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第19話.惨劇

コロニー自爆まで、あと1時間15分。



西出入り口まで全員で

とにかく、走って走って走る。


自慢じゃないが、俺は機動力がとてつもなく低い……。


「ちょ…西出入り口……遠すぎじゃねぇ!?」

「ええ?ちょっといち……もう疲れたの?まだ30分しか走ってないわよ?」

「30分も走ってるよ!?」


きぃちゃんが破壊したあの出入り口から出る訳には……いかないか。

コロニーの人達が西出入り口の方に行っちゃってるしなぁ…。


皆は、無事に西出入り口に辿りついただろうか……?

こっちに向かっている2区と6区の隊は、まだ来てないよな…?


つーか、なんで時間稼ぎに45分も使ってんだよ!!!!



もっと早くじゃじゃ馬を止めるべきだった………!!


ギッ!!と恨めしくノアを見ると、肝心の本人はニコニコしながら俺の横を走っている。

時折、こちらをチラチラ見ながら。


楽しかったんだね。

褒めて貰いたいんだね?



ぜってぇ褒めねぇからな!!!!



走りながら固く決意した、その時だった。



「きゃああああああああ!!!」



いきなり大きな女性の悲鳴が響き渡ってきたのだ。


「何!?敵襲!?」


慌ててキョロキョロすると、悲鳴の主はリーヴの肩に担がれている奴……


黒子だ………。



「な、な、な、な、何故私はリーヴ様に担がれているのです!!?何ですかこれは夢ですか!!?」

「耳元で騒ぐな…」

「リリリリリーヴ様!!出来れば、お姫様だっこにしてもらえますか!!!?ああっ!!でもそんなことになったら私っ…………いいえ!?もう、この身は預けます!!全て導かれるがままにぃぃぃっ!!!!きゃああああああああ!!!」


何この人…凄い…


うるさい。



「片腕でどーやってお姫様だっこをしろと………。つーかお前、重いんだが。」

「きゃああああああああ!!!」

「……うるさい……。いち、こいつ落としていいか?」

「いいよ。」

「貴っ様ぁあああああああああああ!!!!今なんと………ぎゃん!!!」


わぉ。本当に落とした。


容赦ないな…。


少しだけ黒子に同情したその時だった。


走っている地面が少しずつ明るくなって来た事に気付いた。


「いち!!見えた!!出口よ!!」

「マジか!!!?」



やっと着いたーーー!!!!

あまりの嬉しさに、一気に疲れが消えた気がするよ!?


出口には、数人の人影が見えており

こっちに向かって手を振っている。


コロニーの皆だ!!!


しかし、手を振り返そうとした瞬間だった。


俺達に手を振っていた2人の人間が 一瞬で右側に弾かれる様にして消えたのだ。



「………えっ?…」



同時に たくさんの悲鳴と銃声が鳴り響く。



外に………敵がいる!!?


「なんでや!!?まだ2区と6区の隊は付いてないはずやろっ……!?」


久遠が弾かれる様に外に飛び出した。


俺達も続いて急いで外に飛び出る。



そこにあった光景は凄まじかった。


たくさんの小さなキメラと、そのキメラに襲われているコロニーの人達。

懸命にキメラ達に銃を発泡して戦っているコロニーの戦闘員達。


しかし、すでに数人は地面に倒れて息絶えていた。


「…なんだよ……これ……」

「10番のキメラよ……!!…あいつっ……すでにキメラを寄こしてたのね……!?」

「ちょ、だって…黒子の鷹は!?鷹でわからなかったの!?」

「見た時は、このチビキメラ達はまだ原尾コロニーにいたんでしょ…。でも…黒子、キメラに踏まれて気絶してたでしょ?……その間にここまで来ちゃったって事ね。」

「キメラってそんなに足速いの!?」

「チビキメラはね…。攻撃より速さ重視だから……」


ノアが、倒れている人達を見て唇を噛み締めた。


攻撃より速さ……?

それでも……人間をアッサリ殺せる力はあるのか……


「久遠!!!赤金(アカガネ)貸して!!!!この数はヤバイ!!早くしないと全滅する!!!」


ノアが叫ぶと同時に、すでに久遠は腰から鞘ごと外し ノアに向かって投げていた。

自分の元に落ちてくるまでさえも待てなかったのか、宙を舞う赤金(アカガネ)に向かって飛びついたノア。


赤金(アカガネ)を受け取ったノアは、そのままチビキメラの群れに突っ込む様に着地し、器用に次々と頭を斬り落とす。



むむむむむむ無双…!?

これ知ってるよ無双ってやつだよ!?

しかもあいつ、全部首ちょんぱ してるよ!!



「久遠!!久遠ーっ!!」


泣き叫びながらコロニーの人達が久遠に助けを求める。


「全員、なるべく戦闘要員の近くに行きぃ!!非戦闘要員だけで固まったらあかん!!!」


久遠が(サナギ)でキメラ達を斬りながら非戦闘要員の人達の近くに走る。


それを聞いた皆が 久遠やコロニーの戦闘要員達、そしてノア、リーヴ達の元に必死に走った。


それでも、やはりキメラの数が多過ぎる。

コロニーの人達はほとんどが戦闘要員じゃない。

今いる俺達アンドロイドの戦闘要員と言ったら、ノアとリーヴ…かろうじて黒子だけだ。


久遠は人間だからエネルギー消費ってやつはないんだろうけど

ノアとリーヴはどんどん消費して行く。


この物量戦は不利すぎる……!!




「ギンは下がって!!リーヴ!!ギンをお願い!!」

「わかった!!いち!!あんまり前に出過ぎるなよ!?」

「うんっ。大丈夫!!」



ギンを自分の背中側に回し、銃でキメラの目玉を次々と撃つリーヴ。



この短時間で、すでに数人の人を失っていた。


時間稼ぎをしすぎたと反省するのはもちろんだが、もしもっと早く俺達が出れていたとしても ……


道中でこの数とぶつかっていた事を考えると、ほとんど結果は変わらなかったと思う。


「………くそっ……」


とにかく、1人でも多くの人を守らないと…!!


俺はリーヴに持たされた銃をカバンから取り出し、チビキメラに向けた。


しかし、動きが速すぎる。

俺の銃の腕だと、チビキメラに当たらない所か下手したらコロニーの人間に当たってしまう。


何も出来ない………



自分の無力さに絶望しかけたその時

銃を持つ手がカタカタと震えた。


「……?」



ー……ジンッ…



腕がまた熱を帯び始めた。



それと同時に、ノアが俺のすぐ横に走って来て後ろにクルリと回り、赤金(アカガネ)を振った。


俺のすぐ後ろにキメラがいたのだ。



「いち!!!出来る限り私の側を離れないで!!」


ノアが俺に向かって叫ぶ。


「俺はいいから!!!コロニーの人達の援護をして!!」

「何言ってるの!?危ないから側を離れないで!!」

「早く!!!」


ノアが一瞬ビクッと身体を揺らした。


「俺達はアンドロイドだ。人間よりは丈夫に作られてんだろ?だったら、まず守るのは人間の方だ!!」

「………っ……」


ノアは俯いていたが、コロニーの人達の叫び声を聞いて顔を上げる。


ダメだ…どんどん減っていく……



「早く行って!!」


ノアは、コクンと小さく頷くと

キメラに飛びかかられている人達の元に走った。



しかし

この選択が、俺の運命を大きく変える事になる。

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