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第8話.悲しみの幕開け

「あのさぁ。黒子さん。……どの位知ってるの??」

「どの位とは?」

「俺の事とか……あ、中野博士の事とかでも……」

「私の鷹では、戦場でお前を見た事はないな。」

「鷹?」

「電話線よ。電話線。黒子は自分の鷹を何匹か常に飛ばして、鷹から情報を得るのよ。」

「伝書鳩か?なにが電話線だよ!!古風丸出しじゃねーか!!」

「鷹の目と耳は私と繋がっている。鷹が見た物と聞いた事は全て私にリンクして情報として入ってくる。」


やだ凄いハイテク!!!!



「じゃあ、戦場で見た事ないってことは、やっぱり俺は戦闘員ではなかったのかな…」

「まぁ、私の鷹は 全員ほとんどリーヴ様しか見てないから仕方ないのかもしれない。リーヴ様を全ての角度から見る為には、鷹を全員使わなければいけなかったからな。」



本格的なストーカー。


「中野博士については、そうだな……。コロニーの人間ごと首都に連行されて、首都で死亡…してるな。」

「………凪ちゃんも、その時一緒に連行されたんだよな……」

「だが、人間を首都に連行するというのは、異例だ。なぜわざわざ首都に連れて来たのか……。リーダーの判断だったらしいが。」

「リーダーって……」

「人間との戦争で最初に立ち上がったアンドロイド。

“ネオ”よ。第2区のリーダー。」



ノアの言葉に、一瞬心臓がドキンッと跳ねた。


なんだ……?



「ネオ……あっ…リーヴが戦争でリーダーとは言ってたけど…その人今第2区のリーダーやってんの!?」

「リーヴ様!?リーヴ様が仰ってたと!?リーヴ様が!!!」

「うるさいストーカー。」



すると、ちょうどいいタイミングで寝起きのリーヴが医務室に入って来た。


「おはよう いち……。女が目を覚ましたとか……」

「あらリーヴ。おはよ。この子黒子みたいよ?まぁ……とりあえず黒子は誰の下にもつかない勝手人だし、害はなさそうよ。」

「……?…いないじゃないか。」



俺の後ろに隠れてますこの女。

モジモジしながら、俺の後ろから顔を出す黒子。


「あ……あのっ…リーヴ様……。先日は大変失礼を……」

「黒子なら、ちょうどいい。お前の鷹は今ここにはいるのか?」

「ひ……広間に一匹……」



バサッと医務室を出て広間に行くリーヴ。


全く相手にされてねぇ。ザマァ……と振り向くと、黒子はもういなかった。


「リーヴが出てった後、速攻で広間に行ったわよ?」

「ストーカー……パネェ…。」


まぁ、確かにリーヴは格好いいからなぁ。女にモテそう。


ていうか、ノアといい

アンドロイドって皆綺麗な顔してるんだよな。

そう作ってる…って事なんだろうけど…。


あれ?


でも俺、なんか普通の顔なんだけど。

何?設計ミス?




首を傾げながら広間に行くと、リーヴが黒子の鷹を見ながら 情報が欲しいとかなんとか話している。


あの鷹はロボットなのかな?

……ロボットなんだろうな。


ギンは、鷹を見ただけで あの女が黒子だとすぐに理解したみたいだった。


「とりあえず、ナンバーの5番と10番の情報が欲しい。そろそろ首都に着く頃だろう。何の為にナンバー自らが わざわざ人間コロニーを襲ったのか。その理由が知りたい。」


リーヴの言葉をそのまま鷹に聞かせていた黒子は、自分の耳元にすり寄ってくる鷹に対して 「うん。うん。」と、相槌をうっている。



すると、黒子が不思議な顔をして首を傾げた。


「あれぇ?」

「なんだ?もう分かったのか?」

「分かったというか……。そのナンバー2人、まだ首都に戻ってませんよ?」

「どこにいるんだ??」

「その、襲ったコロニーにまだいますよぉ?」

「…………!!?」

「ちょっと待ってください!!……まだ居るんですか!!?」


驚くリーヴに続き、ギンまでもが声を上げた。


何?

どゆこと??


横のノアを見ると、ノアも眉間にシワを寄せて考え込んでいた。



「2人は……そこで……何をしている…?」


リーヴの声が、わずかに震えている。


黒子は、少しうつむくと

言いづらそうに答えた。



「………何も…。……何も、していません……。」



それを聞いた瞬間、ギンが叫んだ。


「莉音さん!!!莉音さんはどこに!!?どこです!!!!莉音さん!!!!」


同時に、リーヴが「くそっ!!!」と壁を思いっきり叩いた。


只事ではない空気に、コロニー内がざわつく。


「何!?ねぇ、ノア……」


訳がわからず ノアに聞こうとノアを見ると、ノアは口に手を当てて「うそ……」と、小さく呟いた。



「何なん!?どうしたん!?」


騒ぎに気付いたのか、久遠と莉音ちゃんが人混みをかき分けて俺達の元に寄ってきた。


「莉音さん!!!」


ギンが慌てて莉音ちゃんの元に走り、リーヴもそれに続く。



何か良くない事が起こっている。


そんなことは、ここにいる皆が予感していた。

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