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第27話.二筋道(1)

「……ふた手に…別れるやと…?」


久遠を含めた全員が、再び足を止めた。


「進みながら話そう?」

「あ……あぁ、すまん…」


全員が俺に合わせてゆっくり走りながら、こちらを見る。


「取り敢えず、コロニーの皆は中野博士のコロニーに。

電磁波結界の最後の1つが完成しているとしたら、きっと中野博士は隠してるんでしょ?

だったらそれを探し出さなくちゃいけない。

中野博士のコロニーに行った皆に、それを頼みたいんだ。でも……もしその最後の1つが完成してなかったら……」


思わず言葉を飲み込む。

皆、何が言いたいのかはすぐに悟った様だ。


「わかった。大丈夫だ。絶対に探し出す!!」

「うん。任せろ!!」


皆は拳を握り締めて 大きく頷いた。


「……ありがと。

俺達は、原尾コロニーに行くよ。

5番と10番の殲滅。そして、莉音ちゃんとサク、凪ちゃんとメルと合流してから原尾コロニーに行く。そしたら電磁波結界を作動しよう。」


ゴクリと皆が唾を飲んだ。


ナンバーを2人殲滅とか、でかい事ぬかすなコイツ……と、どいつもこいつも顔に書いてあるぞ。


俺も思うけどさ。


「それと、皆に1つお願いが………。

さっき、何でもするって言ったよね?」


「「「……え。」」」



わぁ!!凄い。

全員一斉にキョロキョロしてる。


「こっちの戦闘に、久遠を貸して貰えないかな?」


「「…………え!?」」


キョロキョロしていた全員が、見事に揃って俺を見た。


「で、でも…、外にはアンドロイドがウヨウヨしてると思うんだけど…」

「戦闘要員7人では、いち君達が来るまで持ち堪えられないんじゃ……」


「リーヴ、ギン、黒子、そしてきぃちゃんの4人は そっちに行ってもらう。」


リーヴとギンの顔が固まった。


「…ちょ…ちょっと待って下さいっ……僕は……戦闘が出来ないので分かりますが……。

リーヴさんは連れて行くべきでは?」

「………俺の…エネルギー残量か?」

「うん。さっき、デカいの撃ったよね?…あれ、エネルギーを弾に乗せたって言ってたじゃん?…かなりのデカさだもん、相当エネルギー使ったよね?」

「………ただ銃を撃つだけなら問題ない。」

「わかってるよ。だから、コロニーの人達を任せたいんだってば。」

「…………」

「こっちはナンバー相手だよ?ダイヤモンドキメラだっている。ただの銃は効かないでしょ?」

「…………」



おわぁ…怒ってる……。


「……ならば、黒子は?」

「私はリーヴ様と御一緒ならば何の文句もございません。」

「戦闘力は低いが、戦えない訳ではない。」

「文句がございませんので、反対案を出す必要はございませんリーヴ様。」

「連れて行った方がいいんじゃないか?」

「リーヴ様。いちは貴方様のご主人様であられますよ?主人のお言葉には黙ってお従い下さいませ。ご反対されるなど、もってのほかでございます。」

「やかましいわ!!落とすぞお前!!」

「黒子は、リーヴ様から 離っれまっっせぇえんっ!!!」


ほんと、すっげぇなこの女……。

落とされまいと、リーヴにしっかりと足を絡ませてしがみついてる。

まぁ……1回本当に落とされてるしな…。


「黒子は、気絶されちゃうともったいないからさ。鷹の情報は貴重だし。原尾コロニーに飛ばしといてもらえば、俺達の様子をリーヴ達に教えてもらう事も出来るでしょ?

多分、ナンバー2人は黒子の鷹を落とすどころじゃないと思うし。」

「貴様……素晴らしいな。その通りだ。その通りだとも。私はお前の意見に賛成だ。流石は私の見込んだ男よ。まさしくリーヴ様の主人にふさわしい!!」


殺そうとしたくせに。


「やっぱりさ、一番の問題は俺らアンドロイドのエネルギー切れなんだよね。

だから、その心配のない人間の久遠がいてくれると助かるんだ。

莉音ちゃんも戦闘要員なんでしょ?エネルギー切れの心配がない人間が2人いるってのは、かなりデカイと思うんだよね。」

「……まぁ、その分あんたらアンドロイドよりも もろい身体っちゅーリスクはあるんやけどな。」


「……リーヴ…ごめん。ダメかな?」

「…………いや…。俺の主人はお前だ。決定には従う。確かに今の俺のエネルギー残量では、足でまといになりかねん…」

「…ごめん。ホントはノアも置いて行きたい所なんだけど、正直Aランクとまともにやり合えるノアの戦闘力は必要だし…」

「そうだな。目を覚ましてお前がいないのを知ったら、発狂して一人で原尾コロニーに飛び込んで行きそうだしな。

あんな化け物、俺には止められん。」

「はは…。出来るだけ、ギリギリまで背負ってエネルギー回復させるよ。」


目が覚めた時、いるって約束もしてるしね。


「…いちはん…、あんたらが追うリスクが高すぎんか……?………ええんか?」

「結構寂しい事言うね久遠……。そんな切り離して考えなくても……そりゃあ…俺達はまだまだ よそ者かもしんないけどさぁ。」

「え、いや、せやけど……」

「……うーん……。

じゃあ、一番の本音言うね?」


その場の全員が足を止めた。




「ぶっちゃけ、10番の女が くっそムカつく。」



また、ギンの口が縦長に開いた。

0の形になってるって。

…いや、ほぼ全員が。


「……え、えっと……なんて?」

「あの女がムカつく。」

「…………」



莉音ちゃんに追跡装置なんて埋め込んで、わざと逃がして。

笑いながらコロニーを平気で破壊した。

きぃちゃんに、あんな仕打ちをした。

コロニーの人達を、無惨に何人も殺した。


感情を持ったアンドロイドだと?

あれが?


あんなのがナンバーだって言うんなら、他のナンバーもあんなのだって言うんなら

ナンバー自体に、吐き気がする。


「とにかく、ツラ見て引っぱたいてやんなきゃ気が済まないかな。たとえ女でもね。俺は引っぱたくよ。

………うーん……いや、引っぱたくだけじゃ気が済まないかなぁ……。」


考え込んで首を傾げる俺を見て

全員がポカーンと口を開けていた。


「あれ?

俺なんか、おかしな事言ったかな?

ん??…………え!?もしかして皆かなり紳士的な人!?女は叩いちゃダメ的な!?

いや、確かにそうだけどさ。

でも…あれを女として見ろと言うのなら、俺は全力で断るよ!?」


だって、女だからって理由で許せる範囲を超えてね!?

そんなんであんな事を許してたら

もはや女って、ある意味やりたい放題の最強チートだからね?

男なんも出来ねーじゃん。

世界のバランス崩壊するわ。



「……………ふ………ぶはっ!!」


長い沈黙の中で

ふいに、1人が吹き出した。


楓ちゃんだった。


それに続いて、皆我慢していたのか 次々と吹き出し始めた。


「………い、いいね……そ…………ぶはっ……」

「……うん…ぶっ…くく……言い切った……ね……ぶふぉっ…」

「…あんた……ちょ…おも…ぶふっ……」

「……こ……この子……ぶくっ……ちょ……久遠……この子っ……ぶふっ!!」


全員、何を言ってるのか分からない。



「ぎゃはははははははははは!!!」


久遠だけ、手を叩いて大爆笑し出した。


「いちはん、俺で良ければ使ってやってーな。…皆、ええか?」


皆、口元を必死に抑えながらコクコクと頷いた。

リーヴも笑いながら頷く。

ギンに至っては、必死に口を抑えながら背中を向けてしゃがみ込んでいた。


帰って来たら、正しい笑い方を教えてやろう。

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