街に到着しても大変です。
朝からのひと悶着の後、町に向かっている。
ただ、従者の3人、ダニエル・クラ―ン・ロレンジは一族の元に返した。
一族の一大事を託して。
それは、賢狼マカミが族長を降りて、若者に次世代を託すと言う事だ。本来ならそんな大事な事を三人に言づけて良い物ではないのだが、姫様がプロポーズを受けた事で、女神様の神託を無事に果たしたとの判断でだが、まだ心配な義理の父親マカミはそのまま、付いていくと言い張り付いてくる事となった。
そんなーと3人の顔に書いてあったらしい。
それと、マカミの魔人族の姿ではおかしいので、狼の姿に戻りアンナの従魔と言う事になった。
流石に大狼はまずいのでスモールサイズに変化の魔術で小型の狼になってもらう。
そして、いまみんなで悩んでいるのが、賢狼マカミの従魔名だ。賢狼マカミの名前は有名過ぎて色々な事に支障をきたすだろうとのニコラスの指摘から、今、みんなで考えているところだった。
また、アンナもロビンの婚約者が魔人族の娘ではまずいので、変化の魔術で人族の女の子になって貰った。
流石に、人化の秘術はまだ使えないみたいだったが、ロビンに人族の女の子を頭の中でイメージしてもらい、そのイメージをおでこを合わせて受け取り、変化してもらった。
そう、200%ロビンの好みのタイプである。
顔立ちのハッキリした美人よりも、かわいさが際立った女の子だ。その上に、背中まである髪の毛を一つにまとめて、より一層かわいさをアップさせていた。
ちなみに、おでこを合わすだけで、二人ともが顔を真っ赤にしていた事を書き加えておこう。
お昼時・・・
「賢狼殿、アンナちゃん、話があるんだ」
ロビンの真剣な表情に、かしこまる一人と一匹。
「実は・・・」
僕の秘密を打ち明けた。
そう、転生者&前世の記憶付きと言う事を。
僕だけ秘密を知っているのっておかしいからね。
「この話を聞いて、ロビンは変わった奴とは思っていたがそう言うわけか!」
「姫様の事を知ったら、是が非でも手に入れたいと思うが、そんなそぶりが一つも無い、ニコラス殿もだが」
「まあ、そんな事をしたらどうなるか、判っておるな」
「賢狼殿も、また僕にコテンコテンにされたぃみたいですね(笑)」
「むむむ!」
僕の返しに、タジタジになる賢狼。
「正直、前世で出来なかった、色々な事を見て回りたいと思っているんです。だからアンナちゃんには一緒に付いて来てほしいけど、アンナちゃんの力が欲しいとは思ってないんです」
「まあ、それをするには負けない力を付けなければ行けないんですが」
「まあ、アンナちゃんを守れる男な!」
ニコラスの言葉に頷く僕。
アンナはとても嬉しいそうに微笑んでいる。
「そうだ、賢狼殿の名前ですが、ウルフはどうでしょう」
「前世のある国で狼て意味でストレートですが」
「そうだな、良い名前も無いし従魔時はウルフと呼んでもらおう」
「じゃあ、ウルフ殿と言う事で」
あたらしい名前も無事決まり、お昼を終えて出発して夕方には予定通り到着して、門が閉まる前に行列に並ぶことだ出来たが。
ここからが・・・だった。
「キャャャャャヤャャァァァァアァァ!」
「うわぁぁぁぁぁ」
「&'()='%&$#&'」
列に並んでいた、女性が気が付き悲鳴をあげる。
続いて男性も叫び出す。
そして並んでいた人々は僕達から距離を取り身構えて、此方を注意深く見つめている。
ただ、僕達3人と一匹は当たり前の様に列に並んだのだが、人族が行き成り現れたので、プチパニックになった状況だ。
やっぱり、人族は珍しく騒ぎを聞きつけて野次馬が集まる。
「お前たち何をしている」
門の守備隊が騒ぎを聞きつけて、野次馬をかき分け僕達を取り囲んだ。
「街で宿泊しようと思い来たんだが!」
ニコラスは、年長者と思われる男の問い掛けに答えたら。
「人族が街に入れると思ってるのか?」
「この国の街に人族が入ってはいけない決まりは無いはずだが?」
兵士の問い掛けに、鋭く切り返していく。
「うっ・・・」
「屁理屈を言うな!」
年長者の兵士は言い負けて、半ば逆ギレして怒っているが、ニコラスはどこ吹く風だ。
それからも話し合い(言い合い)は続いたが全てニコラスの勝ちだ。
年長者の兵士は益々意固地になり、どうにもならなくなった。
(どうしよう?)
ロビン達がそう考えていると。
この騒ぎを聞き付けて、魔人族の人々は益々集まって来る。
その時、困っている所に隊長らしき、少し貫禄のある男性がやって来て年長者の兵士の肩をたいて助け船を出してくれた。
「このままでは、野次馬が増えるだけでこちらの仕事にも支障をきたすから、とりあえず守備隊の待合室で話を聞かせてもらえないでしょうか?」
「分かりました」
隊長の提案に乗り、守備隊の待合室に着いて行く。
「ニコラス、やりすぎです」
「あれでは、年長者の兵士が意固地になるだけです」
歩きながら、ニコラスに注意喚起をしてしまう。
「すまんな、中途半端な事を言うからついつい論破してしまった」
頭を掻きながら答えた。
ウルフ殿はため息を付き、アンナは仕方がないな〜と肩をすぼめてリアクションしている。
待合室に移動後も、隊長を相手に話し合い(今度は本当に話し合い)を小一時間ぐらいするも平行線だ。
「許可も何も無いのに、この街に入れる事は出来ません!」
隊長の最後通告に。
「許可が合ったら良いんだな!」
「少し表の庭を借りるぞ」
ニコラスは怒りながら庭に出る。
「ニコラスさん、もういいから街から出て行きましょう」
アンナ達がニコラスのお荷物になっているのが判っているので、辛そうな言葉が口から出てて来る。
「アンナちゃん、大丈夫だから」
「許可は簡単に取れるんだ」
「ただ、その後がめんどくさいから、先に許可を取らなかったんだ」
優しい眼差しでアンナに語り、庭に出て行く。
守備隊の面々は許可なんて取れないと思っていて、この騒ぎがようやく終わりそうだと思いだす。
だって、そんな許可なんて出せる魔人族ってこの国のトップしかいないからだ。
「%-#¥+&=*;(‘m,@#%&&*/=」
ニコラスの周りの空気が段々張り詰めていく。
ニコラスが詠唱を始める、いつもより集中している。
「我の召喚に応じよ、く◯野郎!」
庭では、険しい表情での詠唱が終わり・・・
ニコラスの目の前に魔方陣が現われて光だすと。
偉く良い服を着た安◯晋◯にそっくりな人物が立っている。
違うのは、2本の角が有るのと肌の色だけみたいで、ほんとによく似ている。
「このく◯野郎!!!」
ニコラスを見るなり、叫びながら右ストレートで殴りかかる安◯晋◯似。
ニコラスも判っているのか、右ストレートを避けながらパンチを繰り出す。
安◯晋◯似と麻◯太◯似の戦いが始まった。
これは、肉弾総裁選?なんて思いながらも二人の見事な攻防一体の動きに見惚れてしまう。
しかし、この肉弾総裁選は唐突もなく終わりを迎えた。
「元気にしてたか、ニコラス!」
「お前こそ、デスクワークで衰えたと思ったが、中々やるな」
いきなり、肩を組んで大笑いしながら話しだす二人。
呆気に取られる周りをよそに盛り上がる二人だが、状況が気になった安◯晋◯似は即座にに雰囲気を変えて、ニコラスに今の状況確認をいている。
すると・・・
「あぁ、問題無い」
ニコラスの話を聞いて頷く安◯晋◯似。
僕達二人はこの人誰?と思っていると。
「えぇぇぇぇ!」
誰かが叫ぶ。
ニコラスと安◯晋◯似の後ろ側に数えられないぐらい多くの魔方陣がいきなり現れて光だすと。
光の中から、黒が基調の落ち着いた色合いの甲冑に身を包んだ精強な騎士達が現れる。
「陛下、お戯れが過ぎますぞ」
ひときわ、貫禄のある騎士が急いで駆け寄り声を掛ける。
そうか、陛下か?
「へいかぁ?」
大声で叫んでしまう僕。
そう、ニコラスは許可を得る為に国王陛下を召喚したので合った。
つづく
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