魔人族の王都に出発したら3
「いけー!」
火の鳥に命じて、敵本隊?魔力を一番感じる場所に突撃(体当たり攻撃)を命じる。
ドッゴ―――――ン!
命じると同時に、ヘルフレイムキャノンが爆発する!!!
直撃弾では無く、敵本隊直上で爆発したのだ。
新型の近接信管型だ。
爆発力はすさまじく、辺り一面が真っ赤だ。
岩などが赤く焼きただれている。
その後に、生き残りに止めを刺す攻撃で終わりの筈だった。
「キェェェェェ―――」
敵本隊から、何かが飛び出し火の鳥を食いちぎった。
火の鳥の断末魔と供に、白い大狼が姿を見せたのだ。
満身創痍の姿で!
「ウォ―――――――!」
大狼の遠吠えで、戦闘不能になっていた者達が立ち上がり始める。
何とも言い難い状況である。
ドドド振動が伝わり出す。
立ち上がった者たちが僕達に向かった突撃を開始したのだ。
最後のひと花を咲かせる為に。
その中には、大狼も含まれている。
そして、戦闘に耐えれない者達が火の壁に突っ込み見事に穴を開けた!
其処からは、味方の屍を越えて一太刀浴びせようと魔物達が襲い掛かって来た。
「:!"#+*`{<?」
「_?}`~=)(%$!」
「~=!%$'&#$%」
何か解らない叫び声を上げながら!
「うぉぉぉぉ!」
僕は大声を出して、恐怖を跳ね飛ばした。
跳ね飛ばすと同時にシールドガトリングが火を噴く!
突撃してくる魔物達は弾幕の中で弾ける様に、無数の者達が倒れていく!
しかし、突撃は終わる気配が無い!
何がそこまでさせているのか?
一瞬そんな事を思いながらも魔物達への攻撃の手は緩めない。
いくら倒しても、次から次に突撃をして来て、とうとう、炎の壁を突破された。
無数の魔物達が一斉に飛び込んできて、一気に乱戦に陥った。
すると、
ドン
背中に何かが当たる。
ニコラスだ。
「ロビン、俺の背中は任せたぞ」
ニコラスが一瞬だけ僕と目を合して、アイコンタクトを取る。
「はい」
力強く返事をすると、目の前の敵だけに集中して、ガトリングに照準を合わせていく。
お互いの背中を守りながら!
乱戦になっても、ゴーレム達は見事な立ち回りを見せていたが、多勢に無勢で守勢に回り始めている。
しかし、助ける余裕はロビン達には無いほど、攻撃は苛烈を極めた。
すると、奥の方で何かが見えた?と思ったら、大狼が突撃してくる。
大きな口を開けて一撃をお見舞しようと突っ込んでくるが、ガトリングが足の傷の所に偶然当たり大きく転倒する。
余りにも近かくで転倒した為に大狼の体が僕に当たり、激しく吹っ飛ばされてしまった。
その影響か五芒星陣が消えてしまい炎の壁と結界が無くなり、僕らの防御は丸裸にされてしまう。
「いててて」
と言いながらも直ぐに防御態勢を取るし、腰にある借り物のレイピアを引き抜き臨戦態勢を整えた。
「ロビン、大狼を倒せ」
「それでないと、この戦いは終わらない」
「はい!」
僕と一緒に吹っ飛ばされた、ニコラスが大声で叫ぶ!
僕はこの声に力強く返事を返して大狼と対峙をした。
ニコラスは立ち上がる事が出来ないみたいで、ゴーレム達に守ってもらっている。
僕の背中はロックが守ってくれていた。
ニコラスが指示をしてくれたみたいだ、ありがたい。
此処からは、雑魚には目もくれないで大狼との戦いだ。
アドレナリンがでまくっているのか、体当たりを受けたはずだが何処にも痛みを感じない自分がいる。
「勝負!」
大声で再び恐怖を吹き飛ばすと、レイピアが炎をまとっていくと同時に赤色に盾が染まりチャージが完了し大狼にロックオンも完了した。
やはり本能が動物なので炎を見て身構えてくれたのだ。
ただ、乱戦なのは変わりが無いが、僕に攻撃が来ない様にニコラス達もけん制してくれている!
「あーたーれー!!!」
大声と気合と供に盾からチャージファイアーボール(ショットガンタイプ)を三連射で打ち出す。
10発のファイアーボールの三連射で僕の目の前は炎の壁みたいになるが、30発のファイアーボールが大狼の左右や上から、または真っ直ぐ、中にはジグザクの弾道で襲い掛かる。
大声に反応した大狼は回避を試みるも、ファイアーボールが追い駆けて来て、直撃を食らう。
また、回避が出来たとしても真横で爆発をしてダメージを食らいサンドバック状態と化してしまい、スキが生まれた。
「はっっ!」
僕は止めとばかりに、炎の剣で突きを繰り出した。
恐ろしい勢いで、炎の剣先が伸びて大狼を襲う。
「*{=)&$#"&」
大狼は何かを叫びながら大きく倒れた!
炎の突きが見事に大狼をとらえたのだ。
息はあるものの致命傷を与える事に成功したみたいだ。
「)'&%$#/*+」
「#$&'=~#$」
「)'&%(()'%」
配下の魔物達は、何事かを大声で叫びながら猛攻が此処から始まったのだ。
最後のご奉公とばかりに!
魔物達の数は多くないが、自らの命を顧みない猛攻に止めを刺せずに、逆に距離を取るしかなくなったが、大狼を守る魔物も満身創痍の二匹まで数を減らす。
<よし勝った!>
と心の中で思うのもつかの間、大狼の後方より新たな援軍が近づく土煙が見えた。
勝ったと思ってしまったが為に、反動も凄まじかった。
<まだ、続くのか?>
弱い心が顔を出す。
そう思ってしまうと、今まで痛くかなった体全体が悲鳴をあげ出した。
辛くも、盾を杖代わりにしながら立ってはいたが、心が折れてしまっては最早戦う事は不可能な事だ。
それに、頼みの綱の炎の壁と五芒星陣はもう無いのだから!
<もう、だめだ>
頭まで下を向いてしまい。
完全に心が折れてしまった。
「姫様、ここは一気に攻め込むと見せかけて時間話稼ぎます。賢狼様をお願いいたします」
「気を付けてください」
「お父様(大狼・賢狼)をここまで追い込む方達ですから」
「はっ、お任せください」
援軍の先頭を走る馬?
いや、角が有る。
先頭を走るユニコーンに語ると同時に、狼たちがスピードを上げ一斉にロビン達との距離を詰めだす。
「行くぞ!」
言葉と供に先程の狼達が牙をむく。
敵は首を垂れて、盾を杖代わりにして立っているがやっとの状態の人族と後ろでゴーレムに守られている魔人族だけだ。
新手の狼たちは、スピードを生かしてロビン達を取り囲む、何時でも攻撃できる体制を整えて!
そして、新手の狼達の後方で大きな魔力発動が感じられて、大狼が立ち上がるのが見えた。
それは、ロビン達を絶望の淵に落すのに十分であった。
つづく
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