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第38話.心理戦(2)

「あの少年を殺したのは、マズかったですか?」

『……いいや。もはや、あいつが持ってた情報は用済みだ。』


用済み…?

それ以上の情報を手に入れたという事か?


「では、何故その少年にこだわるので?」

『…………』


サクが持つ情報を他に渡したくないから……か?


なら、サクは殺しておきたかったから ここまでこだわってたのか?


『他の人間達は、どこで殺したんだ?』

「……さぁ…そこまでは教えられませんよ。私達だって必死なのですから。」

『ふざけるな!!さっさと言え!!』

「…待ってください。何か勘違いをなさってませんか?私は貴方の部下でも貴方に下った訳でもない。命令される筋合いは御座いませんが?」

『………殺されたいのかお前?』


物凄い勢いで俺を睨みつける5番の男。


やっべ

こっえええええ!!

殺す殺すうるせぇよって、思わずカチンと来て喧嘩腰になっちゃった…俺の馬鹿。


すると、すぐに5番の男はピクリと俺の横に視線をずらし そのまま視線を俺に戻しはしなかった。


俺の横にいるノアが、物凄い殺気を放ったのだ。

俺にも、ゾクッと来る程の殺気を。


フードコートで顔は見えてはいないが、どの位の冷たい目をしているのかは想像がつく。


演技力パネェ。

ノアさんパネェ。


「……今、誰を殺すと?」

『………』


5番の男が、両足を地面にジリッとさせたのを見て俺はドキッとした。


ノア、もういいもういい。

こいつやる気スイッチ入りそうだから。ヤバイから。


「……誰を殺すと?…」

『………』

「…シカトか?おいこら。誰を殺すって?」


このアホ…演技じゃねぇ。

何マジギレしてんのちょっと!!!


俺は慌てて両手を上下に振った。


どうどう。


「…まぁまぁ、お話がしたいだけなんですよ?落ち着いてください。」

『お話がしたいだけなんですよ?って態度に見えないんだけど?そっちの女』

「お話がしたいだけなんですよ?」


一瞬で殺気を消して、フードコートで見えないが多分満面の笑みを浮かべているノア。


うおぉ…タズナが効いた………。


あーーっぶねぇマジ焦った。



『……………』



フンッと、鼻を鳴らして足の力を抜いた5番の男を見てホッとした。



もしかして、こいつら2区が人間コロニー潰してまで探してる者って………俺ら今かなり核心に近い所にいるのかな…?


「全く。そこまでして欲しいとは、2区の方々もなかなか強欲ですね。」


『…………』


すると、男はニヤリと笑って答えた。


『お前らにとっては恐怖だろうなぁ。悪い事は言わないよぉ?今の内に、2区の傘下に入っときなよぉ。』


「ははは…。ですから、それは“アレ”が見つかれば…の話でしょう?」

『だから、どこで殺したのかと聞いてるんだけど?』

「アレを…ですか?」

『アレを、だ。』


…落ち着け俺…

莉音ちゃん、凪ちゃん、サク、メル、この3人と1匹の中の誰かが、こいつらが探してる“アレ”に確実に繋がってるのは間違いない。


「……全員は殺してはおりません。何か情報を持っていたみたいなので」

『何か情報を手に入れたのか?』


どこで殺した?って聞かれた時「アレですか?」って聞いたら「アレだ」ってコイツは答えた。

やっぱり殺せるものなんだ。

探しているのは、生きている“もの”

で確定だな。


サクは、もう用済みだたって言われてた。

“アレ”とは、ちがう。

莉音ちゃんも、既にこいつと戦ってて殺されかけてる。…ちがう。



……凪ちゃん……は……



…まさか……。


俺は唾を飲み込み、震えそうになる声を必死に隠して出来るだけ笑顔を作り、一番聞きたくないハッタリをかました。



「……はは。まぁ …、アレがあれば、戦闘が楽になりますもんねぇ。

どの地区だって、喉から手が出る程欲しいですよアレは。」


『…はっ。俺なんかやっとどんな形してんのか、わかったばっかりだぜー?』


「あれがあれば、どんな戦場でも勝ち戦♪ですもんねぇ♪」


ニコニする俺を見て、男が掴みかかってきた。


『……おい。そこまで分かってんなら殺してるはずがねぇな。もういい加減吐け。アレはどこにある!?』


「………」


ここまでか……。


『……っ!?』


俺の襟首を掴んでいた男の手を、ノアが掴み上げ、そのまま後ろに突き飛ばす。


俺は胸ポケットからペーパーを取り出し、地面に落とした。

ケータイの向こう側から、ギンの『タブレット!』という小さな声が伝わり、ペーパーはタブレットに変換してゴトリと地面に落ちた。


5番の男以外の皆が目をつぶる。


同時に、電話口でギンと共に叫んだ。


「ライトニング!!」


「……!?」


目くらましを喰らった5番の男に、莉音ちゃんがサクから貰った煙幕の玉を投げつけ、視界を奪うと

俺とノアは急いで久遠達と合流。


その場を離れた。



『くっそ……!!!これはあの少年の煙幕かっ…!?やはりやつら、捕らえたというのは本当か……!!!くっそがああああああああああ!!!!!』



5番の男の、怒りに満ちた叫び声が森中に響き渡った。


「いちはん、大丈夫か?ケガは?」

「大丈夫。うまく行ったね……」


俺は、凪ちゃんと凪ちゃんの肩にしがみついているメルを見つめた。



『俺達の身体がパーフェクトなら、普通に勝ち戦だこれは。』

『そりゃそうですよ。探知機能で相手探知できちゃうんですから。』


初めて戦った時の事まで、思い出しちゃったよ…。


第2区が

ナンバーまで出て来てまで、人間コロニーを潰し回って探してたのは………




メルだったんだ。

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