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338 寒さも超えていよいよ迫りて

‥‥‥冬季休暇の間、フェイスマスク関連の面倒事は起きなかった。


 もう潰しているのもあるだろうし、何かと各国では二度と同様のことが起きないように動いて、変なものが出来上がらないようにしていたというのもあるだろう。


 とにもかくにも、雪も消え去り、温かい風が吹く中…‥‥ようやく、新しい学年へと踏み出したのである。



「と言っても、今年からは授業数もガクッと減るけどな‥‥‥」

「大体の必要な科目などは1、2年の間にできてますからネ。とは言え、ご主人様は領地なしとはいえ城伯と言う地位にある以上、貴族としての教育もしっかり受ける必要があるのデス」


 ぽかぽかとした陽気となり、4年生は卒業し、旧3年生が新4年生へと繰り上がる。


 つまり、第1王子(ゼノバース)も出て、第2王子(グラディ)が学年のトップへと躍り出るのだろうが‥‥‥‥




「‥‥‥ついでのごとく、生徒会長の座を押しつけられたのはどうしろと言いたい」

「どうしようもない事じゃと思うのじゃが」

「むしろ、当然のことのような気もするでありんすけれどね…‥‥」


‥‥‥生徒会長の座、結局受け継がさせられました。


 一応、生徒会に所属している程度だったはずなのに…‥‥どうしてこうなった。


 しかも、他の生徒会役員も速攻で逃亡し、結局俺に押し付けられたんだが。


「そして生徒会も暇ではないというか…‥‥やること多いなぁ」

「ピャァァイ?コレ、お仕事なのー?」

「そういう事でござる。とは言え、拙者たちも手伝うのでござるが‥‥‥」


 何かと濃い一年を過ごしていたせいで忘れかけていたが、まだ3年生と言う身分。


 悲しい事にこの生徒会の役職から抜け出すには今年を乗り切らねばいけなく、最初のころの入った判断を思いっきり間違えていたと後悔したくなる。


 と言うのも、生徒会は生徒会で、学園の運営に関して生徒たちの自主性も兼ねての運営が一部あるようで、そのあたりの調整などを行うのだが…‥‥予算編成に学園内の問題の処理、何かと出てくる改善案の受付や、その他新入生からの学園に対する相談などもやらなければいけないのである。


「ニャァァ‥‥‥ついでに引き込まれたけど、結構大変なのニャ」

「手伝うつもりはあったのだけれども‥‥‥大変ですわね」


 ぐでーっと、積まれた書類の山を片付け終えたあたりで、机に伏すルナティアとアリス。


 俺が生徒会長の立場に立ったので、だったら自分達も手伝おうという事で自主的に来てもらえたのは良いのだが‥‥‥それでも、仕事内容が大変である。


 なお、元から生徒会の人達も生徒会長の役を押しつけた責任感故かきちんと仕事をしてくれるのは良いのだが、やはり内容がより深くなった分、忙しさも増すだろう。


「そう考えると、生徒会長になっていたゼノバースやグラディと、話す機会が少なくなっていた理由が分かるな…‥‥あちらはあちらで、一人でかなり多くの仕事を引き受けていたようだからな…‥‥」

「国王になるためにも、多くの仕事を経験しようとしていたようですからネ。隠れた努力をしていたようですが、こうやって取り組むとどれだけのことをしていたのか、よくわかりますネ」




‥‥‥まぁ、これだけの仕事が多い分、授業の方もある低程度の考慮が教師たちからされて、酷い事にはならない。


 予習復習も欠かさずにやっているし、勉学をおろそかにはしていないのだ。



「でも生徒会長としては目立っているようだぜ?新入生たちの噂話に耳を立てて聞いて見たが、我が君のことに関してのものが多かったぜ」

「何かと有名/立場確立/話題の人」

「とは言え、内容が色々とツッコミどころが存在していたがのぅ‥‥‥」

「ツッコミどころって、具体的には?」

「普段と変わらない程度デス。ご主人様が以前から言われている『美女製造機』『ハーレム野郎』『美少女しか生み出せない召喚士』などという言葉に加えて、『生徒会の華独占』というものなどが追加されまシタ」


‥‥‥なんでこうもその間違っているようないないような、否定しづらい名称が追加されるのか。


 色々と言いたいことはあれども、現状客観的に見るとそうとしか見えないところも多いので、反論できない悲しさがある。


「いや、一応セレナイトとか明らかに大きなドラゴンもいるんだが‥‥‥‥それでも払しょくできていないのか」

「出来ていないようですネ。むしろ、召喚獣よりもペット扱いとして見ている人の方が多いようデス」


 どうしようもないのかよ。と言うか、ペット扱いって‥‥‥‥召喚士の召喚獣をペット扱いとするのは間違っているだろう。


「ついでに告白もあったぞ?何かと目立つ分、近づきたいのか‥‥‥」

「まぁ、マスター以外はお断りですので、きちんと丁寧にフッていますわ」


 ソレはソレで聞き逃せないのだが…‥‥どうやら彼女達のことをまだ詳しく知らないような新入生からの告白なども出ているらしい。


 とは言え、彼女たち自身は全部お断りしているのだが‥‥‥‥


「‥‥‥ああ、だからか。なんか新入生からの相談事項に、失恋に関する相談ごとが多いって話があったぞ」

「元凶、大半は儂らじゃろうなぁ…‥‥」




 何はともあれ、新しい学年となり、学園生活を過ごすのみ。


 組織も潰しているので、できれば卒業するまで平穏無事で過ごしたいのだが…‥‥これはこれで、問題ごとが多く出てくるのではないかと、嫌な予感を俺は抱かされるのであった…‥‥‥



「それはそうと、グラディはまだ在学中だろ?なのに、姿は見ないような‥‥‥」

「そう言えば、王族の方々がは今、王城の方で話し合いがあるそうデス。なんでも、陛下がそろそろ退位を考えこんでおり、いよいよ王位に関しての話が佳境に入ったのだとか‥‥‥」


 ああ、あの国王陛下か。


 そろそろ退位して、王子たちが後を継ぐのだろうけれども…‥‥そう言えば、結局誰が王位につくのだろうか?


「それはそれで気になるし、情報が入り次第伝えてくれ」

「了解デス」


 第1王女はこっちに来るし、第3王子はどこかで式を挙げたという話もあったし…‥‥となると、第1王子(ゼノバース)第2王子(グラディ)のどちらかが次期王になるはずである。


 友人が国王になるかもしれないと考えると、気になる話になるなぁ‥‥‥‥あれ?でも、なんかそれはそれで嫌な予感しかしないのは何故だ‥‥?まともな人たちのはずだが‥‥‥


 


それなりに在位していた国王陛下も、退位を考えているらしい。

褒美に爵位、邸、卵、娘といろいろとあった方だが…‥‥大人しく、退位するのだろうか?

何かと疑問に思いつつ、面倒事の種を投げてこなければいいなぁと考えるのであった。



‥‥‥本当に、大人しく王位を譲るのだろうか?

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― 新着の感想 ―
[一言] ゼネの場合、別の意味で失恋した相談が多いだろうね(笑)
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