第9話.守る為に
リーヴがギンに向かって叫んだ。
「ギン!!」
「もうやってます!!」
振り向くと、ギンの黒目に横線のラインがあり その線は上から下へと流れる様に動いている。
これは一度、リーヴにしているのを見た事がある。
スキャンだ。
莉音ちゃんをスキャンしてるのか……!?
まさか………
「な……っ…なんや!?なんなん!?」
久遠が俺の肩を掴み、自分の方へ向けた。
不安でいっぱいになっている久遠の表情を見ると、今自分の頭の中によぎっている予感を言葉にする事が出来ない。
すると、ノアが俺の肩を掴んでいる久遠の腕を掴んだ。
「スキャンしてるの。莉音ちゃんの体を。」
「ス……スキャンやて…!?なんで…」
久遠は掴まれてる腕を振り払い、ギンに向かって叫ぶ。
「なんでや!!!」
多分、久遠も気付いてしまったんだろう。
ギンがスキャンしている意味を。
そして、おそらくは…莉音ちゃんも。
ガタガタ震えながらも、必死に自分の体を抑え、ギンのスキャンの邪魔をしない様にしている。
「ギン、見えるか??」
「……人間をスキャンするのって、実は難しいんですよ……。細胞やらなんやらと色々な物が多すぎてノイズだらけで……っ」
「何もないなら、それでいい。」
「……っ……」
スキャンは、エネルギーを多く使うと前にギンは言っていた。
ギンの呼吸がどんどん荒くなっていく。
「なんもない!!なんもないやろ!?だってそんなんっ……」
久遠の悲痛な声が響き渡る。
莉音ちゃんは、震えながらも口を噛み締めて振り絞る様に声を出した。
「うち……戦いの中で1回気絶しとるんよ…。気付いたら納屋みたいな所に閉じ込められとった………。
うちの体になんか埋める事が出来たチャンスは……あったんよ……」
「大丈夫や。大丈夫や莉音!!」
「………っ………」
ギンの体が崩れ落ちる。
「ギン!!大丈夫か!?」
ギンを抱き抱えると、物凄い熱を発していた。
それでも、莉音ちゃんのスキャンを必死に続けている。
「あいつらっ….わざとうちを逃がしたんか…!?コロニーにっ…戻させる為にっ……!!!」
「落ち着け莉音!!大丈夫や。なんもない!!……なんもないやろ!!?なぁ、ギン坊!!」
願いを込めてギンを見た久遠は、ギンの顔を見て 首を振り……
小さく「うそや……」と、呟いた。
「……ありました…。ノイズだらけですが……確かに、莉音さんの体の中に金属の破片の様な物が……」
ノアとリーヴは、悔しそうに目をつぶる。
ちょっと……待ってよ…それって…
「爆弾……なん?」
奮える声で莉音ちゃんがギンに聞いた。
「わかりません……。すいません…。ノイズが酷くて、物の特定が……」
莉音ちゃんは、自分の体を一度ギュウウウッと握り締めると 顔を上げた。
その目は、何かを固く決意した目だった。
次の瞬間、莉音ちゃんは俺達がいる場所とは別の方向に走り出す。
何をしようとしているのかはすぐわかった。
ーー……外に出る気だ!!!
「莉音!!」
「莉音ちゃん!!!」
全員で必死に追いかけたが、莉音ちゃんは素早くスライドドアを開け、すぐに閉めた。
「あかん!!!あいつ、外からアンチロックかけおった!!!」




