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無事に入部?

目が覚めた時には救護室のベットで寝ていた。


「あっ、気付いた?」

「大丈夫?」


救護室の先生が訊ねてくれる。


「僕はどうして此処に?」


「イワン先生が担いで連れて来てくれたのよ」

「部室でいきなり倒れたって言って」

「君の叫び声は、ここに居ても悲鳴は聞こえてたから」

「本館でいた人は多分全員、君の悲鳴を聞いているわよ」


「うっ、恥ずかし~い」


顔が真っ赤なっていく。


「しかし、どうして倒れたか覚えいる?」


「はい」

「ゴーレム研の部室に入って、真っ暗の中に光った眼鏡だけが、こっちに近付いて来たから」

「オバケか何かと思って」


「あそこに入ったか、君チャレンジャーだね」

「イワン先生は、ゴーレムの事には詳しいんだけど、方向性がねぇ」


「方向性?」


「まぁ、そのうち分かるから」

「もう、体も頭も大丈夫そうね」

「でも、なんか遭ったら困るからもう少し、ここで休んでいきなさいね」


そう言うと先生は仕事にもどっていった。

僕はもう少し休んで家に帰ったのであった・・・




じぃぃぃぃぃぃ・・・・

じぃぃぃぃぃぃ・・・・

じぃぃぃぃぃぃ・・・・


家に帰って来てからのキャロラインの目線が痛い。

僕がキャロラインの方を向くと目が少し涙目である。


「ロビン、エリーナと付き合ってるの?」


目に涙をためて聞いてくる。


「何の話?」

「なぜ、エリーナと付き合うって?」


「だって休みの日にデートしてたでしょ」

「友達がカフェでお茶してるの見たって言ってたから」

「それに、今日も遅かったし・・・」


「それ、ダリアにも言われたよ」

「休みの日にたまたま、エリーナと偶然に会って小腹が空いていたからお茶でもて誘ったら、あのカフェに連れていかれたの」

「それと、今日帰りが遅かったのは、学校で気を失って救護室で寝てたからだし」

「ただ、それだけ」


「それだけ?」


「それだけ」


「でも、エリーナはカフェに誘っても、私は誘われたことない」


少し頬を膨らませて話してくる。


「だって、キャロライン今外出禁止中だし」


「そういう事じゃなくて」

「・・・・」

「・・・・」


恥じらって言葉にならない。


「じゃ、今度お茶しに行く?」


「うん」

「いっぱい、おごって貰うんだから」


あら、おごり確定?

まぁいいか。


「何時にしようか?」


「今から、今からがいい!」


キャロラインのかわいい我が儘である。

それを聞いていた兄弟子が止めに入ろうとしたのをキャロリーンが耳を引っ張り別の部屋に連れて行った。

僕にOKサインを出して。


「今からだと、ディナーだけどいい?」


「喜んで!」


キャロラインは満面の笑みで答えてくれる。

キャロラインご指定の人気店に連れていかれ、楽しい一時を過ごしたのであるが、財布の中身には非常に厳しいお店でもあった。


「狩に行こう」


と呟いてしまうほどに。

また、その現場も同級生に見られていて、次の日も女の子たちは話に花を咲かせていたのだった。



翌日の放課後、改めてイワン先生わ職員室で捕まえる事が出来た。

図書室まで来てもらい、新しいゴーレムの作り方の魔道書を読んでもらう。


「う~~ん」

「う~~ん」

「・・・・」


イワン先生は考え込んでしまった。

そこからしばらくしておもむろに。


「これ面白いですね」

「時間は掛かるかも知れませんが、おもしろい」

「可能性を秘めています」

「ただ、コアとかの素材が難しいですね」

「大きな魔石なんて、持っいる人が少ないうえにゴーレムの研究に使うなんて考えられないでしょうから」


「先生、魔石てこれで大丈夫ですかねぇ」


恐る恐る出してみる。

9センチの魔石である。


「すごいですね」

「こんなに大きな魔石を持っているなんて」

「これなら、多分大丈夫でしょう」

「じぁまずは、ゴーレム研に入部してもらいましょうか?」


魔道書を元の場所に戻し、部室へいく事に。

昨日の悪夢がよみがえりながら先生の後を付いて行った。


ガチャ!


今日は暗くなかった。

先生の後に続き部室に入ると、大小さまざまなゴーレムが並んでいる。

男性型1体と女性型5体が並び。

女性型にはメイド服にカツラ、化学(けしょう)までしている。

これは前世で言う、人形萌・メイド萌と言うやつか!

しかも、女性型のゴーレムにはボディーラインが表現されていて、ナイスバディからこれから要成長と思えるものまで存在していた。


これは、先生の趣味か???


僕はこれは別の意味でまずいと思う。

人間性を疑われたくない。


「先生、この話は無かった事に」

「では、失礼します」


「ちょっと待っ~~~て」


先生の止める声も聞かずに、速攻で部室から逃走を計ったのであった。




翌日、イワン先生は教室まで押しかけて来たぞ!


「ロビン君、君の誤解を解きたくてやって来ました」

「少しいいですか?」


一緒にいる、ドミニク、ダリア、エリーナは???になっていた。


「はい」


「昨日、ロビン君が見たゴーレムは、お客様からの注文なんです」

「ロビン君は、あれを見てあぶない人と思ったでしょう!」

「先生は少なくとも、誤解だけは解きたくて・・・」


「イワン先生、学校の先生がアルバイトって禁止されているのでは無いのですか?」


先生には?マークが付いている。


「何を言ってるんですか、いいに決まっているじゃないですか!」

「他の先生方も色々してますよ」


「えっ」


前世の記憶が足を引っ張る。


「失礼しましたー⤴︎」

「ただ、あのゴーレムはどんな方が注文したんですか?」


「あぁ、あの注文はカフェのオーナーからの依頼で、特殊なカフェを作りたいからと女性型ゴーレム作成の依頼があった訳です」

「また、今日か明日には取りに来ると連絡が来ています」

「見るのなら今の内ですよ」


「いや、いいです⤵」

「ただ、それが本当かどうか確認してから、入部を考えるので納品には立ち会わせて頂きます」


これが、先生の趣味なら僕の人間性か危ないから。


「じぁ、来たら呼びに来させますね」

「では、また」


少なくとも誤解は解けたと思い、帰っていくイワン先生。

この後、三人に質問攻めに合いました。




「トントン」


昼からの授業中にゴーレム(男性タイプ)が訪ねて来た。

当たり前の様にドアをノックしてから入ってきた。

動きは非常にスムーズだ。


「ロビン様、先生がお呼びです」

「部室までお越しください」


発音にも動きにも不自然さは無い。

これが先生のゴーレムか!

凄い!

これが正直な感想だ。

あとは、あれが趣味でなければ・・・


僕は先生に許可をもらいゴーレム研にむかった。


「今回ご依頼のゴーレムは5体」

「このように、完成しています」

「ご確認をお願いします」


先生の言葉にオーナーは1体づつ確認していく。


「素晴らしい出来ですね」

「さすがは、第一人者」

「これでお店がオープンできます」


「おぅ、来た来た」

「まってたよ、ロビン君」

「この方がご注文頂いたオーナーさん」

「先生の言ったっ通りだろう」


「はい、そうですね」

「失礼しました」

「オーナーさんにお伺いしたい事があるのですがいいですか?」


「何を聞きたいのかな?」


「このゴーレムを使ってカフェをされるとの事ですが本当ですか」

「また、なぜゴーレム何ですか?」


「最初の質問なんだけど、その通りカフェを開くよ」

「二つ目の質問だけど、ゴーレムの可能性を追って見たくてね」

「今回の事が上手く行ったら、先生の人型ゴーレムを他の仕事にも活用できないか考えていく予定なんだ」

「例えば、人では危険な場所の作業とかにね」


「そういう事だったんですか」

「あくまでもゴーレムの可能性を追って」


「でも、儲けが出ないと何も始まらないから、新しいカフェで実証実験するんだよ」

「また、色々な趣味の人もいるしね!」


この人は、どこをターゲットにしてゴーレムカフェを開くつもりだろう?

まぁ、そのうち噂話を聞くだろう。

あえて、質問はしない。


その後、先生とオーナーさんの話で、代金が当初の見積もりよりも値段が高くなって少しもめていたが丸く収まり取引終了であった。


「では先生、ありがとうございました」


そう言うとオーナーさんは女性型メイドゴーレムを引き連れて帰っていった。


「先生、聞いてもいいですか?」


先生は頷いてくれる。


「最後はなんで少し揉めていたんですか?」


「あぁ、あれね」

「正直に言うと、見積りより高くなってしまってね」

「ちょっと人型を負い過ぎたから、物入りになってね」

「ただ、今回は良い勉強になりました」

「ゴーレムに私達との生活の中で自然とした動きをさせる事が出来たので今後の可能性が広がりました」

「また、課題も見つかりその為に研究していきますよ」

「君も一緒にね!」


「はい、よろしくお願いします」


会話の中で入部が確定したが、まぁいいかと思えた。

あれが趣味では無かったので!


「これは良い流れですよ」

「頑張って部員を増やせるかも!」


先生がおかしな事を・・・

部員が増やせるかも?

???


「先生、ちなみに他の部員は?」


「・・・」

「・・・」


何とも言えない空気が流れる・・・


「君だけです」

「でも、退部は無しですからね」

「君には、頑張ってもらいます!」


「そんな~~~~!」


思わず叫んでしまうのであった。



つづく








最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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