入学試験で謀られました。
「おはようございます」
今日も魔導士団におじゃましています。
兄弟子の家には居りづらくて。
ジャックがバリバリ僕のことを意識して、しかも負けたのが余程悔しかったみたいで、それが態度に表れているのである。
兄弟子やキャロリーンが見つける度に注意をされるから益々意固地になってしまった。
ただ、毎日キャロラインが僕の案内役を買って出くれて、道に迷うことなく快適な生活を送っている。
魔導士団の図書室を借りて勉強をしたり、団員に模擬戦をお願いしたり。
入試に向けて着々と準備をしていくのである。
しかし、魔道士団長が模擬戦をやろうと声を掛けてこない事が不気味ではあった。
それと、キャロラインのこの行動が、兄弟子には耐えられないみたいで、何かにつけて邪魔をしに来る悲しい父親を演じていた。
そんなこんなで明日が試験日となりました。
最期にキャロラインにお願いし試験会場まで連れて行ってもらい。
気持ちを引き締めて家路に着いた。
試験初日。
「いってきます」
キャロラインと一緒に試験会場に向かう。
ジャックは先に出たらしい。
一緒に試験会場に向かっていると。
男達からは冷たい目線で、女の子たちからはキャロラインの・・・みたいで興味津々に見られている。
勘弁してほしい。
キャロラインに手を出そうものなら、兄弟子に殺される。
「じぁ、また後で」
キャロラインと別れ、初日の試験会場の教室で待機だが、午前中の筆記試験は問題無く終了した。
マーサの教え方って改めてすごいと再確認できた。
昼からの魔力診断では僕の結果が今までに無い結果が出て、先生方がアタフタしていた。
まぁ、炎系以外は全くダメだから、こんなアンバランスは珍しいみたいだ。
初日はこんな感じで終わった。
試験二日目。
今日は実技試験だ。
試験官と対戦形式でどれだけ使いこなせるかを、確認されるのである。
俺は一番最後になっていた。
受験番号順ではない。
嫌な感じがする。
実技試験が終わりば、終了なのでみんな帰っていく。
試験会場のギャラリーは段々減っていった。
俺の前の受験生の実技試験が終わり、いよいよ僕か。
準備運動は万全である。
最期の方、ロビン君入ってきてください。
この言葉と同時に、実技試験会場の観客席には、学校の先生方や近衛騎士団の団員、魔道士団の団員が詰めかけて来た。
それと、見慣れない格好の人々もいた。
勿論、その中には兄弟子やキャロリーンさん、ジャックとその友人とキャロラインとその友人たちがいた。
みんな、興味津々である。
「え~」
「何ですか、これは」
試験官の方に確認する。
「みんな、ロビン君に関心が有るのですよ」
「では、全力を尽くして頑張ってください」
「ロビン君の試験官はあの方です」
「では、よろしくお願いします」
そう言いと、試験官と思っていた人が退場ししていった。
「やぁ、お待たせ」
「始めようか」
そう言いながら、魔道士団の団長が入って来た。
やられた~。
僕との模擬戦を断られていたから、絶対対戦できる場所を用意していたか。
「団長、これは?」
「見ての通りです」
「全力で来てください」
「いいですね!」
「はい」
団長は本気みたいで、いつもと雰囲気が違う。
では、始め!
試験会場に声が響く。
僕は盾を構え、レイピアを抜いて臨戦態勢を取った。
早くも団長は詠唱している。
「ハッ」
団長の詠唱を止める為、ファイアーボールを打ち込むが。
簡単に回避され、詠唱も止まらない。
そして。
「来たれ、我が同朋よ」
団長の魔術の詠唱が終わり、術が発動する。
「うぁぁぁぁぁ」
慌てる僕。
士団長が僕の回りに12・3人現れたのである。
回りを見渡してしまい、本体?が解らなくなってしまった。
盾を構えながら、士団長達の攻撃に備えた。
士団長達は僕の周りを回りながら、攻撃を始める。
正面から、後から、左右から僕の死角から攻撃をしてくる。
攻撃力は低いが僕は少しずつ削られていく。
僕もただやられていたわけでない。
ファイアーボールを撃ち士団長の幻影を打ち抜いたり。
剣で切り裂いたりしていたが、再び幻影が現れてイタチゴッコの様相である。
「チィ」
此方から積極的に攻撃を始めるとスルスルと逃げられ死角から攻撃が来るし、守ればたこ殴りで打つ手無し、囲みを突破し実技試験会場の壁を背負い戦いたいので何回も試みるが魔道士師団長の老獪な戦い方に突破できずにいたのだ。
「ハッ」
ファイアーボール散弾を打ち出し、半分ぐらいの士団長達に直撃しても、瞬時に幻影が現れる。
もう、実体を持った幻影達の攻撃に防戦一方であった。
僕はボロボロだ。
「ウッ」
重くは無いが一撃を食らい目線がさがる僕。
「あっ!」
目線がさがり士団長の幻影には影が無かった。
やったー、これで本人がわかる。
心の中で喜んだのもつかの間だった。
全員の士団長に影が無かったのだ。
何回攻撃しても状況を打開できないわけだ。
ただ、本人はどこかに隠れて幻影達を使い、攻撃していたのだ。
改めて、試験会場を見ても士団長の本体は解らない?
「ハッ」
上空にライティングの魔法を打つ、光量MAXである。
すると、僕からは一番遠い試験会場の壁におかしな影を見つけすかさずファイアーボール散弾(扇状)をその場所を中心に打ち出す。
「ハッ」
幻影がすべて消えた。
そして、ファイアーボールが士団長に当たり幻術を解き防御魔法に切り替えた士団長が壁際に現れた。
「よし!」
この声と共に、ファイアーボールの連打が開始された。
ただ、わざと防御魔法に当て続け魔力を削りきる作戦だ。
士団長は逃げようにも襲い掛かってくるファイアーボールの連打に、亀の如く防御魔法を硬くしてチャンスを伺っているみたいだ。
此の儘ではジリ貧な士団長は防御魔法を展開しながら、こちらに突撃をしてきた。
僕はシールドアタックで逆撃を狙うも、うまくかわされ有利な状況を崩されてしまった。
さすが、歴戦の兵である。
そこからは、いくら攻撃をしようと、士団長の防御魔法を崩せずにいた。
5分後
「ハァハァ」
積極的に攻撃をしてきた代償が現れて来た。
魔力の消費と緊張感から体力の消費も激しかった。
士団長は疲れを見せていない。
「やばいな!」
「ここは、一つ勝負にでるか!」
一か八かの攻撃に出る事を覚悟をする。
士団長から目線を外さずに、ひそかに盾に魔力を貯めていく。
イメージはファイアーボールをすごく小さく圧縮して弾速は早くできるだけ早く、士団長の防御魔法を貫通するイメージで!
士団長もこちらの雰囲気を感じたのか、勝負に出てくれる雰囲気だ。
お互いが動かず、相手が動くのを待っているみたいで、緊張感がその場を支配する。
お互い動きが無く、2分・3分と過ぎていく。
ハクション!
ギャラリーからくしゃみが聞こえた。
これを切っ掛けに二人が動き出す。
僕は距離を縮めようと、盾を前面に押し立てて進んでいく。
士団長は、僕の左側に周り込もうと動き出す。
二人の距離が一気に縮まり最後の勝負が始まった。
「ハァ!」
士団長のウォーターアローが僕を襲う。
しかし、冷静に盾で受け、士団長を正面に捕まえて。
「いけぇぇぇぇ!」
超圧縮版ファイアーボールを三連で放つ。
「パリ―――ン」
「ズザァァ」
防御魔法を貫通して士団長に三発の内の一発が右肩にヒットして吹っ飛ばす。
「覚悟!」
倒れている士団長に一気に襲い掛かる。
右手のレイピアを振り下ろして勝ったと思った瞬間
「ドゴ」
衝撃波を食らい音と供に吹き飛んだ僕。
士団長の最後のあがきで放った衝撃波をもろに食らい、吹き飛んで地面に叩きつけられそこで、気を失てしまった。
また、士団長も右肩のダメージが酷く、立ち上がる事が出来ずに、担架での退場となり勝負の行方は、魔道士団長ロイの勝利と判定された。
後から言聞いた話では、この模擬戦を見ていて、真っ青になったジャックが居たそうであった。
「よう、気が付いたか」
ベットの上で見慣れない天上をボ〜と眺めていたのを隣のベットで寝ている士団長が気付いてくれた。
士団長の声で、キャロラインが一番に飛んで来た。
「大丈夫?」
「怪我は無い?」
心配そうに声を掛けてくれる。
「大丈夫 だよな、師匠との修行に比べたらな!」
兄弟子の言葉に何か言いたそうな表情のキャロリーンが、兄弟子と一緒に部屋に入ってきた。
「ハイ、大丈夫です」
「士団長が、手加減してくれたから!」
「やっぱり、士団長は強かったです」
「だったら、なんで俺の方が大怪我なんだ!」
「俺が思うに、なんて化け物が王都にやって来たのかて、思うぜ」
「しかし、洒落にならんのは、11才のロビンにボコられるなんて」
「俺の評価が大変な事に....」
話していて、不貞腐れる大人が一人いた。
そんな話をしていたら、医師が入って来て、俺の体の様子を確認すると帰って良いと言われて士団長を置いて、帰宅したのであった。
つづく
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追伸、花粉症がつらいです。