第47話.衝突
「あんた達アンドロイドはっ……そーやって俺達を見下しやがる…」
少年は怒りからか 数歩前に出て、ノアの前に立った。
ヤバイヤバイヤバイ!!少年、相手が悪い!!!
俺は割って入ろうと ノアと少年の間に自分の手を入れたが、ノアの表情は怒りという感情は全くない。
まさに冷静そのものだった。
そんなノアを見てしまうと、俺は自分の手を下げるしかなかったんだ。
「気に触ったのなら謝るわ。でもこれは私個人の気持ちではなく、アンドロイドならそうだっていう話でー……」
「お前だってアンドロイドだろ!!!」
少年はそう叫ぶと、ノアを突き飛ばした。
ノアはその勢いで後ろに倒れて尻もちをつく。
「ノア!!」
急いで駆け寄ると、ノアは静かに立ち上がり 尻もちをついていたおしりをポンポンと軽く叩いた。
「やだ、いち。なんて顔してんのよ。私がこの程度でブチ切れるとでも思った?」
「うん。思った。」
「はぁ!?私そんな心狭くないし!!あんたはちっさい男だけども。」
「俺はちっさい男だけど、お前の心も たいがい狭いからな?」
「でかいわよ!!あんたが言った。」
「はいはいはい。すみません。お前が勘違いしてしまう様な事を言った俺が間違ってました。」
「……………?
え?間違ってたって何!?どーゆう意味よ!?」
一瞬考えやがった…。すげぇ。本当に自分はでかいと思ってたのか。
あー。良かった。
いつものノアだ。
「……ったく。大丈夫だってば。手は出さないわよ。約束したんだから。」
ふてくされながら言うノアを見てホッとしながらさっきの少年を見ると、
爪が食い込む程に 手を握り締めている。
「お……俺達が…お前らに見下されるのは仕方がない……。全てに劣ってるんだからな。……それは分かってる…っ…。
でもっ……でも……っ
殺す事はないだろう!!?
自分達より下の奴は生きる価値もないってのか!!?」
少年の叫び声に、周りからも すすり泣く声が聞こえてくる。
「逆なら、いいのか?」
それまで黙って やりとりを聞いていたリーヴが口を開いた。
少年はリーヴに目をやり、ビクッと肩を揺らす。
あぁ、うん。わかるよ。怖いよね。
特に今のリーヴは、怒ってるというのが声だけでわかる。
「逆……って……どーゆう意味だ…?」
少年が問うと、リーヴは そこに集まっている人達全員に向けて言った。
「俺は人間に8回殺された。」
シンッ…と静まり返るコロニー。
多分、誰もが言葉に詰まってしまっている。
自分達人間が犯してしまった過去の過ちの大きさを まさに今…目の前にしているのだから…当然なのかもしれない。
これ以上聞くのは怖い……。そう思う人もきっといると思う。
でも、アンドロイドと人間がお互いに自分達の事を話す……
こーゆう事、今まであったのか?
もしかして今、これが初めてなんじゃないか……?
この機会を逃したらダメだ。
きっとダメだ…。
なぜか、心の底からそう思った。




