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討伐の後の日常2

やっと休日が来た。

待ちに待った、冒険者ギルドに魔石を取りに行く行ける日だ。

ただ、今日は一人きりだ。

いつもはキャロラインと一緒なのだが、先日の件から外出はキャロリーンと一緒でないと駄目になり、また、放課後も急いで自宅に帰る日々が続く。

兄弟子とジャックは三日間仕事or学校を休み、復帰したばかりだった。


「こんにちはー」


元気よく冒険者ギルドに入っていく。

買い取りカウンターに行き、先日お願いした件を伝えて担当者を待つ。


「おう、待たせたな」

「坊主が狩って来た魔物はこれだけで間違いないな!」


確認の為リストを差し出された。


「はい」


「買い取り価格だが」

「大蛇が状態も良かったので金貨5枚、オーク3頭で金貨3枚、猪5頭金貨2枚と銀貨5枚、あとアライグマ2頭で銀貨6枚」


「あと解体利料が銀貨5枚だが、今回はサービスだ」

「次回も状態の良い魔物待ってるからな!」

「まだあるぞ、魔石だ」

「これが大蛇の分で9センチが1個とオークと猪の分で3センチぐらいが8個」

「残念ながらアライグマには無かった」


「なぁ、坊主」

「9センチの魔石をギルドに売らないか?」

「金貨10枚で買い取るぞ!」


「無理無理無理です」


首を振りながら連呼する。


「仕方ないか」

「合計で金貨11枚と銀貨1枚だ」

「確認してくれ」

「それと、魔石の数もな!」


「はい、確かに」

「ありがとうございました」


「おぅよ」

「また、待ってるから、状態の良い魔物期待してるぜ」


お礼を言うとギルドを後にする、コアになる素材は手に入った。

次はゴーレムと相性の良い土だな。

そんな事を思いながら、町のお店を回り良い物は無いかと見て回っている。


ちなみに、両士団と討伐した大虎の魔物の魔石は僕が持ている。

討伐時に一番活躍した者に所有権が有ると言う暗黙のルールが両士団には存在していて、僕が貰う事になったのだ。

魔石の大きさは24センチ超特大クラスさすがSレアクラスの魔物だ。

魔物のクラス判定は取り出した魔石の大きさで決まっている。


Sクラスは13センチ以上

Aクラスは11センチから13センチ

Bクラスは9センチから11センチ

Cクラスは7センチから9センチ

Dクラスは5センチから7センチ

Eクラスは3センチから5センチ

Fクラスは3センチまで


以上の様に決まっている。

ただ、統計で大体この魔物はこのクラスが多いと分かっているので、ハンターランクと照らし合わせながら依頼を受けている。

ただ、殿下(せんぱい)達と狩りに行った時は猪の魔物3頭の狩猟なのだが、騎士二人が付いてくれていたので受ける事が出来たのだ。

僕は勝手に狩ってしまっていたが・・・

ちなみに僕はFランクの冒険者でもあります。

依頼を受けたのが、商隊の護衛だけだから仕方がない。

依頼を受けることは出来ないが、勝手に狩ってくるのはOKで、今回は偶然に?瀕死の状態ですべての魔物に出会った事になっているからセーフで、皆分かっているが、あえて言わないだけである。


そんなこんなで、町で掘り出し物を探していると。


「ヤッホー」

「一人?奥さんは?」


エリーナだ。


「一人だよ」

「奥さんも、恋人もいないからね」


「うっそだ~~」

「余りにも堂々としているから誰も疑問を持たないだけで、キャロラインは君の彼女と皆が思っているよ」

「だから、超優良物件の君に誰もアタックをしないし、キャロラインも男子の中ではかなりの人気者なのに浮いた話一つも無いのは、君と付き合ってると思われているからだよ」


「彼女には良くして貰っているよ」

「田舎から出てきて、町の事や色々な事を教えてくれるから助かっている」

「しかし、彼女に手を出そうものなら兄弟子に殺されるから!」

「絶対にそれは無い」


まだ死にたくないからと心の中で叫んでいる。


「君はそうかも知れないけど、彼女はどうかしら」


「えっ」


「まぁ、こんな話はもう止めまょう」

「それで、何かしていたの?」


「掘り出し物が無いか探していたんだよ」

「今、僕ゴーレムが作って見たくてね」


「だったら、魔道科の先生でゴーレムに詳しい先生がいたと思うから聞いてみたら?」

「たしか、Eクラスの担任の先生だったと思う」

「名前までは思い出せないけど」


「ありがとう、今度学校で聞いてみるよ」

「ところでエリーナは何をしていたの?」


「暇だから、ぶらぶらとね」


「暇?」


「ヒマ!」


「じゃあ付き合って、お茶でもしよう」

「僕のおごりで!」


おごりの言葉に異様に反応する!

その辺のカフェででもと思っていたら、エリーナに引っ張っていかれ王都一番人気(一番高い?)のお店に連れてこられた。

流石は女の子、おいしいお店に(おごりの時には)妥協は無い。

前世では、女の子と街中のカフェで過ごす事なんて無かったから非常に新鮮な体験だった。




翌日の学校では、噂話が飛び交った。

それを教えてくれたのはダリアだった。


「ねぇ、ロビン」

「キャロラインからエリーナに乗り換えたってホント?」


「はぁ?」


???で返事をする。


「昨日、街中のカフェでデートしていたって目撃者が言ってるけど」

「本当?」


「あぁ、あれか」

「昨日、偶然街中でエリーナと会ってカフェでお茶しただけだけど」

「それが何か?」


「あの店、おいしくて人気のお店だけど、値段もお高いから本命しか連れて行かないカフェなの」

「そのお店にエリーナと行ったから、彼女が変わったと噂話で大盛り上がりなの」

「君を彼氏にしたいって女の子はたくさんいるから」

「それと同じく、キャロラインも男子から人気があるの」

「だからなの」


「確かに、値段は高かったが、財布の中身も素材の買い取りで温かかったし一つも問題なしだろう」

「ちなみに、こんなさえない男とカフェでお茶してくれるエリーナにはクラスメイトとして感謝しているよ」

「エリーナにも言われたけど、僕ってキャロラインと付き合ってる事になってるの???」


「当たり前でしょ!!!」

「これだけ堂々と一緒にいてこれで付き合っていないなんて考えられないは」


少し興奮気味にダリアが話す。


「ダリア、これはエリーナにも言ったんだが、僕には彼女はいないし作る予定も無い」

「そして、キャロラインにはお世話になっているが、キャロラインを彼女にする事は僕に死ねと言っている事と同じだよ」

「娘を溺愛している兄弟子が、娘に彼氏が出来たって聞いたらどんな行動をとるか想像できるだろう」

「夜中に寝首を取られるだけだよ」


震えながら言う。


「彼女のお父さんて、魔道士団団員だったよね」


「ただ、正直に言うと魅力的な女の子とは思うけど」

「今はそれぐらい」

「それに、彼女にも負けないくらいの魅力的な女の子はこのクラスに2人もいるしね」


「じゃダリア、今度お茶する?」


「あなた、本当に付き合ってないんだ」


「そう言っただろ」


「これから、争奪戦の勃発ね」

「ちなみに、お茶はおごり?」


争奪戦???

勃発???


「もちろん!」


「今度の休みの日にでも連れて行ってくれる?」


「OK」

「休みの日を楽しみにしているよ」


そう言ってこの話を切り上げて、僕は職員室に向かう。

ゴーレムに詳しい先生の話を聞く為に。


「ラファエル先生、ゴーレムに詳しい先生っていらっしゃいますか?」


「あぁ、イワン先生だな」

「今はいないから、多分ゴーレム研の部室にいると思う」


「ありがとうございます」


そう言うと、本館2階のゴーレム研部室に向かう。

入口に立つと、フッフッフッと何か不気味な声が聞こえてくるが、話を聞く為には入らない訳には行かない。


「失礼します」


勇気?を持って入室するも真っ暗でドアからの明かりしかない。

ドアが閉まると真っ暗になり、真っ暗の中に眼鏡だけが光って浮いている。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


僕はそれを見て大声を出し失神したのであった。





つづく

















最後まで読んで頂いてありがとうございます。

評価、ブックマークを頂けたら幸いです。

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