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204 たまにはふっ飛ばしていき

‥‥‥ゼネの報告通り、数日後に起きた新たなダンジョンの発生と、モンスター・パレード。


 その規模は確かに以前よりは小規模なレベルではあったものの‥‥‥‥



「どう考えても前以上に質が悪い奴だこれ!?」

「流石にこれは、私でも気分が悪いですネ…‥‥」


 装備のマシンガンとやらを連射しつつ、全員で薙ぎ払ったり焼き払ったりする作業を行っているのだが‥‥‥あふれ出てきたモンスターたちの構成が酷かった。


 うん、ダンジョンの内部のモンスターとは違うものが出てきたりするからこそ、内部にはいないとは信じたい。


 でも、今相手をしているやつらというのは…‥‥単体ならまだマシなのだが、大勢だとちょっとアウトである。



「『キングクロックコーチ』、『イボブラストガエル』、『ポイズンワーム』…‥‥集団だと滅茶苦茶気持ち悪いでござるよぉぉぉ!!」

「どれもこれも、集合してぬめべちゃりん、氷結してもてらてらで、アウト過ぎる」

「鎖鎌でやらかすんじゃなかったぁぁぁぁあ!!やばいことになったぜぇぇぇ!!」


‥‥‥絵面が酷いモンスターたちというか、何と言うか。


 色々とグロ・キモ・アウトなど、様々なマイナスイメージを混ぜ合わせたような団体に、俺たちは精神的ダメージを与えられる。


 あとティアの場合、武器で大雑把に切り裂いたら、余計に悲惨な光景が広がっていったので、途中からノインがビームソードとか言うものを出して、そっちに切り替えてもらっておいた。焼きながらなので飛び散ることはないらしい。


 一応、前よりも小規模だけど災害の一つなので、学園での戦闘可能な人たちや、国からの兵士たちも共に戦っていたりするのだが‥‥‥ああ、全員精神ダメージを受け、顔を青ざめさせていたり、吐きかけていたりしているなぁ…‥‥タンクマンの人達だけ恍惚そうな笑みで立ち向かっているが、あの精神力だけを今は見習いたい。


 ついでに案の定というか、仮面の組織の者らしい人たちも見かけ、捕縛しようと思ったが…‥‥化け物とか作り出しているところのはずなのに、化け物以上の光景になりかねない醜悪な戦場にぶっ倒れているやつが多い。


 敵ながら同情するが…‥‥うん、この光景は新入生たちが対応できないものであろう。タンクマン学科に入る者たちは絶対別だろうが。




 とにもかくにも、小規模のはずが精神的ダメージを大きく与えられつつもなんとか終息し、そのすぐ後に俺たちはダンジョンへ突撃した。


 仮面の組織の手のものに入り込まれるのを先に防がないといけないし、まだ内部に気持ち悪いモノが広がっている可能性もあったが‥‥‥何もしないで放置して、先ほどのような光景を再び見るのは絶対に嫌だからである。


 リザのマッサージを受け、カトレアの作ったアロマで心を癒しつつ、先へ進んでみれば…‥‥




「‥‥‥あの虫が出てきた場所にしては、また違ったタイプだな」

「ダンジョンにも洞窟や塔などのタイプがありますが…‥‥どうやらここは、迷路デス」


 天井ありきでの、複雑に入り組んだ道がどうやらこのダンジョンの特徴らしい。


 普通の下に降りていくタイプはシンプルで一番楽なのだが、この類は頭を使うし、大変な奴だこれ。


 壁もあるし、無理やり突き進むことも考えられたが…‥‥


「んー、ですがこれなら先ほどのモンスター・パレードよりもマシですネ」


 そう言うと、ノインが右腕をガシャコンっと変形させると、いつもの銃器関連とはまた違ったものになっていた。


「何それ?」

「音波反響センサーというものデス。普通に耳で聞くこともできますが、反響音などを調べるにはこちらが一番良いのデス」


 そう言うと、今度は左腕の方を変形させ、また違った道具が出てきた。


「拳銃ってやつだっけ?」

「ちょっと違いマス。こちらは銃弾でもエネルギー弾も発射しない音波兵器ですが…‥兵器ではない方法で今回こちらのセンサーと組み合わせて使用しマス」


 銃を構え、引き金を彼女は引いた。


 だが、発射音などはせず、何をしたのかちょっとわからなかったが‥‥‥


「‥‥‥っと、直ぐに反応が出ましたネ」


 かたかたっという音と共に、センサーの方から色々と書かれた紙が出てきた。


「成功デス。ダンジョン内の地図が完成しまシタ」

「え?もう?」




‥‥‥ノインの詳しい説明によれば、この手法は暗闇を飛べる蝙蝠のようなやり方と同じらしい。


 音というのは様々な障害物に寄って跳ね返るので、それを探知して蝙蝠たちは飛ぶのだが、この手法はその方法を真似したものであり、ある特殊な音波で再現し、迷路の全容を確認したようである。


「ですが、もう一つ報告デス」

「というと?」

「次の階層へ移れる道まで分かりましたが…‥‥道中に、先ほどのパレードの一部にいたモンスターの巣を確認しまシタ。また、繁殖しているようで、幼生体がうじゃっといることも確認できまシタ」

「「「「「‥‥‥」」」」」


 ノインのその報告に、全員先ほどの光景を思い出し…‥‥その中のどれなのかという情報を聞き、想像して全員思わず寒気で震えてしまった。


‥‥‥さっきのやつで精神的ダメージが大きかったのに、このダンジョンはさらに苦しめる気なのだろうか。


 ああ、精神的ダメージを入念に与えていく特徴があるのだろうか…‥?絶対にここのダンジョン、コアとか性格が悪そうな予感がする。


 とにもかくにも、組織の者が先に進んでやらかして来る前に、俺たちの方でどうにかした方が良いだろう。


 恐るべき精神ダメージの与え方が良く分かっているダンジョンに畏怖を抱きつつも、先へ進むしかないのであった…‥‥攻略後に、生徒会としての集まりがあるが…‥‥普通の精神状態で出席できるだろうか?無理っぽい気がするなぁ‥‥‥

なお、ダンジョン確保後は学園の施設の一つとして授業で使う予定はあるが…‥‥

「使えるのか、コレ?」

「精神修行にちょうど良さそうですが…‥‥普通に拷問部屋としても機能しそうデス」



‥‥‥そんなダンジョン、誰も好き好んで入らないような気がする。

組織の人達も、流石にこれは手を引きそうだなぁ…‥‥それならいっそここで切り上げて学園に戻ったほうが早いかもしれない。

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