表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
246/373

238 選ぶ楽しみ見る期待

‥‥‥適正学園の夏。


 それは、テスト後に待ち受ける臨海合宿が存在していることである。


 去年はゲイザー騒動があったが、流石に今年はそんな突拍子もないようなハチャメチャ騒動は起きないだろうという意見も上がり、海に向かう事は決定していた。


 ゆえに、テストの後の倦怠感なども吹き飛ばし、生徒たちは臨海合宿に期待を寄せる。


 一応、「合宿」という名目上、鍛練や学習もあるのだが…‥‥それでも、遊べる自由時間があるだけでそんなことは苦にもならない。


 むしろ、普段は見れないような水着姿を見れる機会だという事で男子陣は期待を上げ、女性陣は海での自己顕示に対しての美を作り上げるための努力を行うのである。


 それゆえに、遊ぶための水着に関してはこの時期になると一気に種類を増やしての販売が、都市内で行われ‥‥‥




「‥‥‥ご主人様は流石に来ないようですが、海までの期待はさせられますネ」

「いや、そりゃ御前様も男子じゃからな。ついてきにくいじゃろうが」

「何でゼネは変な変装をしているのニャ?」

「去年のトラウマ対策じゃよ…‥‥」


 都市内部、期間限定水着専門店にて、ノインたちは水着を購入するために来ていた。


 流石に女性陣の買い物ゆえに、ディーは別行動でこの場にはいないが‥‥‥彼女達との買い物という事で、ルナティアとアリスも一緒に来ていた。


「しかし、去年と違うタイプを着た方が良いかもしれないと思うのですけれども…‥‥迷いますわね。種類が豊富なのも考えものですわ」

「まぁ、拙者たちの場合身体的特徴ゆえに、一部改造する必要がある事も考慮せねばいけないがのぅ」


 手ごろな水着を手に持ってそうつぶやくカトレアに対して、そう答えるルビー。


 去年海に行ったことがある組は2回目の水着購入の機会なので、去年とは違う物を着こなしたいと思い、悩みまくる。


 一方で、去年のその時期は召喚獣ではなかった組は、そちらはそちらで頭を悩ませていた。


「んー‥わっちの場合は泳ぐと周囲を酒にしかねない危険性もあるでありんすし、気を使ってもうっかりしかねないから‥‥‥できれば全身覆うような、このタイプの水着の方が良いのでありんすかね?」

「暑い中、泳ぐのいい。けど、海、ぬるくなりそう」

「泳ぎは苦手ゆえに適当なので良いが‥‥‥むぅ、サイズが合わん」

「こっちの場合は、故郷ともいえる海だし、テンションが上がるぜ!!あ、でも下がどうせ変化するし、何も付けない方が良いのか?」


 リザ、アナスタシア、レイア、ティアたちはいなかった組であり、手に持った水着を見てうむむと唸りながら考えこむ。


 なお、リリスは去年いて、ルンはいなかった組ではあるが、二人の姿はこの場にはない。


 というのも、彼女達の場合、そこまで悩まず、速攻で購入したからだ。


…‥‥まぁ、元々幻のような体同士なので、そこまで気にしないというのもあるのだろう。



 何にしてもうんうんと召喚獣たちが悩む横で、ルナティアとアリスも水着をそれにした方が良いのか悩んでいたが…‥‥こちらはこちらで、ちょっと違う悩みもあった。


「…‥‥露出が多い方が、一般的には目を惹きそうだけど…‥‥恥ずかしいニャね」

「でも、彼の場合はそもそも目を惹くのかしら‥‥?あの人たちのようなのが毎日周囲にいるし‥‥‥」


 そう言いながら、アリスは召喚獣たちの方に目を向けて考え込む。


 彼女達の乙女心というものがあるが、バランスを考えるとそこまで出せない。


 けれども、目立つために必要な物を考えるとある程度は捨てないといけないかもしれないが、それが無駄になる可能性もある。


「いっそ、そこの紐でもつけたらいいのかニャ?」

「いや、流石にそれは攻めすぎなような気が…‥‥そもそも、あれ何で売っているのかしら?」


 彼女達は彼女たちなりに、悩みまくるのであった…‥‥










‥‥‥悩める乙女たちが買い物に時間を掛けている丁度その頃。


 ディーの方は生徒会室にて、生徒会の活動を行っていた。


 臨海合宿という季節ゆえに、海へ向かうまでの道中で安全が保障されなければいけない。


 また、それまでにトラブルがないようにという事で、きちんとどのような対策が取れるのかなどを話し合う必要があるからだ。


 なお、生徒会長の座は既に第2王子(グラディ)に譲られており、まだ在籍しているとはいえ第1王子(ゼノバース)の姿はそこにはない。


 卒業が近くなってくる分、こういう合宿の場では遊ぶ機会が多くなるそうだが‥‥‥その合宿に参加する者たちの方で、ちょっと選ばされているらしい。


「というのも、(エルディム)(ミウ)が帰って来るからね‥‥‥そっちの迎えの方に、時間を割くらしいんだよね」

「そういうものなのか」


 生徒会長となったグラディの言葉に、俺はそうつぶやく。


 なお、副生徒会長の座は別のメンバーに継がれているそうだが、本日この場にはいないようだ。


 正直継ぐことが無くてよかったなぁと思っていたりするが…‥‥まだ生徒会長の座が存在する分、来年も気を付けないといけないのは分かっている。


「そう言えば、去年もその二人が来たけど…‥‥あの時から組織の活動が始まっていたともいえるな」

「言われてみればそうだよねぇ‥‥‥あの怪物たちも、考えれば組織のものだったか」


 去年の今頃、合宿へ向かう道中。


 襲撃にあい、なんやかんやで王族救出をさせられる羽目になった出来事があったが、その時に襲ってきた奴らも考えて見ると組織の奴らの怪物で間違いないだろう。


「となると、今年もまた来る可能性があるが‥‥‥警備の方は?」

「去年の教訓を踏まえ、護衛を増やしているかな。ただ、問題は相手の方がどう動くかが分からないし‥‥‥ああ、でもあの国の中なら大丈夫か」

「あの国?」

「海へ向かう途中に通過するデオドラント神聖国。去年からずっと清廉潔白化しているらしくて、組織が介入しようとして綺麗に撃退したって報告があるんだよ」

「そうか、神聖国の方で大丈夫そうなら…‥‥あ、いや、待てよ?」


‥‥‥最近忘れていたが、その国って確か違う意味で危なかったような。


 ああ、そうだ。ゼネの妹に初遭遇した国であり、あの国に居城を構えているとかなんとか、そういうはなしがあったんだっけか。


 まぁ、あの狂愛の怪物の一件以来、接触も何もないが…‥‥その本拠地を通過すると考えると、何もないとは思えない。


 嫌な予感が一瞬頭をよぎったが…‥‥その事も念頭に含めて、生徒会として臨海合宿に対しての行動するべきことを話し合うのであった…‥‥


「出来れば、今度は狂愛の怪物すらなく、平穏無事に進みたいけどな‥‥‥」

「ああ、報告で聞いているけど…‥‥彼女の妹がいるんだったか。‥‥‥どうなるのかな?」


 そんな事を言われても、俺にわかるわけがない。狂信者(超重度シスコン)の考える事なんぞ、誰が理解できようか?

ゲイザー騒動もあったが、今年はないと信じたい。

まぁ、前回と違って装備品もあるし、ある程度対応できるので問題はない。

けれども、純粋に楽しみたいんだよなぁ‥‥‥‥




‥‥‥前よりも人数増えた分、海回での描写が増えて大変かもしれない。種類ってどのぐらいあったっけとか、誰に何が似合うのかとか…‥‥全部同じにするわけにもいかないなぁ。

というか、下半身蛇・馬・サメとかいるし、そちらもどうするべきか…‥‥

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ