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76 疑うけれども疑いきれず

‥‥‥兄ちゃんの説明は、納得し切れない。


 幼心ながらも、私、セラはそう思った。



 適正学園というところで、兄ちゃんが職業を顕現させ、帰って来たのは良い。


 兄ちゃんは希望通りの召喚士になって、そこは嬉しそうなのは私にとっても嬉しい事である。


 でもね、何で何で何で、兄ちゃんの横に、大量の女の人がいるの?兄ちゃん、召喚士になれたら是たちにドラゴン呼ぶぞとか意気込んでなかった?



 混乱しつつも、兄ちゃんの話を聞くと、彼女達は兄ちゃんの召喚獣らしい。


 召喚で3体、学園で学ぶうちに契約したのが2体…‥‥前者は無理もなさそうだけど、後者は何?最初からその女の人達目当てでやったの?


「いや、違うんだよなぁ…‥‥」


 兄ちゃんの話によれば、その二体は元々こんな格好ではなかったらしい。


 ちょっとイケメンにも見えなくもないけど、カッコイイ女の人の方は、ゼネという名前の、アンデッド系モンスター、ナイトメア・ワイト。


 死体でありつつ、当初は骸骨の容姿だったらしいけれども、なんか契約して召喚したら、肉が付いたらしい。


 そしてそちらの箱入りの人は、ハニートラップボックスのリリスで、元々小さな小箱だったらしい。


 それが何をどう間違ってかこうなったようだけど…‥‥兄ちゃん、本当に何をしているの?




 そしてその他の三人‥‥‥こちらもそれぞれあったようだ。


 メイド服?という衣服を着ている人は、メイドゴーレムのノイン。


 兄ちゃんが召喚士として初めて召喚した召喚獣らしく、結構凄いっぽい。



 今日から学園が再び始まるまで、家にいるのは良いけど、流石に人数的に泊まれる部屋は無いとお母さんが残念そうにいうと、この人は問題ないとか言って、兄ちゃんの部屋に入って数分ほどで、大改装していた。


‥‥‥メイドって言うけど、メイドってこんなことできるの?何この闇の職業というか、底知れないのは?


 

 木の椅子に座っている褐色の人は、ヴァンパイア・アルラウネのカトレア。


 兄ちゃんの血を吸って力を発揮すると聞いたときは、それって本当に大丈夫なのか思わず叫んだけど、1,2滴ほどで大丈夫っぽい。


 でもなんか吸っている時に、兄ちゃんへ向ける目がちょっと危機感を感じるような‥‥‥いや、他の人達も似たような目を向けてない?女の勘としてなんか油断できない。


 宿泊する以上、マスター‥‥‥兄ちゃんの事をそう呼んでいるらしいけれども、負担をかけないようにと、庭の方にすぐに小さな菜園を作り上げちゃった。


…‥村でも農家の人はいるけど、そっちの人達の作る作物よりも上級そうなのは何で?何をどうやって瞬時に育てたの?




 で、あとは尻尾と翼が生えた人、ヴイーヴルのルビー。


 これは意外というか、ある意味兄ちゃんの呼びたかったドラゴンの仲間にあたるらしいけれども‥‥‥何かこう、色々間違っているような気がする。


 あ、今小指盛大に打った。この人はまだポンコツ感あるし、安心できるかも?でも、ドラゴンだしなぁ、兄ちゃんの憧れていた召喚獣の仲間に近いからなぁ‥‥‥うん、油断できない人に追加。



 とりあえず、一通り紹介してもらったけど、兄ちゃんに一つ言わせて欲しい。


「なんだ?」

「‥‥‥兄ちゃん、召喚獣たち美人なんだけど、兄ちゃんって本当に召喚士?」

「ああ、間違いなく召喚士だ。『異界の召喚士』とついているけど…‥‥召喚士だ」

「兄ちゃん、ちょっと自分の職業に自信ないんじゃ?」

「‥‥‥」


 何も言えなくなった。兄ちゃんが黙り込むってことは、色々と受け入れがたいのもあるのかも。


 というか、何で兄ちゃんの召喚獣たちって、私から見てもきれいな女の人ばかりなの!?


 2名ほどはまだ安心できそうだけど、その他は色々と大きいし、兄ちゃん都市でなんか悪い影響でも受けたのーーーーーー!?



 こうなれば、セラが兄ちゃんのために動かないといけないかもしれない。


 一見、全員兄ちゃんに素直に従っているようだけど、腹黒いというか、色々悪い部分とかありそうな気がする。


 そう、兄ちゃんがたぶらかされるかもしれないし、しっかりと見ないと!


 ぐっとこぶしを握り込み、私は兄ちゃんのためにどうにかしようと決意を固めるのであった…‥‥。










「‥‥‥うわぁ、まじだ、すっごい美人だらけだ」

「何?召喚士ってあんなのができるの?」

「嫁召喚とか、こっちがしたいんだけど‥‥‥」


‥‥‥丁度その頃、ディー家の周囲にて、村の人たちがこっそり見に来ており、そうつぶやいていた。


 村中に響いたセラの叫びに、何だと野次馬根性で見に行き、ノインたちの姿を見たのである。


「‥‥‥すごいな、村の女たちのよりも確実に上なんだが」

「でかいぁい、説明不要すぎる」

 

 男たちの言葉に、さっとフライパンなどを持ってぶっ叩く(刺す)女たち。


 ばしんばしんごすんごすんざくっと様々な音が響き渡りつつも、一晩も経たないうちにディーの召喚獣たちの噂は村中を駆け巡るのであった…‥‥

 

妹が怪訝そうな目で見るが何も言えまい。

これ以上説明のしようがないし、なんとか納得してもらいたい。

ところで、なんか外が騒がしかったけどすぐに静かになったのはなんでだ?



‥‥‥ちょっと地面が赤くなっているのはなんで?

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