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魔人族の王都に出発したら4

「お父様、今回復します。」


ユニコーンは横たわる大狼に話し掛ける。

ユニコーンの問いかけに、大狼は目線を合す事しか出来ないぐらい重症だ。


「%&')('!#"」


詠唱?をして回復魔法を発動させる。

瀕死の重傷だった大狼の体が見る見る回復していく!


「姫様、申し訳ございません」


大狼が頭を下げる。

大狼の言葉を聞きながら、ユニコーンは他の者に回復魔法を掛けていく。


一体(ひとり)でも多く助けたいので、時間稼ぎをお願いします」

「お父様!」


「お任せください」


力強く返事をすると、威風堂々と大狼は立ち上がった。






「復活しやがった」


苦々しく言葉を発しながら立ち上がるニコラス。

足元には回復ポージョンの空き瓶が2本転がっている。


「流石にやばいな」


見た目でもロビンの心が折れてしまったのが分かるからだ。

最早余裕はない。

ユニコーンの登場で、生き残りが復活を始めたからだ、その筆頭があの大狼である。


「ロック!」

「俺が一発かましたら、真っ直ぐ進み退路を切り開け」

「お前とお前、ロックの左右に付いて、ロックをフォローしろ」

「お前とお前は、俺の横に付いて殿だ」

「残りはロビンを守りながら、ロックの後を走れ!」


「行くぞ!」


力強く指示を出すと!


「ハッ!!!」


無詠唱で術を発動させる。

一発と言いながら、竜巻を二つ作り出す。


魔物達は、予想外の竜巻の発生に混乱に陥りスキが生まれた。

するとニコラスの支持通りに、ロックを先頭に退路を切り開き、ゴーレムの一体がロビンを担ぎ上げて、ゴーレムに守られながら撤退を開始する。


「あっ」


ロビンは担がれながら少し離れた場所にいるユニコーンと一瞬目が合った?

すると、スッと体が楽になっていく。

何がどうなったか解らないが、体が楽になり柔らかい雰囲気と、良い香りを感じた。


担がれながらの撤退だが、魔物達の追撃は無く、無事に山を越えて麓まで来る事が出来たが、油断は出来ない。

それから、一時間くらい撤退して、追撃が無いのを確認して警戒を解く。


「もう、大丈夫だろう」

「油断はしないがな!」

「取りあえず、休憩しよう」


「はい」


ニコラスの言葉にホッとして返事をする僕。

ただ、休憩中にロック達のチェックだ。

みんなボロボロで、大幅な修理が必要なゴーレムが7体。

この子達には、アイテムボックスで休んで?もらう。

残りのゴーレム達も、修理と魔力補給が必要な為、ローテーションを組んで魔力補給をする事とした。

ロックは流石であった。

一番大きな魔石をコアにしているだけあって、魔力切れの心配は無い。

また、破損も一番少なかった。

取りあえずは、ロックに頑張ってもらおう。


ロック達のチェックが終わると、ニコラスが話し掛けて来た。


「ところでロビン」

「お前、ケガは大丈夫なのか?」

「わしはポージョンで無理やり回復したが、お前死にかけていた(精神的にも)じゃないか?」


「それなんですが」

「担がれて逃げている時に、ユニコーンと目が合った?みたいなんです」

「そしたら、体と心が楽になって」

「何がどうなっているか、解らないんですが?」


「多分、ユニコーンが回復魔法をお前にまで、使ってくれたんだな」

「敵なのに、人が良いというか」

「まぁ、おかげで回復する手間が省けたがな」

「回復しているなら、少しでも遠くに逃げるとしようか」


この言葉で休憩は終わり、足早に立ち去るのであった。




それから魔人族の王都に向かって旅をつづけるも、魔物達の襲撃も無く安心仕掛けたころ、ニコラスが話し掛けて来た。


「ロビン、もう少ししたら昆虫が出没する地域になる、今までも気を抜いていたわけではないが、より一層注意してくれ」

「隠れていたり、罠を張っていたりして、危ないから!」


「そして、少し早いが今日はここで野営にしよう」


ニコラスの言葉に頷き、此処で野営になった。

ここで、気力体力の回復を図り、次の難関?突破りの為の英気を養うのであった。


翌朝、出発するとそこは・・・

昆虫の跋扈する森は、正に弱肉強食の世界であった。

魔物達だけではなく、同種通しも狩の対象の世界。

全てが、ビックサイズで攻撃的。

ただ、待ち伏せや罠とか手あたり次第に攻撃してくるとか色々な昆虫がいて油断もスキもあったものではない。

スキを見せればそれで命が終わるからだ。


僕達はと言うと、結界を展開して魔力を感知しながら進んでいくので、待ち伏せ&罠には直ぐに気が付き対処していく事が出来るから、先手を打って撃退でききて、普通に進む事が出来た。

勿論、倒した昆虫たちは、学校に帰ったら研究資料として寄付する為に回収は忘れずにしていく。

先生達にも、こんなのいましたーと証明する為に、実質お土産である。


これと言ってピンチのないまま半日ほど進んだら・・・


「キャ―――――!!!!」


結界の外側、少し先から女性の悲鳴が聞こえて来た。


「行くぞ」


ニコラスの言葉に頷きながら、前方に急いで走っていくと・・・


魔人族の馬車が昆虫たちに囲まれて、襲われていたのだった。

五人の魔人族が必死に防戦しているところであった。





つづく

最後まで読んで頂きありがとうございます。

評価、ブックマークを頂けたら幸いです。

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