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356 国を興せば何がある

‥‥‥新しい国王の政治体制となりつつ、月日は普通に流れていく。


「そしてついでに、元国王陛下も馬車馬のごとく働かされつつ、こちらの国づくりに関する基礎はできたかな?」

「完成率78%デス。国政を担う前準備としては、順調なペースデス」


 退任・新国王樹立も終え、落ち着いてきた今日この頃。


 ようやくというか、ディーたちが貰った国に関しての情報が集まり終えており、どこをどうやって動かすことでより良い国になっていくのかという案などを考えつつも、原形となるような形が出来て来たようだった。



「かつては一応、まともな国じゃったらしいからのぅ。人の住まう場所や国境線なども色々と確認し終えたようじゃな」

「あちこちの地形、ちょっと改造すれば農耕地などにもできるのだ!」


 国の原型となる領土の改修工事も行いつつ、召喚獣たちと共に今、大改造に取り組んでいた。


 ちょうど今は学園でも休暇の時期であり、学業から離れて国政に移るための前準備をするには都合が良い時期。


 まぁ、元々は将来の諜報としての仕事のために、ゆったりとした準備をしたかったのだが…‥‥あの国王陛下に、いや、今は元国王によって計画をおじゃんにされたからなぁ‥‥‥‥ある程度の俺たちの自由性を残しつつも、あちこちでちょっと制限が付いたのは痛い。


 まぁ、それでもノインの計算によれば最初の数年こそは慌ただしく動かなければいけないとはいえ、順調に行けば深く関わりまくる事もなく、ゆっくりと過ごせるようになるらしい。


 あちこちの地形の改造案や国民増強案なども出し合いつつ、色々と実行に移しているが、どれもこれも順調な様子である。


「特産品になりそうなものも、あちこちで作れるようでありんすね。わっちが酒を作って売るような羽目にならなくてもよかったでありんすよ」

「呪いや怨嗟/その他もゼネ浄化済み。あちこち/負の気配なし」

「広い湖があったのはよかったぜ!!泳ぎやすくもあるけど、湖を活かして観光や漁業の道などもいけるからな!!」


 召喚獣たちと国内予定地を巡りつつ、耳にするだけでなくしっかりと目でも見て確認しておく。


 あちこちに農村なども存在しており、多少放置されていたり既に廃村になったところもあったが‥‥‥国としての機能が働き始めれば人が集まるようで、再び活力を取り戻すようだ。


 とはいえ、問題がないだけではない。


 そもそもが素人に国を任せるような真似自体がおかしくもあり、ある程度の国政を行うにしても参考が欲しいのだが‥‥‥その補助を行う適任者が欲しい所。


 そこで今回、都合よく王国からも「存分にこき使って良い」ということで、元国王陛下を借りて国の形状を整えているのである。



 滅茶苦茶国民が苦労する国にはしないが…‥‥その前準備として、体のいい人柱になってもらおう。しっかりと過労死しないギリギリも見極めつつ、丁寧に扱わないとな。



「あとは、国名なども付けつつ、各国との条約などの締結か‥‥‥やることが多くて大変だなぁ」


 いざ国づくりと言えどもそう簡単に進むものでもないし、無駄な争いが起きないように周辺諸国との協力も必要不可欠。


 それにいざ出来たところで狙ってくる輩も出てくるだろうし、その対策なども考えないといけないし…‥‥権力者が狙う最高の権力としては国王があげられるだろうが、こんなメチャクチャ苦労する役職を欲しがる奴の心情が分からない。


 とは言え、放置するわけにもいかないのでしっかりと基礎を固めつつ‥‥‥後年は俺たちがいなくとも勝手に成長するようにして置きたい。


 まあ、そもそも亡くなっても続くだろうが‥‥‥‥それまでどうやって国を動かしていくのがか、日々悩むことになるだろうなぁ。


「そう考えると、ずっと続く大変さを押しつけたことで、元国王に課す仕事って増やすべきなのか?」

「とはいえ、重点的にし過ぎると今度は勝手に動かしそうですしネ」


 下手にやり過ぎてもダメだし、かといって軽くする気もない。


 色々と扱いに困る元国王に関して、頭を悩まされる羽目になるとは思いたくないのであった…‥‥



「いっその事、各国共同の諜報とされている役割に習って、各国共同政治顧問(労働あり)として働いてもらった方がいいのでは?」

「それ、全部の国に面倒を共同して押し付けようとすることになりませんかネ?」





馬車馬のごとく働いてもらいたい。

けれども任せ過ぎると、ろくでもない企みを持ちそう。

仕事とのバランスを考えると、なかなか難しいなぁ‥‥‥‥



‥‥‥そしてだいぶ、終わりも見えて来たなぁ。

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