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第49話.共に。

「殺された理由は……金持ちの娯楽だ。自分が飼ってるアンドロイド同士を闘わせ、賭けをして楽しむという様な……どうしようもない人間に、俺は飼われていた。」

「勝ち負けを賭けてたって事?」

「……………いや…………」



リーヴは目を伏せ、少しの間黙ると

サクの方を向いて優しく言った。


「いちも、ここに呼んでいいか?」

「え?…あの変な人?」

「変な人……か」


リーヴが、微かに笑う。


「あいつは記憶がないからな。何も知らない。だからなのか、ことごとくアンドロイドの常識を平気で覆す。

……だからこそ、あいつには知ってもらいたい。」

「…………」

「俺の事だけじゃない……全てを知った上でどうするのか……。俺は見てみたいんだろうな。」

「………わかった。」


サクは立ち上がり、ギャーギャー騒いでいる俺とノアの元に走って来た。


「いちさん。俺、リーヴさんと色々話したいんだ。付き合ってくれる?」

「へ?俺もそこにいていいの!?行く行くー!!リーヴ~♪」

「えー!!私も行くぅー!!リーヴ~♪」

「えっ……ええ!?ノアさんも行くの!?」


あちゃー……という顔でリーヴを見たサクだが、リーヴは微笑みながら頷いた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



そんないち達の様子を 少し離れた場所から見ていた久遠と莉音。


「なんやろなぁ……あんな構図、少し前なら想像もしてへんかったぞ?」


親指と人差し指を使ってカメラの様な形を作り、4人を指のフレームに入れる久遠。


そんな久遠の横で、ベッドから体を起こして同じくいち達を見ていた莉音は、微笑みながら呟いた。


「中野博士に……見せたりたかったな………」

「せやなぁ……。博士は……わかっとったかもしれへんけどな……」

「え?なんでなん?」

「………。えーから!!お前は大人しゅう寝ときぃ!!」

「怪我はたいした事あらへんもん!!まだ戦えんで!?」

「あかん!!お前はしばらくコロニーから出さん。」

「なんでやー!!いややーー!!……ぶふぉっ!!」


無理矢理横に倒され、顔に枕を投げつけられた莉音。

やり返そうとしたその瞬間、耳に入って来た久遠の声を聞いて 動きを止めた。


「頼むわほんま………。どんだけ心配した思っとん………」



弱々しい兄の声。

この声は、何度か聞いた事がある。


第5区から逃げる時

自分達2人を逃がす為に命を捨てた 育ての父の葬式を、たった2人でやった時。


父と親友だった 中野博士に会った瞬間、こらえていた涙が溢れてきたあの時。



「ごめん………にぃ。」



涙が出て来たので、莉音は隠す為に枕を顔に当てたまま声を掛けた。


5区から逃げ、中野博士の腕の中で思いっきり泣いたあの日の夜

2人で2つの約束をした。



泣くときは2人で。1人では泣かない事。


お互い相手の泣く姿は見ない事。



これからも一緒に生きていくんだという願いを込めた、約束だった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



あの兄妹は、仲がいいな……。

見えない絆みたいなのを感じる。


久遠と莉音ちゃんの約束を、俺は知らないけれど……

あの2人を見ていると、なんだか凄くあったかい気持ちになったんだ。




だから俺は、この先起こる忌まわしい出来事と………そして、ナンバーという奴らの存在を


絶対に許さない。





☆久遠コロニー内☆

残存人数


·人間 33人

(内非戦闘員、21人。サク含む)


·アンドロイド 7人

(メル含む)


計40人。



ひとまず第1章はここまでになります。


次はリーヴのお話からになるので、リーヴまでを第1章に入れようか迷いましたが


…兄妹の様子と共に、なんか主人公が最後カーテン閉めるかのように語る形になりましたので…

第1章の区切りが、ここになりました。


ではでは。

第2章からも、読んで頂けたら嬉しいです。

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