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223 目立つことは

‥‥‥一夜明け、あれは夢だったのかとディーは問いたかった。


 だがしかし、それは夢ではなかったと無情にも現実は告げてくる。

 

 この世で一番恐ろしいのは、怪物でもなんでもなく、ただ待ち受けるだけの真実なのではなかろうかと思うしかないのか…‥‥



「‥‥‥というか、リリスが収納拒否したな」

お腹の(本体の箱)中で暴れられたら、そりゃ嫌がるじゃろうなぁ…‥‥」

「いやいや、先ずディー君に色々ツッコミを入れたいというか、また増えたのかい?」


 生徒会室にて、屋敷での報告を王城の方でやりたいと謁見に関してのお願いを王子たちにしつつ、新しく増えた召喚獣についての事を話すと、王子たちは呆れたようにそう口にした。


「ついでにですが、新しい召喚獣ルンについてのデータも収集・整理し終えまシタ。図書室の『世界の迷武器集ベスト5』に記載されていマス」

「名武器なら分かるけど、迷武器って‥‥‥いや、今更ツッコむ意味もないか」

「あの蔵書、なにげに国でも把握してない部分があったりするからね‥‥‥」


 とにもかくにも、調査によって昨晩新しく仲間になった召喚獣ルンの種族についての詳細なデータは得られたようだ。


 その中身を見ると…‥‥


――――――――――――――――――

『呪いの魔剣』

魔剣の中でも、呪われている武器。

呪いそのものから産み落とされたり、ダンジョン内で生成されたり、あるいは血を吸い過ぎた剣が変貌してできるとされている。

とは言え、呪いさえ解呪してしまえば優秀な魔剣なことが多く、趣味で集める人もそれなりに存在している。

ただし、解呪をし忘れていて気が付けば呪いぎっしりで新しく呪いの魔剣を生み出し、逝ってしまったという例も存在している。


『インテリジェンスソード』

魔剣の中でも、人の手からではなく、純粋に呪いから生み出された魔剣が最高クラスの解呪によって、非常に低確率で進化した存在。

魔剣の類の中でもさらに優秀な性能を秘めており、刀鍛冶などには生み出したいが生み出せない、武器の中でも至高の魔剣とされている。

知性を秘めており、持ち主に合わせた進化を常に行い続けている。

‥‥‥とは言え、あくまでも知性を秘めているだけであり、通常は意思疎通は不可能。持ち主のみが察してしまうことがあるらしいが、周囲との会話も不可能。


『剣精霊』

魔剣の類が様々な過程を経て、何時か辿り着くといわれている幻の存在。

剣そのものに宿る精霊の類でもあり、所有者によって様々な姿に変貌して実体化する。

本体である魔剣そのものを自身で動かすことが可能になり、歴戦の剣士と変わらない実力を保有する。

‥‥‥ただし、実体化している時よりも剣のままで動いている方が実践時にかなり有効的だったりする(相手の攻撃が当たる範囲などを考慮)。

また、実体化にも時間制限が存在しており、成長すれば制限が無くなるそうだが、それがどのぐらいなのかは不明。

――――――――――――――――――


‥‥‥何と言うか、偶然に偶然を重ね、奇跡的に生まれたのだろう。


「条件的には見事にそろっていたんだな」

「あとは、その進化も確率のようだね。そう考えると、ディー君って運が良かったんじゃないかな?」


 色々おかしい点があるが、ツッコミを放棄されたようである。


 そう言えばこの「迷武器集ベスト5」、これよく読んだら武器の分類でやっているな‥‥‥魔剣がそのうちの一つだけど、他の4つもグダグダ感がある。


 


 とにもかくにも、ルンが誕生した過程はこれでよくわかった。


「というか、魔剣が産まれるほど呪いがあった邸ってのもどうかと思うんだが」

「あの父上が、まともな褒賞を出すのかと思ったが…‥‥」

「そういうのも考えていた可能性があるんだよなぁ…‥‥」


 王子二人、遠い目をしてそう口にするが‥‥‥この王子二人は国王に苦労しているのだろうか‥‥‥?


「一応聞くけど、文句を言うついでにこっそり報復しても大丈夫だったりするか?」

「大丈夫」

「むしろ存分にやっていいよ」


‥‥‥王子二人、あっさり即答したのであった。


 良いのかそれで、この国の王族。


 緩いというか、何と言うか、あの国王に関してはけっこうシビアな扱いをして良そうな気がする。


「そう言えば前にこっそり報復をした時も、特に何もなかったような‥‥‥?」

「慕われていますガ、振り回される人もいるようですからネ。あの後なんとなくで調べて見たのですが、王城内の約8割の人数が『もっとこう、色々やってほしかった』という回答が来まシタ」

「残りの2割は?」

「0.5割が流石に国王相手なのでもうちょっとマイルドに、1.5割がより一層やれる案件を自主的に出してきまシタ」


 この国、本当に大丈夫?なんか将来ここで諜報で働くよりも、他国で諜報になったほうが良い気がしてきたような‥‥‥‥


「毛根根絶案が多いですネ」

「何でそう毛にこだわる人が多いの?」









…‥‥ツッコミを入れていた丁度その頃、王城の方では国王が悪寒に襲われていた。


「うおっ!?な、なんだ今の猛烈な寒気は?」


 季節的には気温がまだまだ上がるはずなのに、今感じたのは極寒の寒さ。


 国王の勘としては、命の危機ではないが違う危機が身に迫っているような、そんな感覚を感じていた。


 だがしかし、そんな勘が働いたとしても、逃れられない運命というのはある。


 とにもかくにも、自分で蒔いた種はもう間もなく回収の時を迎えるのであった‥‥‥‥


一応、王子たちからの許可は得たので報復は可能らしい。

というか、仮にも王族相手なのに人気ないような。

政治能力自体はけっこういいらしいが、人望薄くなっているような気がするなぁ‥‥‥‥




‥‥‥とは言え、今すぐにやめろということはない。国王としての責務も色々とはたしているし、良い方なのであろう。


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