王城で後日談と・・・
僕とドミニクは今、殿下と一緒に馬車に乗っている。
あれの決闘から1週間立っていた。
殿下と一緒に王宮に出頭だ。
翌日に、王宮より○月○日に王宮に出頭せよと、使者が来たからだ。
「緊張する」
ドミニクの言葉にうなずく僕。
「大丈夫だ」
「今回の決闘の事後処理だけだから」
「それと、ロビンを男爵に任命するだけだから」
「殿下その事で、相談が有るのです」
「フランク元男爵より受け取る全てを、王様にお返ししたいのですが」
「おい、それ勿体無い」
ドミニクが素早く反応する。
「理由は聞いても良いかな?」
「はい」
「僕は別に決闘を止めさせたかったので、無茶な条件を付けただけで」
「貴族にも成りたくないし、領地や金銀財宝が欲しいわけでもないのです」
「ただ、平民を馬鹿にした、男爵が許せなかっただけなので」
「すべてをお渡ししたいのです」
「それと、平民に落ちた元男爵に生活をする為に年金の支給をお願いできたら幸いです」
「お前、人が良すぎ」
ドミニクの言葉に、頷く殿下。
「ただ、平民に落ちたからには、働かなければ食べて行けないので、少しだけ生活を楽にしてやってください」
「では、この事は王様に直接お話しをして、ご判断を仰いだ方が好いだろう」
「お前、欲が無いのか?」
「今でも、十分恵まれているから」
前世では病気で死んだから、自由で健康の体が有るだけでも幸せを感じているのに、それ以上は罰が当たると思うロビンがいる。
そんな話をしていると王宮に到着してすぐさま謁見だ。
片膝をつき、首を垂れ王様の入室を待っていた。
喉から心臓が出そうなほど、ガチガチの緊張をしている。
右も左もわからない状態だ。
ただ、僕の左側には、元男爵も呼ばれていて王様の入室を同じように待っていた。
ただ、此方を睨みつけながら!
バタン!
ドアが開くと供に、側近の者を連れて王様が部屋へ入って来た。
僕は更に頭を低くして言葉を待った。
「面を上げよ」
「今日は先日の決闘の件で来てもらった」
「ロビンが勝った時には、爵位・領地・財産の譲渡が条件で、見事に勝った」
「相違ないな」
「はい」
側近の者の問いかけに返事を返す。
「それは、そうですが」
元男爵が発言をする。
その後はスッぺラコッぺラ発言を繰り返し。
自分は被害者で、だまされたとか、陥れられたとか。
平民の言葉など聞く事は無いとか、決闘で不正があったとか。
言いたい放題言い放った。
意地でも平民になりたくない一心だが見苦しい事この上なかった。
「気は済んだか」
「では、元男爵いや平民のフランクの退出を命ずる」
王様の言葉に、愕然としながら兵士たちに連れられて、退出していった。
「では、ロビンには男爵として、領地、財産の継承をみとめよう」
「それで良いか」
「国王陛下に申し上げます」
「僕には、この度手に入れる爵位・領地・財産を陛下にお返ししたいと思います」
「自分には過ぎた物です」
「この願いお聞き入れ頂けないでしょうか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
王様に側近たちが言葉を失い、目が点になっている。
この返答は予想外だったからだ。
「それと、もう一つ平民のフランクに年金と言う形で、生活を助けて頂けないでしょうか?」
あぁ、言っちゃったとドミニクは顔に描いている。
殿下もおんなじ顔をしている。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
びっくりして考え込んでしまう、国王様と側近達。
側近が陛下に耳打ちをして陛下が頷いている。
何か決まったみたいだ。
「では、ロビンこの度の功績を称え、金一封を与える」
「はっ、謹んでお受けいたします」
良かった、貴族に成らずに済んだ!
心の中で喜びながら、金一封を受け取る。
「それとドミニク」
王様からのお言葉に、顔が緊張する
「友の為、決闘の手助けに駆けつけるとは大した奴じゃ」
「金一封持って功績を称える」
「ありがたき幸せ」
「謹んでお受けいたします」
大喜びの顔で褒美を受け取るドミニク。
ウキウキであろう。
「フランクについては、こちらで考えよう」
「では、二人ともご苦労であった」
その言葉と供に退室して行く、王様と側近達を見送りやっとホット出来た。
「終わったーぁ!」
2人は思わず叫んでいる。
フフフと笑いながら、近付いて来て。
「2人とも、移動して一服しようか?」
「ハイ」
「はい」
殿下の私室に移動して、お茶をしていると王宮が騒がしくなって来た。
すぐに、殿下は陛下に呼ばれて部屋を出て行った。
帰ってきて状況を説明くれる。
「魔物達の討伐に軍が失敗したみたいだ」
「全滅ではないみたいだが、かなりの被害いらしい」
「問題は此処からだ、陛下は動員できる兵士と魔道士を動員いているから余力は無い、次の討伐隊は両士団と学生選抜の小数精鋭になる」
「先発隊より、更に厳しい戦いなる事が予想される、まずい事になった」
「2人共、すまないが今の話は正式発表があるまで、秘密にしてくれ」
2人はうなずいて王宮を後にした。
翌日、学校では昨日話しが先生方から有り選抜隊が編成される事が発表された。
「ねぇ、ロビン君」
「選抜隊に志願するの?」
エリーナとダリアが聞いて来た。
「あっ、僕は参加確定だから」
「言ってなかっと思うけど、魔道士団に仮入団してるから最初から討伐組だから」
「えぇ〜ぇ」
「本当に」
「ロビンまじか、みんなが憧れる魔導士団にか?」
「まじか~~」
三人は呆れてしまっている。
「なぁ、ロビン」
「お前は、一体何者なんだ!」
「ただの、田舎者のはずなんだが」
「巻き込まれていたら、こうなった」
「しかし選抜隊には、志願してもらいますよ」
「選抜隊に入るために、上級生達と戦って実力で勝ち取ってください」
先生が会話に入って来た。
「明日には、選考模擬戦を開始します」
「今日中に参加申請して下さいね」
みんなが頷く。
「では、授業を始めるぞ」
授業が始まっても、心此処にあらずで明日の事ばかり考えてしまうのであった。
つづく
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
評価、ブックマークを頂けたら幸いです。




