旅立ち
誤字報告ありがとうございます。
対戦の翌日、陛下に呼ばれて小さな部屋(言っても20畳ぐらいはある部屋)で謁見してます。
陛下にニコラスそれにマクシミリアンも苦虫を噛み潰したような表情をしているが、同席している。
しかし、カイル殿は休みを貰ったらしく不在で他の騎士が警護に立っている。
「昨日の試合は見事であった」
「何か褒美を与えたいのだが、何か欲しい物はあるかね」
マクシミリアンは何か言いたそうだが、2敗1棄権では何も言えずに、しかめっ面をしている、それを見てニタニタ笑っているニコラス、二人魔関係は?大丈夫と心配する(国家運営的に)
「いえ、別に、これと言ってほしい物は無いですね」
「やはりな、ではこれを褒美に与える」
陛下が合図をすると、何か?を持って来た。
岩石みたいだ。
でも一体なんだろう?
「これは、流れ星で地表まで落ちて来た魔石達だ」
「%&$#%」
びっくりする僕だけ
「特別な力を秘めている、この魔石を使い専用の剣を作るが良い」
ニカと笑う陛下。
「失礼する」
我慢しきれずに出ているマクシミリアン。
笑うのを耐えているニコラス。
「ありがとうございます」
ありがたく受け取った。
「それと、名誉魔道騎士に任命する」
「これで、我が国に入国するのも問題が無いな!」
頷くニコラス。
「ありがとうございます」
「あと、一緒に付いて来ている大虎は、対戦相手の従魔だろう」
「なぜここに居る」
「いやぁ、困ったもので、弱い主人はこちらから願い下げでウルフに付いて行くと聞かなくて」(ウルフ談)
「一緒に連れて行くしか無くて、また、帰っても大変だろうし・・・」
(あれ?従魔契約の破棄は? まぁいいか!)
ウルフに甘えている大虎・・・
「名前もトラに決めました」
「もう、仲間です」
「そうか、ところでお主達が来た日に起こった、集団睡眠事件なんだが何か知らぬか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
汗がダラダラ流れ出すロビン。
「いや、何も解りません!」
滝の様に流れ出す汗。
ジーと見つめる陛下。
・・・
・・・
・・・
「そうか・・・」
「あの光に触れて、寝てしまった者達の体調不良が改善されたと報告が上がっていてな、いくら調べても原因が掴めなくてな」
「ただ皆、絶好調になってバリバリ仕事が出来ると大喜びなのでな」
「では、この件はこれまでとして、これからどうする」
「お許しを頂けるのでしたら、この国でニコラスの元で魔道の探求をしたいと思います」
「そうか、欲が無いな」
「いえ、色々な事が知りたいので、ここは最高です」
「付きましては、王室図書館の閲覧許可(閲覧禁止魔導書も)を頂けないでしょうか」
「閲覧禁止魔導書の許可を出さなくても、ニコラスがらみで閲覧するのだろ?」
「判ります?」
頷く陛下。
「ニコラス同席の時のみ許可をする」
「これ以上は難しいぞ」
「ありがとうございます」
「陛下、そろそろお時間です」
お付きの者がうながす。
「では、皆の者ご苦労であった」
「そうだ、ウルフ殿また一杯やろう、儂のおごりで」
ニッカと笑いながら陛下が出て行く。
頷くウルフであった。
そこからは、凄腕のドワーフを探す旅に出て剣を注文したり、生活費を稼ぎに魔物を狩ったり、禁止魔導書からヒントを得たオリジナル魔法を開発したり、たまに、カイル隊長の教練に混ぜてもらったりして過ごしていた。
(よく試合を申し込まれて困っていたのは内緒だ)
アンナは、ナオ姉の花嫁修業に、近所付き合いetc頑張っている。
そして、アッというまに3年の月日が経ったのであった・・・
16歳を迎え身長は170cmを越えて、少年から好青年に変わり体つきもしっかりして来た(ルックスは普通・平均・アベレージだが)
アンナは、神々しい美少女となり、隠れファンクラブまで存在するようになっていた。
「ニコラス、これで良いですね」
「あぁ、完成だ」
「面白い魔法陣が出来たな」
「はい」
ニコラスと一緒に複数のオリジナルの魔法陣を完成させる事が出来た。
これを一区切りとして、帰国する事にする。
陛下、カイルさんをはじめお世話になった方々に挨拶を済ませて出発したのであった。
出発といっても、転移魔法でニコラスのダンジョンに飛んでヘザー 、ナオ姉と数日過ごして別れを惜しんだ。
「ロビン、元気でな、また来いよ」
「はい、師匠ヘザーさん、ナオ姉、お世話になりました」
「また、みんなで来ます」
「アンナちゃ-ん」
アンナに抱きつくナオ姉。
二人は別れを惜しんでいるが・・・
「姉さま、またきます」
「うん、待ってる」
そう言うと、トラに車を引かせて出発だ。
「じぁ、いってきます」
見えなくなるまで、僕とアンナは手を振り見えなくなると、少し寂しくなったが。
「ロビン、帰るて言ってたが、どこに行くんだ」
虎車の横を歩いている、ウルフの問いに。
「母に婚約者を紹介したい、取り敢えずは僕の実家に行こうと思う」
(お母様、お母様、お母様)
アンナの頭の中は、お母様の言葉でいっぱいになっている大丈夫か?
「そうですね、お母様にご挨拶・・・」
シューと頭から煙が出ている。
「じゃ行こうか」
ニコラスのダンジョンから実家に向けて虎車を進めるのであった。
つづく
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
これにて1章が終わりになります。
2章スタートまでお時間を頂けたらと思います。




