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23 収めるためにも有効かもしれないが

‥‥‥ディーはぐっすりと眠っていた。


 ノインとカトレアに関することで色々と負担を受けることが多いが、この眠る時だけは、その負担から離れ、心身ともにゆっくりと休むことができる。


 そう、割と本当にこの眠っている時こそがほぼ確実に平穏な時‥‥‥‥


「んぅ……でも、そろそろ朝か」


 窓から日光が差し込み、その光が枕元に当てられる。


 いくら熟睡していたとしても、こういう日の光で目を覚ましてしまうのだ。


 できればあと2,3分は寝て‥‥‥っと、そこで俺は思い出した。



「あ、そっか。今日は休日か」


 学園とて、毎日やっているわけではない。


 きちんと休日もあり、その日は授業もないし、生徒たちは各自好きなように過ごせるのだ。


 そして本日はその休日であり、普段通りに早起きしなくても、ゆっくりと布団の中で眠ることができるのである。


‥‥‥まぁ、しいて不味い点を挙げるのであれば、寝すぎると朝食時に開く食堂が閉じてしまうのだが‥‥‥それはノインがいるので特に問題は無いだろう。


「それならそれで、二度寝と楽しむか」

 

 ちょっとした贅沢のように思えつつ、快適でもある二度寝。


 再び眠ろうと、欠伸をして、もう一度ベッドに深く潜り込もうとしたところで‥‥‥


 

むにょん

ぽよん

「…‥‥ん?」


 ふと、背中から落としていこうとしたら、何か柔らかいものが当たった。


 このベッド、確かにノインの手によって色々されているとはいえ、今のような感触は無かったはずだが‥‥‥


「‥‥‥ご主人様、朝となりましたが、二度寝を望みますカ?」

「マスター、もう一度寝るならわたくしも一緒に寝ますわ」


 にこにこと、ノインとカトレアの二人が、いつの間にかベッドの方にいたのであった。


‥‥‥お前ら、いつの間に回り込んでいたの?いや、ちょっと待って。という事は今の感触って‥‥‥










「‥‥‥結局、起きることにしたのは良いけど、生徒数が少ないな」

「ご主人様は起床を望まれましたが、他の方々は眠る気満々だったのでしょウ」

「でも、静かなのも悪くないですわ」


 誰のせいで眠りにくくなったとツッコミを入れたいが、まぁ、起きてしまったものは仕方がない。というか、アレのせいで目が冴えてむしろ寝にくくなったんだよ。


 寮の食堂へ出向くと、朝食をとっている生徒たちをちらほらとみるが、平日よりも人数は少ない。


「まぁ、眠る気満々な奴らがいるのは良いけど‥‥‥今日はどうしようかな」


 授業もないし、宿題も寝る前にある程度終わらせており、余裕はある。


 ゆえに、こういう空いた時間は特にやることが無かったりして、暇でもあるのだが…‥‥かと言って、自己研鑽に励むには、ちょっと今日はやる気がない。


「そうだな、ノイン、カトレア。たまには首都内探索でもしようか?」

「ご主人様が望まれるのでしたら、賛成いたしマス」

「わたくしも大丈夫ですわ」


 この学園がある、ヴィステルダム王国の首都。


 ここへ来てそれなりに経ってはいるけど、まだ把握しきれないところもあるので、散策でもしてある程度の情報を手に入れておきたい。


 まぁ、遊びまわっておきたいというのもあるし、日頃学園内でストレスもたまっているので、良い発散の機会になるだろう。


 そう思い、俺たちは首都内の散策を行うことにしたのであった‥‥‥‥









「はぁっ、はぁっ‥‥‥」


 首都内のとある路地裏の一角に、息を切らして座り込む者がいた。


「ようやく、ここまで来たんだ‥‥‥あとちょっとで…‥」

「いたぞー!!こっちだ!!」

「っ!!」


 声が聞こえ、その発声した人物に素早く近づき、回し蹴りを食らわせる。


 綺麗に決まり、撃沈させるも、今の声で追手たちが迫りくる。


「ぐっ!もう少しなのに!!」


 疲れ切っているが、それでも体に鞭を打って走り始める。


 逃れるために、その目的を果たすまでには見つかるわけにはいかない。


 そう思い、その人物は駆け抜けていくのであった‥‥‥



目を離すからこそ何かやらかされるのだし、目を付けて動けるときは一緒にいたほうがいい。

そう思いつつ、できるだけ火花を散らさせないように気を遣う。

まぁ、のんびりと散策できれば‥‥‥良いなぁ。

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