7話.行動(3)
コンテナから出て、排気口の中をひたすら ほふく前進で進む。
これ、びっくりする程キツイ。
「うぉーい。おせェんだけど。」
後ろからリーヴが声を掛けてきた。6回目だ。
俺がゼェゼェ言ってんの聞こえてんだろーがよ………結構限界なんすよ。
「だっ……これっ……キッツ……軍隊かっつー……の………げほっ」
息が上がって、まともに返事さえ出来ない。
しかし、俺以外の4人は息1つ上がっていない様子。
どーなってんの………この人達。
「お前なんでそんなに身体能力低いの?イカレてんの頭だけじゃねーんじゃね?」
「………蹴ってやろうか。馬みたいに。」
「馬ってなんだ?」
「……は?」
改めて馬ってなんだと聞かれると、これは困った。馬は馬だろ。
え?てか、馬知らないの?おかしくない?
答えに戸惑ってる俺を見て、リーヴが首を傾げた。
「お前、記憶喪失のくせに、変な事は知ってんのな?」
………ほんとだ。俺、馬知ってんだ。というか、覚えてんだな。
なんか変な記憶喪失だなぁ……。
「おーい。止まんなよー。もういい。押してやるよ。これじゃ全然進まねぇ。」
そう言って、リーヴは俺の尻を掴んで前に押し始めた。
「ケツを触るなあああああああああああああああ!!!!!!!………ぅぶぉっ……」
俺が叫んだと同時に、前にいたノアが思いっきり俺の顔に自分の足をめり込ませた。
馬のように。
後ろ足で蹴るとか、もぉほんと何なのこの子。
「あんた自分の状況わかってんの!?でかい声出したら見つかるでしょ!?ねぇ馬鹿なの!?ああ馬鹿だったね頭おかしいんだった!!ごめんねバーカバァァーーカ!!!」
馬が……いや、ノアが大声で俺に怒鳴った、まさにその直後
施設内に爆音で警報が鳴り響いた。
おぃおぃおぃ………。
当然ノアが焦る。
「もう逃げたのバレた!!?え!?なんで!?え!?私!?私のせい!?」
「いや、ちょっと落ち着けよ……。どっちにしても映像に映ってんだから、そろそろバレる頃だろうし、今は急いで出るのが先決だって。」
「俺はさっきから言ってるぞ 早く進めと。馬だのケツだの訳わからん事言って、いちいち止まりやがって。」
訳わからん事は1つも言ってない。
「何やってるんですか 大人3人組!!!!」
ふと気付くと、すでに排気口の出口に たどり着き、出口の穴からこちらに向かって叫んでるギンがいた。
「そこら辺にワイヤー置いてきたので、掴んでください!!!引っ張ります!!」
ほんとに、なんて出来た子なんだろう。
急いで俺達がワイヤーを掴むと、何の合図もなしにワイヤーが引っ張られた。
もの凄い早さで。
そうだ………ギンは両腕がないから、引っ張るのは凪ちゃんだよね……。
うん………。力………結構強かったよねぇ……。
もうさ………。イヤな予感しかしないよね。




