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1試合目と格の違い!

誤字報告を頂きありがとうございます。

前書きにて感謝の気持ちをお伝えさせて頂きます。

また、誤字を見つけ頂けたら誤字報告をお願い致します。

「うぉぉぉぉぉぉ」

「終わった!!!!」

「・・・・・」


ヘタリ込む父親達+ナオ姉+僕!


「もう当分掃除したくない」


ナオ姉の言葉に頷く3人。


「でしたら、日頃から綺麗にしましょうね、お姉さま!」


達成感で充実した表情のアンナの言葉に、蒼い顔をして高速で頷くナオ姉がいた。

するとタイミングを計った様にチチパスがやって来た。


「こんにちは、大掃除お疲れ様です」


「先日の件ですが、10日(7日後)にコロシアムで開催される事が決まりました。」

「当日、朝の10時から試合開始となり、1時間前までにお越しください」

「それと、ファイトマネーと賞金も出る事となりました」


「了解だ」

「ところで、老魔道士マクシミリアンの野郎は何か言ってたか?」


連絡事項を聞き、質問をするニコラス。


「いえ、何も」


「ありがとう、しかし、俺に対抗する事しか考えてないから困ったものだ」

「まあ、降り掛かる火の粉は払うだけだがな、今回はロビンだが」

「ロビン、本気でいいぞ、やってしまえ」


「僕よりウルフの方がやりそうですが」


一瞬だけ、やる気を見せてたが後は我関せずだった。




七日後・・・



今、僕達4人(ロビン・アンナ・ナオ姉・ウルフ)は待合室にいます。

もう少しで、試合開始になります。

ニコラスは陛下と同席しており、マクシミリアンと場外戦(くちげんか)をしているそうです。


さて、七日間はどのように過ごしたかと言うと、王都観光(護衛付き)・ゴーレムの修復(12体稼働可能にしました)・お城にある図書館にて魔道書の閲覧・ナオ姉の花嫁修業と忙しい日々でした。


また、監視はされている物の、概ね問題も無く過ごせる事が出来たのが幸いでした。


コンコン


「時間が来ました、入場してください」


「みんな、行こう!」


ナオ姉の言葉で全員が動き出す。

戦う2人とも緊張感は少しも無く、特にウルフなんか気だるそうにいるぐらいだ。今から相手が可愛そうである。


しかし、入場してからが大変であった。

声援やバッシングは半々ぐらいで、思ったよりも酷くなかったが、セレモニーでは、僕達はケチョンケチョンに言われて、対戦相手は優秀で魔人国を背負って立つ人材、若手のポープとかなりヨイショして精神的に優位に立とうとしているのが判るぐらいだ。


「ロビン、狼君(ウルフ)(やっちゃって)いいよ」

「あれは無いは」


ナオ姉が怒りだしている。


「せこい手を使うね、ところで審判は大丈夫?」


じぃぃぃぃぃぃと審判を見つめる。


・・・

・・・

・・・


目を背ける審判。


「駄目だ、敵方だな」

「マクシミリアンの派閥の関係者と思う」


「やっぱり」


ここまでテンプレだと反対に清々する。


「じぁ、一発かましてきますか!」


そう言って、闘技場中心に行く二人。

ウルフはめんどくさそうだ。


<選手入場です>


実況が始まった。


<入場選手の紹介です>

<あのニコラス殿の弟子が契約する従魔ウルフ、普通の狼にしか見えませんが、果たして真の実力はいかほどか楽しみでなりません>


<続きまして、若手NO1テイマーのキャメロン・ノーリーと大虎の従魔が入場です>

<本日はどんな試合を見せてくれるのか、非常に楽しみでなりません>



相手も入場してくる。

魔道士と大虎の魔獣だ。

ウルフより4倍から5倍体が大きい。

ガルル・ガルル唸りながらかなり気合も入っている。


一方ウルフは、本来の大きさでは無くて、1m強の大きさのままでいる、観客席からは早くも大虎が勝利をしたような歓声が上がっている。

まぁ、大きくて強そうに見えるもんな。


観客席のマクシミリアンはここぞとばかりに、陛下に猛烈にアピールしていて、我が世の春状態である。

それもあと少しなのだが。


ワァ―

ワァ―


凄い歓声の中、試合開始の声が掛かる。


<さあ、試合開始です>


「始め」


審判の声が、闘技場全体に響く。


行き成り、大虎が動く。

ネコ科の頂点を極める魔物は、足音も無く軽やかに突進してくる。


きゃゃゃゃ

うわぁぁぁぁ


観客席から余りにも凄い迫力で悲鳴が上がる。

恐ろしい勢いで、突進してくる大虎。


しかし、ウルフは・・・

自然体で待ち構えて。



----ギロ----



大虎を中心にひとにらみ。


ドッカ―ンと凄い轟音が起こる。


一瞬にして止む歓声。

全身に冷や汗をかく、観客達。

闘技場に響く、衝撃音。

土煙が立って、観客席からは今どうなっているか分からない。


段々、土煙が収まってくると・・・


大虎がウルフの前でお腹を見せて降参のポーズをしているのである。


そう、ウルフは全開で殺気を放ったのである。

この闘技場の大虎と対戦相手(テイマー)と観客(2人を除く)は死を予感したのである。

拍手も起こらない。

歓声も、怒号も起こらない。

ただ、全員が全身をガタガタと震わせるだけであった。

また、実況者も全身をガタガタと震わせて実況出来ない状態になっていたのである。


「審判!」


ウルフに促されて、ロビンが声を掛ける。


ハッ


声を掛けられて我に返り、コールされる。


「勝者、ウルフ」


審判の勝ち名乗りを聞き、スタスタと帰るウルフ。

それに付き従う、大虎。

失禁している事に気が付く審判。

失禁して気を失っている対戦相手(テイマー)


格の違いを見せつけた見事な勝利であった。






つづく








最後まで読んだ頂きありがとうございます。

評価、ブックマークを頂けた幸いです。

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