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24 首都うろつき日和

‥‥‥休日に、首都内を適当にうろつき、ある程度何処に何があるのかを把握していく。


 探検するような気分でもあり、普通にやればそれなりに身につき、買い物などを行う際には便利かもしれないと思っていたのだが…‥‥



「その前に、人込み凄いな‥‥‥っと、危ない危ない」

「どうやら、首都内でも混雑するエリアに来てしまったようですネ」

「あっちこっち詰まってますわね」


‥‥‥のんびりとしたいはずが、ディーたちは今、首都内の混雑している地域に入り込んでしまっていた。


 ここはどうやら首都の中でも、他国との交易品などの商品が多くあり、商店が多くある場所。


 ゆえに、その並べられている商品を求めようと人々が集合し、物凄く混雑しやすい場所ともなっていたのであった。


 混雑する人込みはすごく、ちょっと進むだけでも一苦労。


 整理しろと言いたいが、そのする人にあたる衛兵たちなども人の波にのまれている。



「ちょっとこの混雑具合はすごいですネ。うかうかしていると、はぐれてしまいマス」

「えっと、流石に結構きついし、一旦空いているところへ離れよう!」

「そうしたほうがいいですわね」


 人込みが激しく、スリなども起こりうるので、一旦身の安全確保と混雑が緩和するまで、俺たちは人気の少ない路地裏の方へ逃れた。


 人込みから抜け出し、そこで落ち着けたが‥‥‥ちょっと遅かったかもしれない。



「うわぁ…‥なんかもう、服がしわくちゃに‥‥‥」

「あー‥‥整えましたが、数の暴力には勝てなかったようデス」

「髪が乱れてしまいますわね‥‥‥まぁ、直ぐに直せますわ」


 互いの服装などを見ると、全員見事に混雑によって、服装が乱れていた。


 ノインのメイド服は変わりないのだが、ややめくれているところもあり、カトレアに至っては髪の端っこの方が押されて癖がついたのか、ぐねっと曲がっている。


 服装を整え直し、緩和するまでこの位置で静観していよう‥‥‥と思っていた、その時であった。



「ン?」

「どうした、ノイン?」


 ふと、何か音が聞こえたのか彼女はある方向を見る。


 その視線の先を見ると、その方向から誰かが走ってきていた。



 小柄な人であり、深くフードを被りつつ、長い髪のような物が見えている。


 そしてその更に後方には、いかにもというか、どう見たって怪しいような黒サングラススーツのおっさんたちが追いかけていた。


「見つけたぞ――――!!待てぇぇぇ!!」

「待てと言われて、待つ人がいますかぁぁぁぁぁ!!」


「‥‥‥あっていると言えばあっているような」

「何事でしょうかネ?」


 何を目的にしているのかは不明だが…‥どう見ても、ろくでもないような気しかない。


 関わらないほうが身のためかもしれないけれども、まぁ見てしまったものはしょうがない。


「なんとなく、勘的におっさんたちの方が怪しいよな…‥‥ノイン、カトレア、助けようか?」

「ええ、そうしましょウ」

「あの程度、本気を出さずとも楽に制圧できますわね」


 厄介事には関わりたくないけど、放置したらそれはそれで気分が悪い。


 彼女達に瞬殺してもらい、さっさと助けて逃亡したほうがいいと判断するのであった。






―――――――


「うぉぉぉぉ!!いい加減に捕まれぇぇ!!」

「捕まったらダメな事ぐらいわかっているわよ!!」


‥‥もうすでに、相当身体に無理をかけていることは分かるけれども、ここで足を止めてはいけない。


 逃げなければ、そして伝えなければいけない。




 けれども、限界が迫り、徐々に背後の追手たちが近づき、その手が近づいてくる。


 もうこれまでか‥‥‥と、そう思ったその時だった。



「ハイ、そこまでデス」

「なっ!?いきなりなん、」


 なにやら声が背後から聞こえ、追手たちが戸惑いの声を上げ切る前に‥‥‥


「スタンガンデス」

バチバチバチバチバチィ!!

「ぎゃあああああああああ!?」

「な、なんだこのあ、」

「こっちはわたくしの獲物ですわ。えいっ」

ぶっずぅぅ!!

「ひっぎあああああああああああああああああああああああああああああ!?」


 断末魔が聞こえたので振り返って見れば、そこには二人の美女と、悲惨な状態になっている追手たちの姿があった。


…‥‥いや、確かに捕まりたくないとは思っていました。でもね、何その悲惨な状況!?


 煙あげているし、ケツ抑えているし、ハゲ散らかしているし、全身から枝が生えて‥‥‥


「何この突っ込み切れないレベルの悲惨さは!?」


 思わずそう声を上げてしまうと、彼女達はこっちの方を向いた。


「え?このような暴漢らしい方々には、この程度の制裁が必要だと、聞きましたヨ?」

「そうですわよね。図書室で『100の暴漢に対する制裁方法』という本の、方法の一つですわよね?」

「何かが間違っているんだけど!?」


 見た目は二人とも美女なのに、何か中身が間違っているような気がする。


 とはいえ、助けてもらったことには変わりない…‥‥むしろ、追手たちの惨状に同情すべきだろうか。


「まぁ、ご主人様が見かけ、助けようと思っただけですので、即座に撤退いたしマス」

「え、ちょっとまって、この惨状と、あなたたちって誰かに命じられて」

「それじゃ、おさらばですわね」

「人の話は最後まで聞くものなんだけど!?」


 ツッコミを入れるも、もはや間に合わず、謎の美女たちはさっさと去ってしまった。


‥‥‥あの口ぶりからして、どうやら私を助けるようにと、誰かに命令されたのは間違いないだろう。


 どのような利益とか、考えで私を助けるのか、そしてその相手は誰なのかはわからない。


 けれども、ひとつだけはっきり言えるのは‥‥‥



「ぐえええ‥‥‥」

「ごぶっ…‥か、川が見える‥‥‥」


 ぴくぴくと、痙攣し、そう声にする追手たち。


 その制裁された者たちの後始末を、確実に押しつけられたことぐらいだろうか。


「…‥‥助けてもらえたのは良いけど、最後までちょっとどうにかしてほしかったんだけどぉぉぉぉl!!」


 あの美女たちへ、そしてその主へ、お礼と恨みを込めて思わず叫んでしまう。


 いや、今は時間がないのでさっさとこの場を去ればいいのだが、この転がっている者たちを放置しすぎるわけにもいかない。


 どうすればいいのかと、頭を悩ませてしまうのであった‥‥‥‥


さっさと助け、逃亡したほうがいい。

そうすれば巻き込まれる前に逃げられるだろう。

…‥でも、その制裁方法間違っているような。

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