた「あたくしたちを育ててくれた執事のメハネさんを死刑にしようなんて、とんでもない兄です、もう兄とも思っていません。あなたにはメハネさんを救って頂いて感謝してます。メハネ夫人も同じ気持ちだと思います」

「これはほんの感謝です♪」そう言うと姫はオオヨドハジメを爆乳のオッパイに抱きしめて唇にあつーーくキスした。

オオヨドハジメは窒息しかけて目が回り真っ赤になってふらふらになった。鼻血がタラー……


姫はにっこり笑うと、メハネ夫人を連れて森の奥の湖畔の王家の別荘へと帰って行った。

二頭立ての小さな馬車に乗って。


「私とパピヨンが今住んでる部屋はエスメラルダ姫の部屋だったのね」とマリコがぽっんと言った。



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