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第47話.合図

自爆により、死亡してしまった隊長達の姿は跡形もない。


砂煙が風により去り、地面にポツンと残った赤金(アカガネ)を拾い上げたシュカさんは、残り5匹となったダイヤモンドキメラを見つめた。


『ん?4区のイケメンくぅん。次は君かなぁ~?君、3番持ちなんだってねぇ~?』


赤金(アカガネ)を上下に素早く振り、ピッピッと刀についた血を地面に飛ばしたシュカさんを見て、久遠が へぇ… と呟いた。


「銃が得意とか言っとったけど、あいつアレ、かなり刀扱えるやん。」

「そうなの?そいえば、銃とか道具使うのって、本当に得意な戦闘タイプを隠す為とか言ってたよねギンが。」

「姑息なのね。そして、知能はそこそこなのよね。」

「…そこそこでも、間違いなくお前よりは頭いいからね。シュカさん。」

「どこが!?」

「うん。全部かな。」


どこが!? と聞く時点で、すでにもう馬鹿だという事に気付かないんだもんな。


ナッツとリンクしているダイヤモンドキメラに向かってスタスタと歩いて行くシュカさん。


『次は、君が一緒に爆発するのかなぁ~?』


「それは困りますね。僕の顔に傷がついたら泣いてしまう女性がたくさんおりますから。」


あ、ダメだ。

あいつもダメだ。


ギンに《モテない》ってデータで言われた事忘れちゃってるよ。

初めて見ちゃった。本物のナルシストだ。


ナッツがリンクしたダイヤモンドキメラの前まで歩き着いたシュカさんを見て、キメラはニヤァッ と笑った。

ダイヤモンドキメラの体が淡く光始める。


ー……自爆する…!!


思わず声をあげそうになったその時、地面に何かが落ちる音がした。


ゴトンッ という鈍い音と、カンッ という軽快な音の2つだ。


そして、ダイヤモンドキメラの体から出ていた光が消えていった。


『……なんだぁ~…?』


ナッツがリンクしているダイヤモンドキメラが首を傾げたが、俺も首を傾げた。

ダイヤモンドキメラの足元を良く見ると、30cm程の大きさであろう四角い物体と、赤金(アカガネ)の鞘が落ちている。

シュカさんの手元を見ると、鞘から抜かれた赤金(アカガネ)から赤い雫がポタポタと垂れていた。


「…えっ…!?シュカさんいつ抜刀したの!?」

「へぇ…。早いなぁ。」

「鞘が地面に落ちる時には、もうお目当ての物は切り出しちゃったって感じね。」


俺の質問に、ノアはキメラの足元に転がっている四角い物体を指差した。


「あれ、自爆用の爆弾よ。」

「綺麗に抜いとるからなぁ。キメラも死にはせんやろな。生かしとくキメラはアレに決めたって事なんかな。」


生かしとくキメラ。


ナッツがダイヤモンドキメラにリンクして戦場を見る為には、ダイヤモンドキメラを6体全部殺す訳にはいかないのだ。


リンク出来なくなれば、状況がわからない為 ナッツは仕方なく正門前まで出て来てしまうだろう。

そうなれば、ダイヤモンドキメラを6体も倒された戦場に 5番のじゅんだって行かない訳が無い。

つまり、ナッツとじゅんが2人揃って出て来てしまう。


この2人を分断させたいこちらとしては、数匹のダイヤモンドキメラをわざと残しながら戦う予定だったのだが、キメラの自爆は予想外だった。


1匹は自爆用の爆弾を外したとはいっても、残り4匹にはまだ付いている可能性がある。

出来ればあと2匹くらいは殺して、計3匹くらいをナッツのリンク用に自爆不可能にして残したい。


そんな難易度の高い事を要求してしまうのは、あまりに酷だろうか…。


すると、シュカさんは取り出した四角い物体を刀でぶっ刺して持ち上げた。


爆発したらどーすんだ!!? と 少し焦ったが、さすがは頭脳派集団のナンバー3か。

すでにあの爆発物の構造はわかっているのだろう。


「あぁ……。これはいい。良い合図になりそうです。」


シュカさんはそう言って刀を上に振り上げ、爆発物を空高く放り投げた。

宙を舞う爆発物に、赤い一筋の線が当たっている。

レールガンだ。

シュカさんがレールガンで爆発物に照準を当てており、そのまま引き金を引くと、空高く舞っていた爆発物は 物凄い勢いで大爆発を起こした。


物凄い突風を受けながら、爆発の真下にいるシュカさんを見ると、シュカさんはこちらを見て頭をペコリと下げた。


『ー……どうか、ご無事で。』



もしかしたら、これからじゅんと戦うことになるかもしれないって時に、俺の心配までしてる場合じゃないのになぁ。


「いちはん、あれは合図やろ?行くで」

「あっ……、うん。」


俺は久遠に続いて、三角に開けた穴から中に入ろうとしたが、ふいに振り向いてシュカさんを見た。

笑顔で見送るシュカさんに、 行ってきます。の意味を込めて 俺は大きく頷き、穴から中へと入った。


「メル、アンドロイドがいない建物は?」

「アッチャ!!」


メルが首を向けたのは、ナッツとじゅんがいる中央の建物から少し離れた正門側の建物。


俺達は慎重に周りを警戒しながら、その建物の中に入った。

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