僕VS騎士科男子
「まにあってます」
「結構です」
速攻で断った。
無視して帰る準備をしていると。
「お前、勝ったんだろう」
「いい加減な事を言わないでください」
「近衛騎士団長に稽古は付けてもらいましたが」
「それは稽古での事」
「近衛騎士団長が本気なら、最初の一撃で上半身と下半身は離ればなれになっています」
「いい加減なデマに流されないでください」
かなり強い口調で言った。
騎士科の生徒は怯んでいる。
「待て、近衛騎士団長の口から負けたって聞いたぞ」
8,9人付いて来ているギャラリーから、声が飛ぶ。
その言葉で、それ見たものかと勢いずく。
あの人は~と頭を抱える僕。
「俺と勝負だ」
「お断りします」
「不戦勝で良いですよ」
勝負がしたい生徒としたくない僕。
助け舟を求めて先生を見ると、凄く楽しそう。
勝負を止めてと目でアピールするも、先生は勝負させたそう。
「ロビン、勝負しろ」
「遅かれ早かれ、このような連中は現れる」
「せ・ん・せ・い」
「何言っているんですか?」
「一つ間違えば死にますよ」
「そしたら、大事でしょう」
「これから訓練場を抑える」
「そこで模擬戦をしろ、ここなら万が一の事が有っも対応できる」
「それに、お前の実力も図れるしな!」
先生はニコニコしている。
目が点の俺。
喜ぶ騎士科の生徒たち。
オロオロしているクラスメイト。
「こんな事したくないんだけどな~」
「30分後に、訓練場に集合して模擬戦を行う」
「良いな二人とも!」
ニコニコしながら決定事項を話す先生。
大喜びの騎士科の生徒達。
ため息交じりの僕。
も~やだぁ!
初日からしっかりともめ事に巻き込まれた。
30分後。
いつもの様に盾とレイピアを装備して準備万端だ。
「両名とも、正々堂々と戦う事」
「魔道科と騎士科の誇りにかけて!」
「では、始め」
先生の言葉で模擬戦が始まる。
ちなみに、ギャラリーは騎士科の生徒達9人とクラスメイトの3人と俺を迎えに来て事の顛末を知ったキャロラインたちだ。
騎士科の生徒からは、魔導士の剣術なんて見せかけだけだ。
接近戦で楽勝だ。
などと、盛り上がっている。
「*********」
「こい、ファイアーソード」
呪文を詠唱し、レイピアを炎で包む。
「うぉ~」
びっくりしているギャラリー達。
対戦相手も目を点にしている。
炎にびっくりして、攻めてこない対戦相手。
明らかに、対魔導士の戦い方ではないのでプレッシャーが掛かっているみたいだ。
僕が盾を前面に押し立てて一歩進むと、一歩下がる対戦相手。
盾を構えながら進んでいくと、対戦相手は訓練場の壁まで下がってしまった。
左右には逃がさない。
相手は覚悟を決めたようだ。
「ドゥリャァ」
気合と共に、攻めて来た。
上からの打ち下ろしだ。
レイピア(炎)で受け止めて、つばぜり合いをする。
「行きますよ、歯を食いしばって!」
小声で囁く。
「ハッ」
ファイアーボールを盾から打ち出した。
ゼロ距離射撃で、横っ腹にくらい悶絶してダウンした。
勝負ありである。
「勝負あり、勝者ロビン」
先生が宣言した。
訓練所の観覧席で、観戦していた騎士科の男子9人からは、クレームを付けられた。
「魔道士が、剣や盾を持つなんて卑怯だ」
「魔道士なのに、清々堂々戦ってないぞ」
どうも魔道士が、剣と盾を持って戦うなんて、常識的に考えられないみたいだ。
ただ、侮辱されたのは腹が立つ。
「観覧席で、吠えないでここに降りて来て、歌ってみろよ」
「聞いてやるぜ!」
もう、売り言葉に買い言葉である。
観覧席の騎士科の生徒にケンカを売った!
僕の言葉に、言葉を失う騎士科の男子たち。
ただ、こちらを睨んでいる。
「1人で怖いなら、全員でもいいぞ」
「怖くて、降りてこれないと思うけど」
流石に、全員が怒りまくって降りて来た。
文句を言いまくっている。
さっきの模擬戦を見ていても、数の心理で勝てると思っているみたいで殺気満々である。
さっき戦ったヤツも復活して、参戦するみたいだ。
僕もかなり腹を立てている!!!
先生は、こちらを見て辞めないかと投げ掛けてきたが、首を横に振って模擬戦をする事を訴えた。
先生も諦めたみたいで、覚悟を決めたみたいだ。
さぁ、盾を馬鹿にした事を後悔させてやる。
「では、模擬戦を始める、清々堂々と戦う様に、では始め!」
「**********」
「ファイアーソード」
炎でレイピアを包んだ。
10人の騎士科の男子たちは、僕を囲もうと動き出すがそんな事はさせない。
「ハッッ!」
レイピアを横一閃に振り抜く!
炎の剣が伸びて10人を一気に切り裂く。
「うぁぁ」
「あぁ」
「熱い!」
全員にヒットして、ダメージを与える。
中には、服に燃えうっているヤツもいる。
今の一撃で10人の足が止まる。
チャンスである、二撃目、三撃目と横一閃にレイピアを振り抜き攻撃の手を緩めない。
「ロビン、止めろ」
先生が体を張って、僕を止めてくれた。
「ロビンもう止めろ、全員が倒れている」
「お前の圧勝だ」
騎士科の生徒と僕の間に入って来た。
凄い行動力だ。
騎士科の10人が全員倒れていた。
先生の行動で、模擬戦が終わった事に気が付いてレイピアを鞘に収めた。
「すまない、救護室の先生を呼んできてくれ」
「ハイ」
返事と共に、キャロラインが走り出した。
先生は、生徒たちに優しく水をかけて行く。
やけどの治療だ。
「ロビンお疲れさん」
「おつかれさま」
3人が、迎えてくれる。
「すまない、見苦し戦闘を見せてしまった」
「お前、怒っていたからなぁ」
「あいつらもしつこかったし」
「しかし、お前強すぎるよ」
あきれた様に話す、ドミニク。
それにうなずく、ダリアとエリーナ。
「しかし、びっくりしたのは炎系の魔術を同時に2種類使うなんて、そんな事考えた事もしなかった」
「あぁ、アレはびっくりした」
「ロビンには、勝てる気がしない」
「どうしたら、あんなに強くなれるの?」
「ダリア、ひたすら修行だよ」
「師匠に仕込まれただけさ」
元ネタは僕の頭の中だが。
「師匠曰く、魔道は発想力だそうだ」
「お互いに頑張って、学んで行こう」
話をしている間に、先生達が駆けつけて来て10人の応急処置をしている。
回復魔術を使ったり、ポージョンを飲ませたりしている。
取りあえず応急処置が終わり、救護室まで運んでいくことになったが。
「ファイアーボール!」
いきなり、訓練場に声が響く。
10人の内の一人が、俺に向かって攻撃をしてきた。
どうしても、一矢報いたいみたいだ。
「よけろー」「よけろー」
先生達の声が響く。
奇襲に技名を発しないと攻撃できないのは致命傷だ。
僕は、冷静に三人の前に出て盾を構えて攻撃を防ぐ。
三人にも被害なしだ。
しかし、やられたらやり返す当たり前の話だ。
同じように、ファイアーボールをお返しに返す。
「ハッ!」
手加減無し盾バージョンだ。
「ドッゴ―ン」
訓練場に轟音が響き反撃は見事に決まり、男子生徒は見事に吹っ飛んでやけど+全身打撲(骨折?)を新たに追加された。
ただ、その後ピクリとも動かないので急いで担架で運ばれていった。
「おまえなぁ」
「やり過ぎだ」
ラファエル先生が此方に来て困ったようにつぶやくが。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけです」
某アニメのセリフをそのまま引用する。
「おぉ」
「かっこいいねぇ」
三人に感心されてしまったが、先生は頭を抱えてしまった。
そう、入学式当日にイベント発生の鉄板フラグをしっかり回収したロビンであった。
つづく
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