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352 いらぬ蟲は徹底的に排除

「‥‥‥案の定というか、可能性はあったと言えばあったんだよなぁ」

「そうですネ。ご主人様の地位の向上に伴い、出てくる輩は想定できまシタ」

「それでいて、堂々と大馬鹿野郎が出てくるってのすごい気がするけど‥‥‥そんなに狙いたくなるものなのかな?」

「なるじゃろうな。地位的にはナンバー2にもなり得るし、御前様の騒動引き起こし・巻き込まれ率は高すぎるゆえにどこかで突然死する可能性も考えられるのじゃろう」

「そんなことを考えて欲しくないのだ。なんでそう考える奴がどこでもでるのだ?」

「そりゃ、色々と思うところがあるからなんだと思うでありんすよ」


 ぼそっとつぶやいたところ、皆がそう口々に言いつつ、手をぱんぱんっと払って汚れなどが無いようにきちんと洗っておく。


 月夜に輝く今夜は風通しも良く、心地いい眠りに誘われそうなので本当は寝たいのだが‥‥‥‥それでもまぁ、どうしても排除し切れない者とは出るものだし、さらに最も汚いものなどは水から出てくるからなぁ‥‥‥任せるのもありだが、こういう時は兄という立場としては前に立ちたいのだ。


「それで、こいつらはセラを狙って侵入してきたってことで良いよな?」

「そのはずデス。まぁ、悪事千里を走ると言いますが、情報統制や監視が不十分な相手だからこそ、筒抜け過ぎてましたので予想を立てるのは楽でしたネ」


 ぎちぎちっと普通の縄ではなく鋼鉄繊維で作られたワイヤーで、邸へ侵入を試みようとした者たちをしっかりと捕縛しておく。


「ついでに子機を介してきましたが、ご主人様の実家の方にも表れたようデス。新作のトラップの実験台になってくれたという報告も来まシタ」

「ティアやルンを向かわせたけど…‥‥やる前にやられてくれたのかな?」


 そうディーはつぶやきつつ…‥‥目の前に死屍累々と転がっている不審者たちの方へ目を向けるのであった。






‥‥‥国王の手によって国が与えられつつ、まだ政治に取り掛かることは無い。


 学生だからこそ自由の身であり、終わった後に出る可能性のある面倒ごとに関しては着実に片付けておきたい。


 そして今回は、その予想された面倒事の内、血縁者にかかる魔の手の排除に移ったのである。


 何しろ、実感はまだそこまで無いけれども、一国を任された身。


 まだまだどんな国になるのかだとか、その中身をどう弄っていくのかは検討中だが、それでも国を持つ者になるのは、権力者になるようなもの。


 当然、権力に対してはその地位が上なほど狙うような輩が出るのだが…‥‥そこに付け加えて、降ってくるかもしれないおこぼれを狙うような蟲共が湧く可能性があるのだ。


 虫ではなく蟲と強調しているのは、それだけ嫌すぎるというかなんというか…‥‥なんでこうなったのやら。


「ノイン、面倒事の件で国王陛下への追加制裁頼む」

「了解デス」


 諜報という職に就くのであれば、もう間もなく退任する相手とはいえ本来であれば敬うべきであろう。


 だがしかし、こうやって見事に面倒事を与えてきたうえに、こちらの地位もまだまだ先とは言え王になるのならば敬う意味はないかもしれない。


‥‥‥いや、今までの事を考えると、どうなのだろう。地位、邸、卵‥‥‥うん、深く考えないでおこう。


 とにもかくにも、今回の件に関しては国を与えられたことが要因である。


 一国の王にさせられるという事は、当然その血縁者も思いっきり関わることになり、妹と母も自然と地位が向上するのだ。


 そうすると、今のうちに狙おうとする輩が出るのは当然ともいえるわけで…‥‥母さんは容姿としては若い方だし、再婚相手の立場になろうと目論んできたり、妹の相手になろうとする輩が出るのは当然のことかもしれない。


 一応、それが本当に互に思いあっているのであれば何も言わないが‥‥‥‥今はまだ、権力欲に憑りつかれた者たちがやってきているので、容赦する必要はないだろう。


「というか、先日の亡者よりもしつこい気がする」

「人の権力欲というのは、個人さもありますが強い人は強いですからネ」

「醜い本性を出す奴もいるのだ」


 そのため、こうやって日夜やって来た馬鹿共を丁寧に撃退しているのだが…‥‥中々減らないものである。


「以前の組織の件で、掃除されているはずなんだけどな」


 それでも出てきてしまうのが、人なのだろうか…‥‥ううむ、いっその事世捨て人にでもなったほうが気が楽な気がしなくもない。


 とにもかくにも、狙ってくる輩が減少傾向になりつつ、しっかりと身を確実に守れる道具をノインが開発する時まで、日夜守るために撃退作業をすることになったのであった‥‥‥‥



「ああ、ついでにミウたちの方にもやってくる馬鹿はいるのか?」

「いますネ。ご主人様に嫁ぐ身ではありますが、ならば愛人として雇ってほしいとか堂々と手紙を送ってきている方々もいるようデス」


‥‥‥なお、俺の方にハニートラップの類などが来る可能性があったが、それは無かった。


 そもそも召喚獣たちの方が圧倒的美女軍団過ぎて、雇われて狙おうとした方々の心が先に折れたらしい。


 なんか、こっちが被害者になるはずが、精神的に撃退して申し訳ない気持ちにはなるなぁ‥‥‥‥

やってくるのは予想できた。

だからこそ、しっかりと潰して憂いを無くしておくのである。

家族に手を出そうような輩に情け無用だしね…‥‥良い実験台になってもらおう。




‥‥‥影薄いけど、そろそろ忘れ去られかけている友人も出さないとな。

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