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第2話.リーヴの過去(2)

「感情と思考を付けられた俺達アンドロイドが、相手を目の前にして初めて感じたのは 死への恐怖だった。


ほとんどの奴が死を体験してるからな。

俺は4回死んでいたが、闘わされて来たアンドロイドの多くは俺に何度も殺された経験を持つ奴だった。

俺を前にして逃げようとした奴もいた。

金持ち連中には、その姿が面白くて仕方ないみたいだったな。」


「悪趣味すぎる……」

「…同じ人間…なんだよね…俺と?信じられない…そんな事…人間がするなんて…」


「似たようなモンよ?あの頃の人間のクサレっぷりは。」


ノアがクッキーを頬張りながら、ケロッとした顔で言った。


ノアも…人間に酷い目に合わされてるんだよな…

確か前に「人間にコキ使われてた時の記憶ある」みたいな事言ってたもんな…。


「俺ともう1人同じ飼い主に飼われていたそいつは、その日初めて檻の中で言葉を交わした。お互いの名前を知ったのもこの日だ。……あんなにずっと同じ檻の中にいたのにな。」

「その人、なんて名前だったの?」

「………………ラス。」


リーヴが名前を口にした瞬間、ノアがカップをカチャンッ と乱暴に置いた。


「なんだよノア?ラスって人知ってんの?」

「………まぁね。」

「ふぅん……。」



なんか機嫌悪いな………。




……………はっっ!?




「元カレか!!!!!!」

「なんでよ!!!ちょっとやめてよね!?私あんなの絶対イヤ!!そんなに趣味悪くない!!」

「お、お、お前……仮にもリーヴの知り合いだっつーの……。遠慮ナシだな……。」

「あいつ変態だもん。」

「お前も変態だよ?」

「はぁーーーーーー!!??」


「いちさん、ノアさん……。話が進まない……」

「「あ。ごめん。」」



サクにまで言われた……。

どこに行っても言われるなぁ……。


「ご、ごめんリーヴ…。話止めちゃって……。」

「…クックック……いや……。ほんとにお前らは……」

「すいません……。」

「いや。助かるよ。……正直俺自身、この話を正気で話せる自信がなかった。」



リーヴは微笑みながらそう言うと、静かに目を閉じて その時の事を思い出すかの様に再び話始めた。



「そこからの俺とラスは無敗でな。

毎晩、檻の中で出される水で乾杯して、質素な食事で祝いをした。

戦い方をお互いにレクチャーしたり、戦闘方法を朝まで談義したりもしていた。」

「まるで親友じゃんそれ!!」

「……そうだな。親友…だったな。」


だった………?



「しかし、そんな日々が続いていた中……突然、俺達の飼い主が賭け仲間から誘われなくなってしまったんだ。

……俺達2人が勝ち過ぎた事が原因だった。

しばらく飼い主の1人勝ち状態が続いていたからな。

……困り果てた飼い主は、自ら新しい賭けの遊びを考え 賭け仲間に提案した。

……俺とラスを戦わせて、どちらが死ぬかを皆で賭けよう。と。」


な……

何だそれ……?


親友同士を殺し合いさせるって事か…?


自分達の賭け遊びの為に……?



ノアは、クッキーをミルクティーにピチャピチャ付けていたかと思うと、それを口に頬張る。


「賭け仲間は喜んで飛びつくわね。自分のアンドロイドが壊されて修理するっていうリスクがなくなる上に、賭けに参加まで出来るんだもの。」

「ああ。飛びついたな。

……でも、俺達だって毎晩檻の中で色々話してたんだ。俺達が勝ち続けている時点で、こうなるかもしれない という話もしていた。

飼い主がどれだけ賭けが好きなのかという事も、嫌という程知っていたからな。

……だから、ラスとは 前から決めていたんだ。


もしそうなったら、お互い 交互に死のう、と。」



ひど過ぎる………。


隣のサクは、震えながら両手で自分の顔を覆っていた。

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