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一枚の書類と討伐組と

今、選抜模擬戦の待合室で待機しています。


ドアの開く音と供に先生方が入って来た。


「皆さん、揃っていますね」

「では、始めに選抜模擬戦と言っていましたが、選抜方法が変更されたので10分後に、大会議室に集合してください」

「その時に皆さんの決意を表してもらいます」

「では、解散!」


先生方の発言に?となる生徒達、そう言いながら全員で大会議室に移動した。


「では、今からこの書類を配ります」

「これを読んで、覚悟の出来た人のみサインをして提出してください」


配られた書類とは、誓約書であった。

内容は簡単に説明すると、命を落とす危険が高い事、軍属となるので命令は絶対である事、自らが志願した事、後は軍規に従う事である。


この書類を見て、静まり返る生徒達。

簡単に考えて選抜模擬戦に応募した者が多数であった。

僕はサラサラとサインをして先生に提出する。

回りの目線が痛い。

目立ちたがり屋が、年下のくせにとか目線で訴えているが関係ない。

ジャックに至ってっは、此方を見る余裕もない。


「では、隣の小会議場で待機していてくれ」


小会議場にて待つ事5分。

次の志願者が入って来た。


殿下(せんぱい)、志願されたのですね」


殿下(せんぱい)と側近達4人が入室して来た。


「あぁ、1回生が志願したのに、上級生でしかもこの国の事に責任を持たなければならない自分が志願しない訳には行かない」

「ただ、回りを巻き込んでしまったがな」


いえいえと首を振る側近(せんぱい)達。


殿下(せんぱい)すいません」

「僕、この書類書かなくても、討伐組なんです」


「えっ???」


殿下(せんぱい)はご存じ無かったのですね、僕は魔道士団に仮入隊しているんです」

「ですから、今回の話があった時には覚悟が出来ていたんです」

「それに、魔物を狩った事も有るので、躊躇なくサインが出来たんです」


「仮入団、魔物を狩った?????」


先輩方全員に?が付いている。

あれ、みんなは魔物を狩った事が無いのかな?

あれ~~~ぇ?


殿下達(せんぱいたち)は魔物を狩った事は・・・」


全員が首を振る。


「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」


固まってしまった。

魔物を狩った事の無い生徒が、派遣軍に大打撃を与える事の出来る魔物相手に戦おうとする事がどれほど無謀であることかを。

だから、誓約書を見てびびったのか?

そして、先生方も今回の対応になった訳だ。


「では、対魔物の対策は?」


「授業でやった事位だ」

「あと、こう立ち回るとか、対応の仕方だけだな」


殿下達(せんぱいたち)の言葉にこれで遠征?

やばくねぇ。

声には出来ない、心の中で叫んでしまう。


「ロビンはどんな魔物を倒したのだ」


側近の先輩の質問だ。


「はい、猪、狼、熊、オーク、ヘビ、カバですかね」

「田舎の山には、これ位の種類の魔物が出没してましたから」


「苦戦はした?」

「何歳で?」

「対策は?」


質問が矢継ぎ早に来る。


「苦戦はしませんでした」

「初めては11歳でした」

「相手の強い所と弱い所の把握ですかね」

「今までの経験では、魔物になった動物は、凶暴性が上がり、攻撃力。防御力が2.3倍に膨れ上がる事です」

「それを考えて、どう立ち回るかです」


「その話をもっと聞かせてくれ」


誓約書にサインをした先輩たちが部屋に入って来た。

校内ランキング1位のアンディ先輩と3位のミロシュ先輩である。


「はい」

「魔物相手では一人で討伐するのではなくパーティーで討伐していきましょう」

「出発したら、魔物との遭遇が在るでしょうから、戦いながら経験を積みましょう」



「皆居るか」


先生が入って来た。


「今回の選抜メンバーはこの8人に決まった」

「明日、両士団と合流して出発をする」

「各自、遠征の準備をして明日の朝、この場所に集合する事」

「以上、解散!」


僕達は明日の準備の為下校して、準備にかかった。


「さぁ、食料の買い出しといこう」


日持ちのする食料と、綺麗な水を大量に準備をする。

後は、野営対策を念入りに準備をする。

回復薬などは高価過ぎて、自分では用意できなかった。

まぁ、士団で用意しているだろう。




そんなこんなで翌日の小会議室(しゅうごうばしょ)


「みんな揃っているな」


魔道科のメンバーは、ランク1位 アンディ

          ランク3位 ミロシュ

          ランク5位 クロヴィス

          ランク9位 カチャノフ

          ランク10位 ガエル

          ランク13位 レオナルド

          ランク14位 クエバス

          ランク外   ロビン

と騎士科のメンバー5人である。

騎士科の先輩は初めて会って、顔と名前が一致しない、これから覚えていこう。

学校の指揮官(いんそつ)の先生は、ラファエル先生(魔道科)とジミー先生(騎士科)である。

早速、両士団と合流する為に馬車で学校を出発する。

先輩方が僕を見ながら、何か言いたそうである。


「ロビン、荷物はどうした?」


レオナルド先輩が聞いて来た。

僕は盾と(レイピア)のいつもと同じ格好だからだ。

他の先輩方は、遠征用の荷物をリュックに入れて持ってきているからだ。


「荷物ですか?」

「これに入れています」


先輩達からは死角になっているが、分かる様にアイテムポーチを見せる。


「あっ、その手があった」


魔道科の先輩達は全員貴族でお金持ち?だから、家にアイテムポーチを持っている人がいたのだろう。

特に殿下(せんぱい)は。

皆、几帳面に荷物を精査して持って来たみたいだ。


「今度の時には、そうしよう」


1人の先輩の言葉に、頷く先輩方。

皆さんお金持ちなんですね。

僕は羨ましいです(笑い)


こんな話をしていると、集合場所に到着。


直ぐに、両士団より話がある。

急いで整列をする、勿論一番後ろだ。


「討伐対象との接触は3日後を予定している」

「長々とした話はしたくない」

「目的は2つ」

「全員の無事生還」

「もう一つは魔物の討伐だ」


「全員、気を引き締めていくぞ」

「では、出発」


僕は、馬車に乗り込む前のロイ魔道士団長を捕まえてる。


「士団長少しいいですか?」


「手短に頼む」


「はい」

「今回の討伐に参加している、魔道科の生徒には魔物を狩った経験者がいないので、目的地に着く前に出会った時には、僕達に狩をさせて頂けませんか?」


「えっ、ロビンもか?」


「いいえ、僕以外です」


「分かった、考えておこう」


「お願いします」


士団長にお願いして、馬車に乗りに行く。


「ロビン、魔道士団長に何か用事か?」


クエバス先輩が聞いて来た。


「いぇ、お願いに行っていました」

「道中で魔物に出会ったら、僕達に狩をさせてほしいと」


「それは、どういう事?」


「はい、魔物の討伐経験が有るのと無いのとでは、雲泥の違いが出てくるからです」

「生死に係わる事なので、本命の前に一体でも多く狩をして経験してもらいたいのです」


「そうか、皆の為に気を使ってくれてありがとう」


代表して、アンディ先輩がお礼を言ってくれる。

首をプルプルと振りながら、お礼を言われる事はしていないと言いこの話を終わらす。


「では、出発!」


近衛騎士団長スタンの号令の元、一行は魔物の討伐に出発したのであった。



つづく
















最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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