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プロローグ2

最初の方ゆえに、数話だけ先に連続投稿。

一応、不定期更新ですので、長い目でどうぞ。

‥‥‥生物には、本能というべきものがある。


 そしてその本能を抑えるために理性というのもあり、そのバランスによって均衡が保たれる。



 だがしかし、「生物ではない」己の場合、その本能も理性もあるのだろうか?


「‥‥いえ、あるいは作られた存在ゆえに、その意味を捜してしまうのでしょうカ」

『疑問を口に出すのは良いが…‥‥そろそろ、去ってほしいのですが‥‥‥』

「何を言って居るのデス?私をここへ呼び出したのはそもそもあなたたちデショウ?」


 そう問いかけられたので、彼女は首をかしげて返答した。




 周囲を見渡せば、データには該当しない謎の白い空間。


 そして他にあるのは、害意・敵意を向けてきた者たちであり、今は全て地に伏せ、千切れ、粉砕されている。


「‥‥‥正当防衛が成り立ちますヨネ?」

『これで正当防衛が成り立つか!?明らかにやり過ぎで、』

ギリィッ!!

『ぐべぃっ!?』

「ああ、スイマセン。ついうっかりで、首を握りつぶしかけてまシタ」



 残っていた一体の何かしらの生物の首と思わしき部分に手をかけ、私はそう口にする。


 他の者たちは既に物言わないし、できれば情報を得るためにこの残った何かしらの生物も生かしておきたいが‥‥‥


『ず、ずみばぜん…‥‥』

「では、とりあえず事情を説明してくだサイ。嘘も偽りも見逃しませんので、もしなさった場合は‥‥‥」


 もう片方の空いていた手の方を使い、適当に拳を振るう。


 すると、拳圧が飛び、地面を抉った。


『絶対に嘘偽り何もかもなくて、真実のみを話します!!』


 大量の汗をかき、目の前の生物は情報を語り始めた。





‥‥‥いわく、この空間はどうやら私が元々いた世界とは、異なる場所。


 神と呼ばれるような類が大勢存在するような空間の中で、その最下級にあたる者たちの専用の場所だったらしい。


 神という者に興味はないが、どうも格付けもきちんとあるようで、実力やその他人格なども調べられており、この最下級の神々は、色々と問題が多すぎるがゆえにここに押し込められていたそうだ。


 普通に自分を顧みたりして、色々と考え直し、なんとかすれば上の神の位へ行けたはずだが‥‥‥問題児共とでもいうべきか、この神たちは楽な手段を考えた。



 それが、異世界召喚。


 神々は各々世界を管理しており、その世界には様々なモノたちがいる。


 その中で…‥‥



「‥‥‥なるほど。神殺しを考えていたのですカ。席が空けば、そこに入り込めるかもしれないと思い、可能なものを呼び寄せようとしたのですネ」

『はい‥‥‥。ですが、そのためには他の神たちの世界から呼び寄せるほかなく、バレれば不味いことです。なので、出来る限りバレないように、隙を見て召喚をしたのですが…‥‥』

「私が、人の手で作られたゴーレムであッタ。だからこそ、自分たちの都合のいいように改造を施し、隷属させようと動いたわけですネ。その結果、こうして‥‥‥」


 改めて周囲を見れば、既に他の最下級とされる神々が砂のようになって消え始めていた。


‥‥‥うん、私はとある方の手によって作られた、人工物。


 目的もあって作られたゴーレムだが、その頭脳に無理やりな改造を施されるのは、流石に嫌ゆえに反撃したが‥‥‥最下級相手とは言え、神殺しをしてしまったか。


「無駄な命を散らしてしまった‥‥‥のでしょうカ?」

『無駄でもないような‥‥‥いえ、この状態になったという事は、もはや復活は望めないでしょう』

「というト?」

『上には上がいると言いますが‥‥‥どうも我々、全員神より上の存在にこれまでの行為が見られていたようですね。普通であれば、2,3分で復活できますが…‥‥この様子を見る限り、もはや生まれかわる事すらできないように、されたのでしょう』


 神の上下関係は今一つ理解できないが、今言える事としては、こいつらより上の存在にはすでに所業がバレており、私の手によって下されたのを契機に、今消滅が決定づけられてしまったらしい。



「ふむ‥‥‥まぁ、そのあたりは関係ないので、考えないことにしましょウ。‥‥‥しかし、どうしましょうカネ?」

『と言いますと?』

「いえ、そちらによってここへ呼び出されましたが‥‥‥私、もう元の世界には帰れませんネ?」

『‥‥‥理解、されてしまったのですか』

「エエ」


 召喚の方法などはいまいちわからない事もあるが、分析してみると、これはあくまでも一方通行であり、二度と戻れないという事を理解させられる。


 ああ、でも私はまだ‥‥‥名前も、ご主人様もいないのにな。


「さてさて、どうすべきでしょうか‥‥‥‥ここへ一方的に呼びつけられ、帰れなくなったことをその上の方々に談判しに行けばいいのでしょうカ」

『物騒ですが、そうするしかないと思います。ですが、上の神々が話を聞いてくれるかは‥‥‥』

「ならば、実力行使で」

『それは絶対にやめてください!!最下級の神ですが、貴女色々おかしすぎるのは目に見えてますし、下手すればラグナロク‥‥‥神々消失どころか全世界の消滅、いえ、それ以上の大災厄が起きてしまいますよ!?』


 ならば、こんなことをしないで欲しいとは思えども、もう後の祭り。


 目の前のこの神も、先ほど散った者たちの仲間たちであるが…‥‥実力行使後なので、もう色々と悟ったのだろう。すでに遅いが。


「じゃぁ、どうしろと?」

『‥‥‥でしたら、ひとつだけ方法がございます。貴女様はゴーレムですよね?』

「ええ、そうデス」


 言われなくても、それは分かっている。


 自分はゴーレム。人工物であり、作られた存在。


 ついでに言うのであれば、家事手伝い戦闘もなんでもござれであり、ある程度の万能性も効くが‥‥‥それがどうしたというのだろうか?


『神々の中には、そういう類を好み、その管轄の世界に受け入れさせてくれることがございます。貴女もうまいこと行けば、その世界に入れるかもしれません』

「ふむ‥‥‥では、その案を採用いたしましょウ。私も無駄な血を見たくありませんからネ」


 いや、神に血があるのだろうかという疑問はあるが、可能な方法であればそれを利用したほうがいい。


 とはいえ、どうもその世界受け入れられたとしても、その世界のルールに縛られることもあるようで、ある程度の制限がかかる可能性もある。


 とはいえ‥‥‥数人、いえ、神の数え方だと数柱のその類が好きな神々に伺い、都合がいい世界を私は見つけた。


 ならば、その世界に受け入れさせてもらおう。なぜなら私は主を求め、忠誠を尽くすために作られたメイドゴーレムなのだから。


‥‥‥後に、私の元々いた世界を管轄していた神が呼び出され、同族を見つけて恐怖に震えたらしい。


 何しろ、その元の世界には私より上の存在がかなりいたから。


 まぁ、そんなことはどうでもいい。まだ見ぬご主人様の元へ、私は向かうだけなのだから‥‥‥


しょっぱなからやらかしているような気がしなくもない。

というか、どこからやって来たこの人‥‥‥

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