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第46話.正門前の戦い

戦闘は開始され、

初めに動いたのはシュカさん達だった。


ダイヤモンドキメラ6匹を、大きめの丈夫な鎖で拘束。


「この隙に、チビキメラと兵士達の殲滅を!!!」


シュカさんの声に弾かれる様に、4区の兵士達は目の前にいる2区の敵兵士へと総攻撃をかけた。


脳筋の第2区兵士に対して、力では圧倒的に不利な頭脳派集団の第4区。

敵兵士1人に対して、必ず2人以上で当たる様にとシュカさんが支持を飛ばす。


そして、襲いかかってくるチビキメラ達。

その相手をしたのは、4区の武装をした1人の少女だった。


2区の兵士達がざわめき立つ。


兵士にしては、幼い。

あいつは人間だ。


2区の兵士達は、すぐに耳横にあるボタンを押してゴーグルの様な物を目の上にスライドさせた。


サーモグラフィだ。


じゅんが人間とぶつかったという情報は、すでに全員に告げられたのだろう。

全員がサーモグラフィを所持していた。


しかし、兵士達はさらに動揺する。


「た、大変です…!!サーモグラフィでは、第4区の兵士のほとんどから人間に近い体内温度を観測しています!!」

「どういう事だ!?こいつら……第4区の兵士じゃないのか!?全員人間だとでも言うのか!?」


動揺は感染する。

そんなはずはないと思っていた者までも、その動揺に冷静さを失う。


これは、昨日莉音ちゃんが提案して来た案だった。

サクから預かったという葉っぱ、温葉っぱ。

これを人間の体温にまでこすり合わせ、兵士達の鎧の内部に散らばしておいたのだ。


動揺が広がり、手が止まってしまった第2区の兵士達は、スピード重視の[人間]によって次々と斬られていった。


「見事です!!莉音さん!!」


シュカさんの声に莉音ちゃんはニッと笑い、久遠から預かっていた赤金(アカガネ)を近くにいたBランカーの隊長に投げ渡した。


「うちがチビキメラや兵士を引き付ける!!それでダイヤモンドキメラをぶった斬りぃ!!」


莉音ちゃんの声に頷き、赤金(アカガネ)を受け取った隊長は、鎖で拘束しているダイヤモンドキメラの1匹に向かって走り出した。


それを見ていたシュカさんが笑顔になりながらも、他の兵士に支持を出す。


「莉音さんをこちらに借りられたのは大きいですね。

チビキメラは、私と莉音さんで何とかなりそうです!!他の者は出来るだけ離れずに2人以上で確実に兵士を1人ずつ片付けて下さい!!

Bランカーの隊長は、全員でダイヤモンドキメラに当たる様に!!

今赤金(アカガネ)を持っているフライの援護について下さい!!」


他のBランカーの隊長3人が頷き、赤金(アカガネ)を持ってダイヤモンドキメラに向かって走っている隊長(フライ)の後を追う様に走り出した。



「なんやぁ。シュカはん、なかなかの統率力やんか。ナルシストやけど。」

「うん。なんか戦場の全てが見えてるみたいだ。視野が広いね。ナルシストだけど。」

「ナンバーの3持ってるだけあるわね。ナルシストなのに。」

「………っ…」

「フキャキャキャ!!」

「これ、合図待っとったら正門前終わってまうんやないか?」

「っ……それはマズイなぁ…。」

「でも、そうなったら例えナッツとじゅんが揃ってたとしても…私達+シュカ含めた4区の総攻撃よ?

ある意味そっちの方が勝てる確率高かったりして。」

「…ありうる…」

「ダイヤモンドキメラ8体もおったらキツイけどなぁ。この正門前で6匹殺せたらそっちのがええかもなぁ。」


今、こっちがあきらかに優勢だ。

これはテンション上がる。


正門前の戦いに圧倒されていると、遂に赤金(アカガネ)を持った隊長がダイヤモンドキメラにたどり着き、赤金(アカガネ)を振り上げながら飛び上がった。


『ごくろぉさまですぅ~♪』


聞き覚えのある、甲高い声が響き渡った。

まさに隊長が斬りかかろうとしているダイヤモンドキメラからだ。


「…ナッツ…!!」

「あのダイヤモンドキメラにリンクしてるのね…?」


『その刀ぁ~、(サナギ)と一緒に見た刀ですねぇ~?

という事はぁ、久遠も来てるんですかぁ~?

おっかしいですねぇ~、どこにいるんですぅ~?』


赤金(アカガネ)を使う時点で、ナッツのリンクによって俺達…少なくとも久遠が来ている事がバレるという覚悟はしてた。

さすがに、ナッツもそこまで馬鹿じゃないか…。


『あららぁ、その腕章…Bランカーじゃないですかぁ~。後ろから走って来てるのも……。

やだぁぁ~~勿体なぁ~い』



……え?


ナッツの言葉に違和感を感じたその瞬間だった。


ナッツがリンクしていたダイヤモンドキメラは、眩しい光を放ち 一瞬で赤金(アカガネ)を振り下ろそうとしていた隊長ごと自爆したのだ。



「……うそ……」


ノアが口に手を当てて呆然としながら呟いた。

久遠も……そして俺も、言葉が出なかった。


後ろから走って来ていた3人のBランカーまでもが、その自爆に巻き込まれて死亡してしまったからだ。


4区の4人いたはずのBランカーが

一瞬で1人も居なくなってしまった。


「自爆モード……設定してるなんて…」

「…ほんまもんの使い捨てやないか…」


一瞬で優勢をひっくり返されてしまった事も確かにショックなんだけど


こんな簡単に自爆を選ぶナッツの非情さに、ゾクッとすると同時に激しい怒りを感じた。


やっぱり、ひっぱたくだけじゃダメだあの女……。


俺は初めて、自分の中にある殺意というものを感じた。

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