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290 改めて見直したりして

…‥‥ヴァイオレンスマンティスの襲撃から村を守りつつ、殲滅し終えた翌日。


 捕らえられていた村の人達や、ついでに同じように被害に遭っていたらしい他の人達も治療を施しつつ、また同じようなことがあってたまるかと思い、発生原因を徹夜で調査した結果、奴らがどこからやって来たのかということが判明した。


「いや、したというかこいつらがモンスター・パレードで出てくるはずだった奴らっぽいな‥‥‥直ぐに周囲へ災害のごとく襲うタイプではなく、ある程度の知能を持って効率的に攻めるタイプだったか」

「そのようじゃな。全滅させて、アンデッド化しないように火葬しつつ下から探ったのじゃが、その類だったようじゃ」

「周辺の足跡の数や位置、方向なども確認しまシタ。とりあえず、現状は収まっているような感じですが‥‥‥放置すれば、また同様の輩が出てきてもおかしくないでしょウ」


 調べに調べまくった結果、奴らが出てきたのは見つかったダンジョンの内部。


 本来、モンスター・パレードはダンジョンの発生時などに起こり得る災害なのだが…‥‥その災害そのものが、今回は効率的に襲撃しようと考える意志を持ってきたらしい。


 ゆえに、直ぐに周辺に被害が出ることはなかったようだが…‥‥それでも、放置状態ではまた発生する可能性が残されている。


「となると、やっぱり潰すしかないか…‥‥残しておいたら、フェイスマスクの拠点に改造されかねないリスクもあるからな」

「そうですネ。ダンジョンコアの速やかな破壊を推奨いたしマス」


‥‥‥何にしても、またダンジョンへ突撃することになるのだが、問題はあの吹雪が吹く階層の先である。


 音だけでも、名状しがたき黒き混沌の生物が潜んでいそうなのが分かるのだが‥‥‥そこを進まなければ、奥へいけないだろう。


 けれども、そんなものがうじゃうじゃと大量にいる中を、突っ切ることはできるのか?


 いや、無理だろう。精神的な面で、全員絶対に嫌であると即答したほどであるから。



 とはいえ、強行突破をするには少々難しくもあり…‥‥‥


「だからこそ、強行突破用の特別装甲車を用意いたしまシタ」


 ノインが用意したのは、巨大なゴツゴツとしている箱。


 窓ガラスがはめ込まれており、その両脇にはヴァイオレンスマンティスの足を再利用して作られた多脚式走行装置というものが取り付けられたものである。


‥‥‥見た目、ちょっと遠目で見たら強大な虫に見えなくもない。


 けれども、この中に入って進めば、悪路だろうと何だろうと、安全に移動することは可能らしい。


「とはいえ、長時間の運転には向いていまセン。あくまでもあの地帯を突破するだけの装甲車なのデス」

「大体どのぐらい稼働可能なんだ?」

「使っている足の状態だと、およそ5時間ぐらい持つカト」


 まぁ、その階層近くまで進んで、後はこれに乗って進めばいいだけのようだが…‥‥果たしてこれで、無事に進めるのだろうか。


 何にしても、突破して先へ進まないことには意味がないので、やるしかない。


 途中で壊れたりしたら、その中を突っ切る羽目になるが…‥‥いざとなれば、全力ですべてをふっ飛ばす勢いで突き進めばいい。


「リザ、カトレア、一応聞いておくが治療した人たちの容態は?」

「大丈夫でありんすね。体力回復のツボなども押して、回復し切るまでぐっすり眠ることになるでありんすけれども、容体は落ち着いているでありんす」

「薬草もできる限り用意して、村の人達に回してますわ。全員起きたらどこの人なのか詳しい話しを聞けるようにしつつも、また何かあってもすぐに治療可能ですわね」


 村の人以外の人達も捕らえられていたのを救出したが、そちらの事情を知るにはまだ時間はかかる見込みらしい。


 けれども、直ぐに容体が急変するという事もなく、無事だった村の人たちが見てくれるそうなので、俺たちがしばらくここにいなくてもおそらくは大丈夫だろう。


 なお、バルンに関しては治療も済んで体力も回復したようだが、あちらはあちらで自衛可能な村の人達と巡回に回るそうだ。ヴァイオレンスマンティスの生き残りはいないとは思うが、それでも念には念を入れたいらしい。




「それじゃ、今日もダンジョン攻略を行うぞー!!」

「「「「おおおーー!!」」」」


 ちょっと徹夜して調べてはいたが、この程度ならば問題ない。


 それに、早く潰しておかないとまた同じような輩が出てくるとも限らないし、さっさと攻略して消し飛ばしたほうが良い。


 そう判断して、ディーたちはダンジョンへ再度向かうのであった‥‥‥‥



「‥‥‥ところでノイン、ついでに村の方も防衛できるようにしたいけど、できるか?」

「トラップならばいくつか試作してますし、それらを設置すればいいかと思いマス。とは言え、村の人達に周知してもらわないといけないですし、帰還後に話し合いましょウ」


‥‥‥本当は、この村を含む領地を治める貴族に話を通したほうが良いのだが‥‥‥そのあたりは、グラディやゼノバース経由でどうにか話し合いの場を設けたいところである。


村への脅威をこれで減らすことが出来ればいいだろう。

ダンジョンの放置は良くないだろうし、危険極まりないならさっさと潰したほうが良い。

本当は、学園でも利用しているダンジョンのように制御して利用したくもあるが…‥‥どうだろうか?




‥‥‥なお、村へ設置する防衛用のトラップに関しては調整中。

というのも、モンスター以外にも盗賊団だとかそう言う輩もいるので、対人・対モンスターなどでちょっと整理したいのである。

過剰防衛だと、下手するとお見せできない光景が広がりかねないからね…‥‥安全のためとは言え、そのあたりの調節が難しいところ。何か良い罠が欲しい。

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