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21 人には立ち入れぬ領域か

新元号初の作品投稿!!今後もよろしくお願いします。

‥‥‥カトレアを召喚してから数日。


 ワイバーンの件に関して言えば、未然に周囲への被害を防げたという事もあり、そこは別に何も言われることは無かった。


 いや、しいて言うのであれば、かなりの群れだったようで、その仕留めた部分に関して、どの様にやったのかという話を他の戦闘が可能な学科の人達に聞かれまくったことぐらいであろう。


 それはそれで、どうにかごまかせたりなどして面倒ごとになりそうなものは回避できているのだが…‥‥




ギリギリギリギリ‥‥‥‥

メキメキメキメキメキ…‥‥


「‥‥‥なんかすっごい不穏な音が聞こえるんだけど」

「大丈夫ですご主人様。少々木を締め上げているだけデス」

「大丈夫よ、マスター。少々人形を縛り上げているだけですわ」


 互いににっこりと微笑みながらも、各々の持つ手を緩めない。


 ノインの方は、巨大なスパナと呼ばれる道具を手に持ってカトレアの胴体を締め上げつつ、カトレアの方は木の根を太くして、ノインに巻き付けている。


「朝っぱらから争うなよ…‥‥」


 召喚してから数日は経過しているのだが、毎朝似たような光景を見せられる身にもなってほしい。


 昨日は確か、滅茶苦茶伸びた腕と大量に生えた花だったか…‥‥そして互に締め上げる分、色々と強調されるから目の毒になるんだけど。








「…‥‥何と言うか、両手に花の状況をうらやむべきか?それとも、白髪が一本生えたお前に同情すべきか?」

「どっちでもいい‥‥‥いや、後者の方にしてくれ」


 寮の食堂にて、朝食を取ろうとしていたところ、悪友でもあるバルンと同席することになった。


 心配そうな顔をしているが、ならばお前にツッコミ役になってもらおうかと聞いたら、速攻で首を横に振って断ったやつである。


「ご主人様の体調は、完璧になるように気を使ってますが‥‥‥少々ストレスが溜まってますカ?」

「貴女のような方がいるからじゃないですの?ちょっと離れて、二人きりにさせていただければ、良い感じですわ」

「‥‥‥それはこちらのセリフデス。少なくとも、ご主人様と二人だけの時に比べると、貴女がいる方がストレスがかかっていると計算できマス」


 互いにバチィっと火花を散らす、ノインとカトレア。


 この二人、互いに気に喰わない事でもあるのか、結構喧嘩をするが…‥‥原因、普通にお前らだからな?


「あと問題になっているのは、風呂場の覗きが増えたぐらいか…‥」

「ああ、なんか血の花が最近多く咲いたって言うからな」


‥‥‥ノインとカトレア、この二人は結構スタイルが良い。


 ゆえに、召喚獣用の湯に浸かる際に、どうも彼女たち目的で覗きが起きているようで、風呂上り後に迎えに行けば、血の花が咲き乱れているのだ。


 懲りればいいのだが、懲りないやつが多いとはこれいかに…‥‥まぁ、覗かれる前にノインは頭のアホ毛(レーダー感知器?)で、カトレアは外に出す木の根で察知するようで、直ぐに対応しているらしいけれどね。


 一応、犠牲者の増加はやめて欲しいし、彼女達の容姿もほぼ人間の女性でもあるので、女湯の方に入れないのかと生徒会の場にて、直談判したが…‥‥どうも許可が下りない。




「許可が下りない?彼女たちを見る限り、そんなことは無いとは思うぞ?差別的な眼もないだろうし、ほぼ人に近い容姿だからこそ受け入れにくいという事もないと思うのだが‥‥‥」

「いや、別に召喚獣だからという差別的な理由とかじゃないらしい」

「というと?」

「…‥‥単純に、他の女子生徒たちからの反発だ」


 受け入れたくないうんぬんよりも前に、どうも彼女たちのスタイルが良すぎるのが原因らしい。


 衣服を着ている今でさえも、豊満、艶めかしいなどの評価はされており、その脱いだ姿を女子たちは大体予想できているようで、下手に目をすれば自分たちのプライドが木っ端みじんにされかねないという危惧を抱いているのだとか。


 そのせいで、ノインたちを女湯の方へ入るようにすることができていないのである…‥‥何と言うか、ばかばかしいのか真面目なのか、良く分からない理由だなぁ。


「だからこそ、今後も犠牲者が増えるだろうな…‥‥どこかで血が無くなれば、それで終わるとは思うけど‥‥‥」


 念のために、以前の人操り騒動黒幕に下した処分方法を呈示し、犯したら実行をするという脅しもかけたそうだが、効果は無い。


 見れるのであれば、性が無くなっても悔いはないとでもいうのだろうか‥‥‥‥



「何にしても、まだまだ胃に負担がかかりそうなんだよな‥‥‥‥」

「うわぁ‥‥‥ま、まぁ、何と言うか、がんばれ」


 そう励ましの言葉をかけ、バルンは食べ終え、その場を去ったのであった。


 いや、励ましの言葉というよりも、あいつ逃げた?


「ノイン、カトレア。頼むから授業の間中、研鑽してても良いけど、何もやらかさないでくれよ?」

「大丈夫デス」

「大丈夫ですわ」

「具体的には、ワイバーン騒動を聞きつけ、実力を試すために挑んでくる相手がいたとしても、できれば無傷で返してくれよ?スプラッターな悲劇は、もう見たくないからな?」

「「…‥‥善処シマス」」

「おい、何で二人とも片言になって目を背ける」


‥‥‥どうしよう、ちょっと座学の授業が続いて離れるのだが、この二人から目を離すのが怖い。


 ああ、できれば昼まで無事でいると言いなぁ…‥‥‥


 

…‥‥見ない間に何があるのか、それを知るのは怖い。

けれども、見て見ぬふりをするのもダメだろう。

何にしても、まずはそのお風呂関連の事からどうにかしないとなぁ‥‥‥


潰すと言っても、見に来る執念をどうすればいいのか。わが生涯に一切の悔いなしと言われたら、それで終わってしまうんだよなぁ…‥‥

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