兄弟子初めまして!
ふぅ〜
「やっと着いた」
初めての町である、地図があっても、迷って、聞きまくっての到着であった。
カラン、カラン!
ベルを鳴らす。
「はーい」
「どちら様ですか?」
奥さんが出て来てくれた。
こんな奥様がほしいと絵に描いたような奥様である。
「初めまして、僕、ロビンと言います」
「マーサから、紹介でやって来ました」
奥さんは、少しビックリしている。
大きな盾を背負い、腰には剣を差した男の子が立っているからだ。
「主人から聞いています。どうぞ」
リビングに通してくれた。
「これ、お土産です」
マーサと狩をして捕まえた肉や、山で採取した珍しいアイテムを、アイテムポーチから出す。
「ご丁寧にありがとう」
「まぁ、お茶でも飲んで待っていて、主人もお昼に帰って来るから」
「しかし、ビックリしたは、弟弟子が試験まで泊まり来るからと聞いてたから、魔道士見習いだと思っていたから、剣士だったからね、ごめんね」
「いいえ、お気になさらないで下さい」
「かたちは、弟弟子ですが才能があって弟子入りした兄弟子とは違い、僕は捨て子でマーサに拾われた子供だから、魔道士としての才能は兄弟子ほど無いのです」
「なので、マーサからは試験までに兄弟子にアドバイスを頂きなさいと言われています」
「いやいや、そんなことはないよ」
「師匠の性格なら、目がないと魔道は教えないから」
兄弟子の登場である。
素早く立ち上がり。
兄弟子の前に立ち自己紹介をする。
「初めまして。ロビンと言います」
「よろしくお願いします」
「はじめまして」
「私はグリゴール、妻はキャロリーンだよろしく頼む」
兄弟子は背は高く、体はがっちりボディのナイスガイだ。
魔導士の筈なのに、体育会系の臭いしかしない。
流石、マーサのお弟子さんだ。
「ロビン早速で悪いんだが、俺は合格の目が無いやつを宿泊させる気はない」
「ご飯を食べたら、訓練所に一緒に来てもらえるかな?」
「グリゴール、いい加減に」
「いや、師匠の弟子ならこれ位問題ない」
「なぁ」
「はい!」
「しかし、兄弟子も苦労されたんですね!」
「わははは」
「お前もそうか!」
「はい」
二人そろって大笑いしてしまつた。
それから、一緒に昼食を取りながら、マーサの昔話に花を咲かせるのであった。
お昼から王城の魔導士団訓練場に来ていた。
グリゴールと戦うのをグリゴールの同僚達は、面白がって見物に来ている。
勿論、賭けていた。
オッズは40対1だ。
僕も自分にかけたい。
負ける気はないからね。
ただ、みんな弟弟子と知っていた。
弟弟子と模擬戦をするのを、楽しみにしていたみたいだった。
「がんばれよ」
審判に付いてくれた方から、言葉を掛けられる。
力強くうなずく僕。
兄弟子も準備が整ったみたいだ。
「ロビン、お前の力が見たい」
「本気で来い!」
「はい、わかりました」
兄弟子の言葉に最初から全力で行こう。
マーサの弟子だし死なないよね?
「では、はじめ!」
緊張感のある審判の声で、模擬戦が始まる。
兄弟子は、こちらの様子を眺めている。
先手を譲ってくれるみたいだ。
では、お言葉に甘えて!
「ファイアーボール」
わざと詠唱をしてから兄弟子の左側に打ち出す。
予定通りに右側に回避をしてくれた。
僕のファイアーボールにギャラリーが騒めく。
「ハッ!」
右に回避してくれたので作戦通り、無詠唱盾ファイアーショットガンを前に前進しながら
回避中の兄弟子にぶち込む。
何発か命中したが、受け身を取り被害を最小限に抑えて、防御魔法を展開さ追撃を受けない体制だ。
流石である。
しかし、ここで足を止めて防御に専念する構えを見せてくれた。
あとは、前面に展開する防御魔法をタコ殴りするだけで勝てるだろう。
「ハッ」
盾ファイアーボールの連発の開始である。
乱れ飛んでくる火の玉を、防御魔法で捌いているが、魔力を一発ごとに削られていく。
そしてそれは終わる感じがしない。
兄弟子は必死である。
じりじりと追い込んでいくが、決定打にかけている。
チャージを撃とうかとも考えたが、面白い事を思いついたのでやってみる。
「ハッ」
連打とは別にファイアーボールをわざと上空に打ち出した。
それは、テニスのトップスピンロブのイメージで死角から攻撃だ。
「ドカーン」
兄弟子の上まで行ったファイアーボールが急降下して兄弟子の肩から背中に当たり、前方に吹っ飛んだ。
勝負あった。
「勝者、ロビン」
審判が勝者をコールしてくれたがそんな事よりも、兄弟子が心配だ。
少しやり過ぎた。
「兄弟子大丈夫ですか」
すぐさま駆け寄り言葉を掛ける。
「ああ、大丈夫だ」
弱々しく答える。
強がりを言っているのは分かっているので、救護室に連れて行ってもらおう。
「坊主、ちょっといいか」
「その盾はいったい何なんだ」
「盾からファイアーボールを撃てるなんて」
「そんな盾、初めて見た」
審判をしてくれた兄弟子の同僚がたたみ掛ける様に話しかけて来た。
少し困っていると。
「おいおい、困っているじゃないか」
「初めまして、俺はロイ、魔導士団の団長をしている」
「初めまして、ロビンです」
兄弟子みたいに背も高くないし、マッチョでも無いのだが、圧倒的な存在感の人物が目の前にいる。
只者だだ者では無い。
「なあ、俺とも模擬戦いいか?」
「はぁ?」
「今回は、兄弟子に実力を見て頂く為で、魔導士団の方に模擬戦をして頂けるとだけの実力は僕には無いので遠慮させて頂きます」
「君の実力の底を観てみたいが仕方がないな、それはまたの機会にしよう」
「それとは別に、魔導士団に入らないか?」
えぇぇぇぇぇ!
周りの団員が驚いている。
「はぃぃぃぃぃぃぃぃ」
ビックリしておかしな返事をしてしまう僕。
「な,な,な,何を言っているんですか!」
「ぼ、ぼ、ぼ、僕は、まだ11歳だし」
「僕は、今から学校に入る為に王都まで来ているんです」
「卒業もしてい無いのに無理です」
「魔導士団には入れません」
余りにも驚きすぎて、何を言っているのか解っていない。
「ロビン君、君の実力から行くと入団は正当な評価だと思うよ」
「じゃあ、聞いてみようか」
「やろうども、ロビン君と戦いたい者は名乗りを上げてくれ」
・・・・・誰も出てこない。
「やろうども、ロビン君を魔道士団に入隊することに、賛成する者は」
賛成とギャラリー達がいっせいに大声を上げる。
選択肢は、イエスかハイしかなさそうだ、魔道士団仮入隊が決まった瞬間である。
「これが、模擬戦を見ていた隊員の評価だよ」
「そうゆう事で、宜しく」
「うそ〜ぅ」
諦め感タップリにアピールして見たが無駄であった。
兄弟子に言っても入団て言われるの分かってるし。
そこに。
「ちょっと待った〜」
魔道士団訓練場に声が響く。
近衞騎士団の団長がそこには立っていた。
「ロイ、優秀な人材を独り占めはいけねーな」
「彼は剣士だ」
「剣士の所属は近衞騎士団だよなぁ」
「なぁ、ボウズ」
プルプルプルと首をフル僕。
しかし、スルーだ。
トップ会談が始まった。
1人の未成年の取り合いである。
僕はこのスキに気配を消し、兄弟子を連れ出し救護室に向かうのであった。
「うぅ」
「兄弟子、気が付かれましたか」
「やり過ぎました」
「ごめんなさい」
「いや、気にする事は無い」
「全力で来いといったのは、俺の方だ」
「しかし、戦闘不能にされるとは思わなかった」
取りあえず、ひと安心だ。
回復魔法である程度回復しているが、服はボロボロである。
奥さんにどう謝ろう・・・
もう少ししたら、兄弟子と一緒に家へ帰ろう。
すべては、そこからだろう。
そう思うロビンであった。
つづく
4話以降は、週1、2話の予定で更新して行きたいと思っています。
読んで頂い方の評価、ブックマークを頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。