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第10話.重なる危機

「外からアンチロックって……中からは開かないの!!?」

「中からは開かん……っ!!莉音!!ドアを開けぇ!!!」


久遠がドアを必死に叩きながら叫んだ。


すると、ドアの外から莉音ちゃんの声がした。

涙声になり、震えながらも必死に絞り出す様な声で。


「あかんっ!!!……39人や……!!あのコロニーで、もう39人死んでもうたんやで!?

これ以上仲間を死なせるんは嫌や!!!!」

「莉音ちゃん!!まだ爆発物だと決まった訳じゃない!!ここを開けっ………」


俺も一緒にドアを叩きながら叫んでいたが、ノアに腕を掴まれた。


「何だよノア!!」

「………っ……」

「ノア……?」


苦痛な表情をするノア。


「もし爆発物だったら……?………ここの人全員爆発で死ぬのよ…?」

「…………は?何………」


じゃあ、莉音ちゃん一人で爆発して死ねって言うのか!?


と、ノアに言おうとしたが…


俺は言葉を無理矢理飲み込んだ。


そんなことを望んでる顔じゃない事くらいは見たら分かる。


焦ったって何も解決しない。

今はどうしたらいいのかを、まず考えなきゃいけないんだ。


すると、莉音ちゃんがドアの向こうで大きく叫んだ。



「あのナンバー2人っ……!!絶対許さへん………!!!うちが爆発するんなら、コロニーやない!!にぃや、皆の近くやない!!!…あいつらの所で爆発したる!!!!」



その言葉を最後に、莉音ちゃんの走り去って行く足音だけがコロニー内に響いた。


ガクンッと膝から崩れ落ちる久遠。


「久遠!!他の出入り口は!?」

「……どこも…遠回りになってまう……」

「誰か、外に出てる人はいな………」


思い出した。


朝、俺に手を振って地上へと出掛けた人物を。


「サクが外にいる!!!」



俺の声に、久遠が顔を上げた。


「そうや……鉱石取りに行くゆうて……」


久遠は すかさず周りに支持を出す。


「鉱石取りに行ったんやったら、外のアンチロック外させるには時間がかかりすぎる!!誰かサクに連絡をつけぇ!!

飛び出してった莉音を捕まえるように言っ……………っ、いや、俺が話すわ。サクに連絡取れたら俺に繋ぐんや!!」


久遠の支持を聞いて、すぐに何人かが素早く走る。


手を握り締めて唇を噛み締めている久遠。

掛ける言葉が見つからない…。

そうか…。


『莉音ちゃんを捕まえて欲しい』


久遠はコロニーの代表だ。



莉音ちゃんの体の中に 、爆発物があるかもしれない以上…

近付けば巻き込まれる可能性がある。


簡単には言えないんだ…。



そんな時、ギンが俺に もたれかかる様に倒れ込んだ。


「ギン……!!大丈夫か?」

「……いち…さん。すいません……僕を、久遠さんの元に…」


振り向くと、久遠はサクに連絡を取る為の無線でもあるのか、先程走って行った数人の元に走っていた。

俺はギンをおんぶして、久遠の元に走る。



「久遠!!!ギンが話あるみたいなんだ!!」

「後にしてもらってええか?今無線を……」

「ダメです!!今です!!」

「ギン坊……?どないした……?」


ギンはエネルギーの使いすぎで息が整わないのか、ハアハアいいながらも俺の背中から久遠に向かって絞り出す様に声を出した。



「このコロニーを…っ……今すぐ、放棄するべきです………!!!」



ギンの言葉に、無線を握っていた久遠の手が止まる。


「なん……やと?ギン坊…何を言うてんねん……?ここを放棄やと!?」

「…するべきです!!」


久遠とギンの言葉に、コロニー内の全員が足を、手を、…言葉も止めた。


「……4年……やぞ……。」


静まり返るコロニー内に、久遠の言葉が静かに響く。


「ここまでするのに、4年や……。4年かかったんやぞ!?何人も…何十人も死んだ……!!それでも全員でここまで来たんや!!なんで捨てなあかんねん!!!ここより安全な場所なんざ、もうない!!!」

「…………」

「ギン坊……?」


ギンは、俺の背中に顔を埋めて呟いた。


「莉音さんの体に埋められたのが………もし爆弾では、なかったとしたら…………」



「おそらくは………

追跡装置です…。」




久遠だけじゃなく…コロニー内の全員が、言葉を失った。



「もしそうなら……

このコロニーの場所は、敵に割れました…。きっとすぐに襲われます。」


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