表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/40

2試合目 速攻に限ります。

コロシアム全体に余韻に浸かる中、連絡事項が入る。


「コロシアムにお越しの皆様にお知らせします」

「当初、1試合目終了後すぐに行われる予定の2試合目の時間を、午後1時開始に変更いたします」

「皆様のご理解のほどよろしくお願いいたします」


そう、今は観戦どころの騒ぎではない。

ウルフが放った殺気で、観客のほぼ全員がガタガタと震え、失神・失禁と大変な状態になっていた。


対戦相手のテイマーは担架で運ばれ、審判も退席している。

僕達も控室まで戻り休む事となった。


「ウルフこの子、どうするんだ?」


「この大虎な、俺に付いてくるて聞かいんだ」

「まぁ、仕方ないだろう」


その話を聞きながら、大虎はウルフに甘えてじゃれている。


「もう、帰る場所も無いから頼むわー」


「だろうな」

(ニコラステイ)に来ればいいさ」

「番犬ならぬ番大虎でな?」


ナオ姉男前すぎる。


そんな話をしていると・・・


「ウルフ殿良くやってくれた」


ニコニコしてニコラスが控室に入ってくる。


「あの時のあの野郎(マクシミリアン)の顔ときたら、ウルフ殿の殺気にあてられて、歯はガチガチ言ってるは、多分漏らしてたそして、顔を真っ青にしてブルブル震えてるんだぜ」

「普段あんなに嫌味ばっかり言って突っかかってくるのによ」

「スカッとした」


そんな話の後。


「後、時間が伸びたのは試合観戦していた、2.3試合目の選手も殺気で当てられて試合が出来る状態で無くなったので、時間が取られたんだと」

「まぁ、アッチの都合だが仕方が無い」


そんな話をしながら、時間は過ぎていった。





そんなこんなで午後1時を迎える。



<さあ、皆さんお待たせしました>

<選手入場です>


実況の声が響く。


ワアー、ワアー

歓声が等飛ぶ。


<先に入場してきましたのは、魔道の名門デルボ二ル家次期当主にて、10年に一人の魔道天才と呼び声高い、フェデリコ・デルボニス選手です>


うぉぉぉぉぉ

頑張れー

きゃゃゃゃ


歓声に手を振りながら余裕を見せての入場だ。

背が高く、甘いマスクの二枚目だ。


<次に入場してまいりましたのは、あのニコラス殿が初めて弟子にしたと噂の魔道士、ロビン選手です>


ヴゥゥゥゥゥ

ヴゥゥゥゥゥ

ヴゥゥゥゥゥ


観客席からは、かなりのブーイングが起こり、雰囲気が悪くなる。


<両選手ただ今、審判から説明と注意事項・保護魔法を掛けられております>

<保護魔法とは、万が一の事を考えて命は落とさない様に、最後のセーフティーネットになっております>


<審判の話が終わったようです>

<いよいよ、試合開始です>


<おや、選手同士が何かを話しておりますが、直ぐ別れました>






「ロビン君、君に思う所は無いが全力で行かせてもらう」

「君に勝つ事が出来れば、ニコラス殿にもう一度弟子入りをお願いしてみようと思っているから」


「僕も全力で行かせてもらいます」


開始前の会話だ。

どこまでもさわやかな、好青年であった。


始めの言葉と供に、五芒星陣を一瞬で完成させて、結界を発動させる。

コロシアム全体が結界覆われた。


魔力供給の心配の無くなった僕は・・・


ガッガガガガカ・・・・


最初から最後までクライマックス仕様で、シールドガトリングがうなりを上げ始めた。


火を噴いたガトリングは、フェデリコに直撃しなかった。


「えっ!」


全て、シールドに阻まれたのだ。


<おっと出たー! デルボ二ル家のお家芸、シールドの護石だ>

<護石のおかげで先制攻撃を防いだー>


実況の声がコロシアムに響く。


ロビンからは何も見えないが、どうも自動で直撃弾から守られているみたいだ。


<ここからは何も見えないが、ロビン選手の攻撃があったと思われる>

<ロビン選手の見事な速攻だ>


ロビンはそのまま見えないシールドに攻撃を続ける。

フェデリコは余裕の表情だ。

しかし、ロビンにも焦りは無い。


<おっと、これはどうした>

<見えなかったシールドが薄い黄色に、いや赤色に・・・>


気が付くとフェデリコは必死でシールドに魔力を送り続けていた。

ロビンの攻撃で護石に貯めていた魔力があっという間に無くなったからだ。

今は、自分の魔力をフル活用してシールドを維持している。


<フェデリコ選手いつの間にか必死の形相だ>

<一体、何が起こっているんだ>


叫ぶ実況。

火を噴き続けるシールドガトリング。

守りに必死なフェデリコ。


此処を守り切れば、勝機は必ずある。

そう思い必死に食らいつくが・・・

ロビン油断は無い。


「ハッ!」


<こっ、これは>

<ロビン選手のシールドが、オレンジ色、いや赤色に変化しだした>

<まだ変わるのか、赤から青白く光り輝きだしたー!>


実況者が絶叫している。


ロビンはシールドに魔力を集中させて、チャージシールドガトリングに攻撃力をアップさせた。


フェデリコを上回る為に。


そして。


パリーーーン!


一発の弾がシールドを突き抜ける音がコロシアム全体に響きフェデリコの体に襲い掛かる。

一発が突き抜けるとシールドは崩壊して、フェデリコはただの的となってしまった。


ドッガ


鈍い音と供に、フェデリコが吹っ飛ばされコロシアムの壁に激突する。

保護魔法のおかげで、チャージシールドガトリング弾が体を貫通する事は無いが複数の弾を受けて、その全てを衝撃として受け止めてしまった為に吹っ飛んだのだ。


吹っ飛んだのを見て、攻撃を止めるロビン。


ドッサと崩れ落ちるフェデリコ。


「勝者、ロビン」


<ぅぉぉぉぉ>

<凄い魔道戦士が現れた>

<その名はロビン、この名は今後後世に語り継がれる事だろう>


興奮してしゃべっている実況者。


ワアー

ワアー


盛り上がる観客。

冷や汗を垂れ流す魔道戦士達。


そんな状況の中、審判は勝者をコールすると担架を要求して救護室に運ぶように指示した2試合目が終わりを告げた。


試合時間はわずか50秒であった。





つづく。




















最後まで読んでいただいてありがとうございます。

評価、ブックマークをいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ