第49話.共に。
「殺された理由は……金持ちの娯楽だ。自分が飼ってるアンドロイド同士を闘わせ、賭けをして楽しむという様な……どうしようもない人間に、俺は飼われていた。」
「勝ち負けを賭けてたって事?」
「……………いや…………」
リーヴは目を伏せ、少しの間黙ると
サクの方を向いて優しく言った。
「いちも、ここに呼んでいいか?」
「え?…あの変な人?」
「変な人……か」
リーヴが、微かに笑う。
「あいつは記憶がないからな。何も知らない。だからなのか、ことごとくアンドロイドの常識を平気で覆す。
……だからこそ、あいつには知ってもらいたい。」
「…………」
「俺の事だけじゃない……全てを知った上でどうするのか……。俺は見てみたいんだろうな。」
「………わかった。」
サクは立ち上がり、ギャーギャー騒いでいる俺とノアの元に走って来た。
「いちさん。俺、リーヴさんと色々話したいんだ。付き合ってくれる?」
「へ?俺もそこにいていいの!?行く行くー!!リーヴ~♪」
「えー!!私も行くぅー!!リーヴ~♪」
「えっ……ええ!?ノアさんも行くの!?」
あちゃー……という顔でリーヴを見たサクだが、リーヴは微笑みながら頷いた。
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そんないち達の様子を 少し離れた場所から見ていた久遠と莉音。
「なんやろなぁ……あんな構図、少し前なら想像もしてへんかったぞ?」
親指と人差し指を使ってカメラの様な形を作り、4人を指のフレームに入れる久遠。
そんな久遠の横で、ベッドから体を起こして同じくいち達を見ていた莉音は、微笑みながら呟いた。
「中野博士に……見せたりたかったな………」
「せやなぁ……。博士は……わかっとったかもしれへんけどな……」
「え?なんでなん?」
「………。えーから!!お前は大人しゅう寝ときぃ!!」
「怪我はたいした事あらへんもん!!まだ戦えんで!?」
「あかん!!お前はしばらくコロニーから出さん。」
「なんでやー!!いややーー!!……ぶふぉっ!!」
無理矢理横に倒され、顔に枕を投げつけられた莉音。
やり返そうとしたその瞬間、耳に入って来た久遠の声を聞いて 動きを止めた。
「頼むわほんま………。どんだけ心配した思っとん………」
弱々しい兄の声。
この声は、何度か聞いた事がある。
第5区から逃げる時
自分達2人を逃がす為に命を捨てた 育ての父の葬式を、たった2人でやった時。
父と親友だった 中野博士に会った瞬間、こらえていた涙が溢れてきたあの時。
「ごめん………にぃ。」
涙が出て来たので、莉音は隠す為に枕を顔に当てたまま声を掛けた。
5区から逃げ、中野博士の腕の中で思いっきり泣いたあの日の夜
2人で2つの約束をした。
泣くときは2人で。1人では泣かない事。
お互い相手の泣く姿は見ない事。
これからも一緒に生きていくんだという願いを込めた、約束だった。
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あの兄妹は、仲がいいな……。
見えない絆みたいなのを感じる。
久遠と莉音ちゃんの約束を、俺は知らないけれど……
あの2人を見ていると、なんだか凄くあったかい気持ちになったんだ。
だから俺は、この先起こる忌まわしい出来事と………そして、ナンバーという奴らの存在を
絶対に許さない。
☆久遠コロニー内☆
残存人数
·人間 33人
(内非戦闘員、21人。サク含む)
·アンドロイド 7人
(メル含む)
計40人。
ひとまず第1章はここまでになります。
次はリーヴのお話からになるので、リーヴまでを第1章に入れようか迷いましたが
…兄妹の様子と共に、なんか主人公が最後カーテン閉めるかのように語る形になりましたので…
第1章の区切りが、ここになりました。
ではでは。
第2章からも、読んで頂けたら嬉しいです。




