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36話.再会

さて。問題はこっちにも大アリだ。


潰し合いをさせるなら

それぞれの相手の戦力は知っておかないとどうにもならない。


見た所、現時点では原尾コロニーを占領している第2区の戦力は、5番が今留守にしている以上

最大戦力はナンバー持ちの10番“ナッツ”になる。

それに加えて、ナッツが誇る特大ダイヤモンドキメラが8体。

ちびキメラが結構多いな。30匹ぐらいいる。

そして兵士が約20人ちょっとか。


これが第2区の現時点での戦力だ。


それに対して、第4区の戦力は

ナンバー1人と、Bランカー4人。

そしてその部下であろう兵士が、48人か。


………ちびキメラがいるからか、第2区の戦力の方が数は上……。


ナンバー同士がぶつかったとしても、まだ2区の方には5番の男がいる。


そうなると、ナンバー2人VSナンバー+B4人

他は、ダイヤモンドキメラ+ちびキメラや兵士VS兵士


に、なるのかな?


うーん……

2区が優勢すぎるなぁ……。


「ねぇ、Bランカー4人がかりでナッツって倒せるの?」


俺の質問に、ノアと久遠は目を丸くした。


「いち……それは、あまりにもナンバーを舐めているわ?」

「え!?そうなの!?Bランカー4人でもダメ!?」

「…いちはん、Aランカーの存在忘れとらんか?」

「Aランカーがナンバーなんじゃないの?」

「ちゃうわ…。Bランカーは戦場で隊長を任される事が多いんやけど、Aランカーは、ほとんどがリーダー側近の幹部やっとるな。

ナンバーは、そんなAランカーの中でも最も強いとされる10人に与えられる物やで?」

「……………」


え。何その化け物設定。


今留守にしてる5番が帰って来ちゃったら、もはやカオスじゃん。


「もぉー!!だったらもうナンバーはSランカーとかにしろよ!!!ややこしい!!」

「Sがナンバーになってるだけじゃない。Sって言うか、ナンバーって言うかの違いよ?わかる?」

「馬鹿にしてんのかお前。」

「あぁ、良かった。それは分かってるのね。」


馬鹿に馬鹿にされてた!!


「どうする?どっちかに相手への不信感を抱かせる所からだよね?仕掛けるとしたらどっち側がいいかな?馬鹿なナッツ?」

「うーん……。下からがいいんじゃない?

4区のナンバーとBランカーは、ナッツ削るのに必要になりそうだから残したいわよね。

だとしたら、まず4区の兵士を少しずつ消す?ちびキメラを少しずつ消す?味方が少しずつ消えてくのが一番不信感を抱かせやすいわよ。」

「あ、ナッツじゃないんだ。つか、消すって…そんな暗躍みたいな事……」


あ。ノアの本職、暗殺でした。


でも、暗躍するとなると

バラバラなまま行動するのは危険だよな。

莉音ちゃん達の動き方にも関わって来ちゃうし……。



「莉音ちゃんと凪ちゃんは、あとどれくらいでここに着く?」


『…………あ、え?…えーと…あれ?どこ行ったんだろう…』


見とけよ!!!

何なの!?黒子って、リーヴ見る事にどれだけ労力使ってんの!?


『あぁ、いましたいました。足速いですね。もう着きますよ?そこに。』


「…え!?」


振り向いた久遠の顔が、見る見るうちに緩んでいった。



俺達に向かって大きく手を振る莉音ちゃんの姿が確認出来たからだ。

その横には、凪ちゃんとメル。


「……アホが…。無茶しおって…」


久遠、泣きそう。

つーか、俺も泣きそう。


転びそうになりながらも、丘を走って登って来る莉音ちゃんに向かって、久遠も弾けるようにして丘を駆け降りて行った。

俺とノアも、後に続く。


「…良かった……!!このアホが!!」

「にぃ!!」

「凪ちゃん!!メル!!」

「……っ…」

「ム…キャー!!」


久遠は莉音ちゃんを、俺は凪ちゃんを、ノアはメルを抱き締めた。

加減を知らないノアに当たったメルはお気の毒だった。


「サクは!?サクはどないしたん!?」

「中野博士のコロニーに向かってん。敵がいない道はメルが調べてくれたんよ。そろそろ無事に着いとるはずや!!」


その瞬間、俺の腕の中にいる凪ちゃんがビクッと肩を揺らした。


なんだ………?


「…凪ちゃん?」

「………」



凪ちゃんの顔は真っ青になっていて、肩が僅かに震えている。


どうしたんだ…?


そう思った瞬間、メルが俺の元に飛んできて叫んだ。


「…ゴ!!クルデスヨ!!ゴ!!」

「ゴ…?5番の男!?」


メルがコクリと頷く。

莉音ちゃんは、慌ててボディーバックからある物を取り出した。


「ノアさん!!凪、どっちでもええ!!これをウチの左腕のここんとこに、巻いて!!」

「これを、ここに巻けばいいのね!?」


あれ…アルミホイルだ…。

ノアがクルクルと左腕にアルミホイルを巻いていく。


「追跡装置の電波を遮断できるんやって。サクが見つけてくれたんよ。」


へえ……アルミホイルで…。

それは凄いな。



「ノア。」

「ん?」

「4区の腕章が欲しい。2つ。どの位かかる?」

「雑魚のでもいいのなら、数分で。」

「うん。なら、お願い。」

「…了解」


ノアは深く頷くと、丘の横の森の中に消えた。


「いちはん、何か手があんねんか」


「うん。これからここに来る5番の男を、潰し合いの誘導に使わせて貰おう。」

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