召喚されて・・・
「来たれ、我が魔道を引き継ぐものよ」
魔法陣が光り輝く。
その後、魔法陣の中心には一人の赤ちゃんいた。
召喚の儀式で召喚されたのは赤ん坊の僕だった。
この時、召喚されて影響で俺は前世の記憶を思い出した。
名前は佐藤太郎、日本でも一番平凡な名前であろう。
前世の出身地は関西のおまけである。
高校生の時に病気になり、天寿を全うしたはずだったが。
速攻生まれ変わったなんて、しかも異世界召喚なんて!
キタ―――!
俺はこの世界で人生をもう一度初めからやり直すぜ。
ただ、全く何もできない。
動けないし、言葉もしゃべれない。
ここは、地道に努力して行こう。
こうして、俺を召喚してくれた魔女のマーサと俺の奇妙な生活が始まるのであった。
マーサは俺に、ロビンと名前を付けてくれて大切に育ててくれた。
母であり剣と魔道の師匠であり、学校の先生であり読み書きまでバッチリ仕込まれたのである。
正直に言うと、イエスかハイしか選択肢は無かったのである。
マーサはおばあちゃんのはずなのに、元気過ぎて困る。
子供の俺では付いて行けない。
これで年を取ったと話をするから、若いころは周りの人々にさぞかし迷惑をかけた事だろう。
こんな生活が続き10年後・・・
山の奥にマーサと二人暮らしではあったが寂しくはなかった。
マーサの使い魔達と遊んだり、森の中を探検したり、マーサーに魔術や剣術を教えてもらったり、たまに、近くの村まで買い出しなどに出かけながら健やかに育っているのだ。
「ロビン、ここにおいで」
駆けてくるロビン。
「マーサどうしたの」
今日は少し悩んでいたみたいだった。
「ロビン、私ももう齢だ」
「ロビンに私の研究して来た魔道具を引き継いでもらいたい」
「いいかい」
物静かだが、真剣に語り掛けてくる。
ただ、年寄りの概念はマーサには当たらないと思う。
「いいよ」
やったーいよいよか!
簡単に返事をするが、子供なのでどんなことをするか解っていない。
「じゃあ、私の横に来てくれるかい」
覚悟を決めたみたいに話す。
「うん、わかった」
無邪気に答える僕。
目を瞑るマーサ。
マーサと同じように瞼を閉じた。
「*************」
魔法陣発動の詠唱をする。
すると、マーサと僕の前に魔法陣が発動し赤く光り輝く。
「うわぁぁぁぁぁぁ」
びっくりして声を上げてしまう僕。
魔法陣の中から何かが召喚されていく。
そこには盾が召喚されていた。
長さは150センチくらいで幅が一番長いところで80センチぐらいある六角形の盾であった。
「これがオリハルコンと同系金属のヒヒイロカネで出来た盾だ」
「これをもらってほしい」
「これが私の魔導士としての研究結果だよ」
「もう二度と作れないけどね」
「こいつとロビンは相性が良いから使いこなせるだろう」
胸を張って説明するマーサ。
何が何やら、全く解っていない僕がいた。
「ロビンおいで」
盾に近付き、僕を呼ぶ。
盾の真ん中に手を置くように言うと。
「**********」
マーサは呪文の詠唱をすると、盾の中心に魔法陣が現れ、僕と盾を繋げたみたいだった。
「ふぅ、これだ終わりだよ」
「もう、この盾はロビン専用だよ」
「他の人が使っても、ただの重くて大きい盾としか使えないが、ロビンが使う場合はすごい力を発揮することだろう」
満足げに説明をしてくれる。
説明を聞きながら盾を見つめている僕。
「持ってもいい」
興味津々に聞く。
「ああいいよ」
返事が返ってくるのを待たずに盾を持って見る。
「軽い、軽い」
僕の背丈より大きい盾なのに、両手で楽々持ち上がった。
片手では、盾が大きすぎて持て余すが、両手ではしっかりと扱えた。
嬉しそうにはしゃいでいると。
「ロビン盾の前側の真ん中を見てごらん」
「何か見えるかい」
のぞき込む僕。
「魔法陣が見える」
うんうんと頷きながら。
「その魔法陣はお前と盾を繋ぐものだから覚えておくんだよ」
「また、ロビンが盾に魔力を込めると攻撃系魔法が打てるから、使い方には気を付けるんだよ」
「炎系の魔法が得意なロビンとは、相性がいいから、早く使いこなせる様になるんだよ」
「はい」
マーサの言葉に元気に答えるロビンがいた。
早速、盾を使って魔法を使ってみるとすごかった。
勿論、マーサの指導のもとだが。
「ファイアーボール!」
盾の魔法陣からファイアーボールが撃ち出される。
威力、射程距離、大きさが3倍ぐらい凄くなっていた。
目標物が木っ端微塵になっている、今まででは考えられない威力だ。
2発目を撃っても先程と同じぐらいのファイアーボールが撃てた。
「うん、やっぱりね」
「ロビンと盾の合性はばっちりだね、盾が魔法の増幅装置も兼ねているみたいだね~」
「私では増幅されなかったから、うらやましいねぇ」
「マーサありがとう」
「僕、頑張って盾が使えるようになるから」
嬉しそうに僕の頭をなでるマーサがいた。
◇◇◇
そんなこんなで1年後・・・
ロビンも11才になり体も大きくなり盾と変わらない位の背丈で体力と魔力もこの一年で大幅に伸びた。
これもマーサの指導(盾)のおかげであった。
「ロビン、今日は遠出をするよ」
「剣も盾もだいぶ使えるようになったから」
「魔物退治と行くよ」
「うん、わかった、用意してくるね」
返事よく準備に入った。
ただし、お昼の準備だった。
気分は、遠足である。
「マーサどこまで行くの」
マーサの後を付いて行きながら訊ねるロビン。
勿論、背中に盾を担ぎ、腰にはレイピアを差している。
マーサは魔法道具の杖だけである。
「山を二つ越えたところだよ」
「そこまで行くと、魔物がいるからね」
「じゃあ、頑張って付いて行くね」
マーサの足取りは軽く60才位のお婆さんには見えない健脚だ。
僕では付いて行くのがやっとである。
頑張って付いて行き二つ山を越えたところでマーサは立ち止まった。
「ロビン大丈夫かい」
「マーサ、少し疲れたよ」
「じゃあ、お水を飲んで少し休もうかい」
「うん」
ここからは、マーサの言っていた魔物がいる場所だ。
今から、初めて魔物との戦いだ!
少し休んだ後。
「ロビン、おいで」
「ここから、魔物がどこにいるか分かるかい」
当たりを観察して、少し経つと魔力の流れが違う場所を見つけ出した。
「マーサ、いたよ」
「向かいの山の中腹、あの辺りだよ」
指で場所を差しながらマーサに答える。
「良く見つけたね」
「私が今から手本を見せるから、よく見ておきなさい」
「マーサ、僕にやらせて」
マーサの言葉が終わる前に自分がやるといいだす。
マーサは少し考えてまあいいかと思い伝える。
「ロビン気を付けるんだよ」
「うん」
「でも、近づかないから大丈夫だよ」
マーサは???になりながら。
「じゃあ頑張って見な」
「うん」
そう言いながら右手の親指を立てている。
答えて、ここで戦闘態勢に入った。
盾を地面に立てて、しっかりと持ち集中して魔力を込めていく。
盾の色が少しづつ赤色に染まっていく。
盾の色がオレンジ色位になって来た。
魔物の位置を再確認をして。
「いけ~、ヘルフレイムキャノン!」
ロビンの掛け声とともに、盾の魔法陣から恐ろしく圧縮されたファイアーボールが撃ちだされた。
魔物を目掛けて恐ろしく高密度のファイアーボールが向かっている。
この技は、前世の異世界冒険物の知識を思い出し使ってみた。
マーサは目が点になっている。
なんて高密度のファイアーボールを撃ったことか。
この子はなんてことを考えるのかと。
魔物を見てみると流石に気付き、10メーター位回避したが無駄であった。
「どっご~ん」
さっきまで魔物のいた場所に着弾して、恐ろしいぐらいの着弾音とともに着弾地点から半径100メーター位が火の海と化したのだ。
してやったりのロビン!
頭を抱えるマーサ!
炎が収まると辺りは消し炭しか残っていなかった。
「マーサ見てくれた」
「上手い事、魔物を倒したよ」
ほめてほめてのロビン。
「ロビン、やり過ぎだよ」
「魔物一匹倒すのに、山の木を全部燃やすつもりかい」
「だって、この方法が一番危なくないんだ」
「マーサは僕がケガをしたら心配するだろう」
「だから、ヘルフレイムキャノンを試してみたの」
「初めてだけど、上手くいったね」
「ロビン初めてかい」
「本当にもう」
呆れながら、頭をなでてくれる。
どうも、予想の斜め上を行ったみたいだ。
目的は終わったが、このままでは帰れないみたいで、マーサとロビンは着弾点に向かい、改めて、ヘルフレイムキャノンの威力を再認識していると。
「ロビン、よく見ておくんだよ」
マーサは僕に伝えると魔法陣を書き始めた、すごく複雑な魔法陣で、マーサも集中している。
「良しできた」
「************」
マーサは呪文を詠唱し魔法陣を発動させる。
すると、僕が燃やしたところに全体に回復魔法を掛けたのだ。
土が、草が、木が回復していく。
完全に回復は出来ないが、草木も生えない場所はまずいので森の力を回復させたのだった。
「魔法を正しく覚えるとこんな事も出来るから、覚えておくんだよ」
「うん」
素直に答えて、マーサと供に家路に着いたのであった。
つづく
素人の投稿作品です。
暖かく見守って頂けたら幸いです。