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第34話.合流


凪ちゃんが、一緒にいる男は一体何者なのか。

とにかく木の陰から様子を伺うのかと思いきや……俺の隣にいたはずのノアが物凄い速さで飛び出して行き、そのまま凪ちゃんを抱きしめた。


「凪ちゃん!!凪ちゃん!!心配したよぉ!!探したんだよ!!?」


いきなり思いっきりノアに抱きしめられ、凪ちゃんは目を丸くしている。


何だろう?

あの女の辞書には、計画という二文字はないのだろうか?


仕方なく、俺も木の陰から出て 凪ちゃんの元に行こうとしたその時……

ノアは凪ちゃんを抱きしめたまま、勢い良く後ろに飛んだ。


同時に、ガシャッ という音が鳴り響く。


俺のすぐ後ろで、リーヴがその男に銃を向けたのだ。


慌てて凪ちゃんはノアの腕の中から飛び出したかと思うと 男の前に立ち、両手を広げて立ちふさがった。


「…凪……そいつは一体…どういう事だ?」

「……………」


リーヴが怒り気味に凪ちゃんに問いかけるが、凪ちゃんは唇を噛み締めて 男の前から動こうとはしない。


「凪!!そこをどけ!!!」


ついに、リーヴは凪ちゃんに怒鳴りつけた。


「ちょ、ちょ、ちょ、リーヴ、ちょっと落ち着いて?」


俺は必死にリーヴを説得しようとするものの、リーヴは男を睨んだまま銃を下ろそうとはしない。

さっきノアが凪ちゃんを抱えて後ろに飛んだのは、この男から凪ちゃんを離す為だったのだろう。

ノアも、リーヴも……おそらくギンも、この男を敵だと認識した様だ。


「凪ちゃん、その人……知り合いなの?」

「……………」


俺の質問に、凪ちゃんはすぐ頷いた。


「リーヴ、とりあえず銃を下ろそうよ?凪ちゃんの知り合いなんだよ?」

「それは出来ない。」

「いや、でも。ちょっとあまりにも一方的なんじゃ… ?とにかく話だけでも聞こうよ!!」


俺の説得に、リーヴは チッ と舌打ちをして低い声で凪ちゃんの後ろにいる男に言った。


「……お前。撃たれたくなければさっさと凪の後ろから出て来い。」


…舌打ちされた。

リーヴに舌打ちされた。

リーヴ、これ今までで一番キレてる。


緊迫する空気の中、凪ちゃんに庇われていた男は立ち上がった。

慌ててその男を見つめながら首を振る凪ちゃん。

男は凪ちゃんの頭をポンッと叩き、「大丈夫やけ。」とニッコリ笑いながら俺達の前に姿を見せた。


「初めまして。僕の名前は、久遠(くおん)言います。歳は19。凪ちゃんとは昔からの知り合いなんですわ。」


少し訛った喋り方で挨拶してきた久遠。


「そっちの銃向けとる、おっかない兄ちゃんはもう気付いとんのやろ?」

「……………」


リーヴは黙ったまま、やはり銃を下ろそうとはしない。


「リーヴ。一度銃下ろそうよ。きちんと出て来てくれたでしょ?」


リーヴが構えてる銃をなんとか下ろそうと説得する俺を見て、久遠はニッコリ笑った。


「あー、ええねんええねん。それが普通や思うで?」


普通……?

初対面で銃を向けるのが??

リーヴがここまでキレるって事は、どこかの地区の兵士なのか?


凪ちゃんの昔からの…知り合い………って…

凪ちゃんは中野博士に作られたから………

それに、歳は19って……19……歳?

俺はハッと1つの仮説が浮かんでしまった。

久遠は、そんな俺を見て またニカッと笑う。


「せや。僕は人間や。」


久遠は隠そうともせずに、笑いながら爆弾発言をかました。


人………間………?


ギンとノアは、やはり的中したか……という顔で溜め息をつく。

しかしリーヴに至っては、険しい表情のまま銃を構えている。


そうだ……。アンドロイドは人間を排除してたって言ってた。

人間にとっても、アンドロイドは天敵だって。


「その人が人間という事は、凪。あなたに付いてる探知機能は、アンドロイドではなく人間を探知する為の探知機能なんですね?」


ギンの言葉に、凪ちゃんは頷いた。


「そーゆう探知機能もあるの??」

「そっちの方が簡単ですねぇ。人間は体温を隠せませんから。体温を感知して見つけるんです。サーモグラフィ。かなり昔からある技術ですよ。」

「お陰様で、今だにあんたらアンドロイドは、サーモグラフィ使って人間狩りしてはるもんなぁ。」

「でも、ここ何年かはうまいこと逃げてるじゃないですか。いや、隠れてる?の方が正しいのかな?」

「人間が、こんな所で何をしていたんだ?」

「凪ちゃんが脱走したっちゅー情報が入って来てなぁ。なんとか合流して保護せなあかんっておもったんやけど……やっぱりここら辺はアンドロイドぎょーさんおるなぁー。なんとか逃げれたんやけど、この足や。凪ちゃんが見つけてくれて助かったわ。」

「凪ちゃんを保護しにここまで来たのか…」

「もともと、凪ちゃんとこのコロニーと うちのコロニーは同盟組んどって仲良ぅさせてもらっとったからなぁ……」


ここまで話すと、久遠は少しうつむいて悲しそうに微笑んだ。


「なんも出来ひんかってん……。凪ちゃんとこのコロニーがアンドロイドに襲われた時な。せやから、せめて凪ちゃんだけは…ってな。」


すると、凪ちゃんは久遠の首元に手を回して抱きついた。

久遠は凪ちゃんを抱っこしながら頭をなでる。


「まさか、凪ちゃんが他のアンドロイドと行動を共にしとるとは思わんかったわ…。まぁ、この状況で凪ちゃんとメルだけ保護するっちゅー訳にもいかんやろなぁ……。」

「俺達もかくまってくれるの!?」

「凪ちゃんは、どうしたい?この人達と一緒がええんか?」


久遠の言葉に、凪ちゃんは迷う事なく頷いた。


「どうするん?来るんか?言っとくけど凪ちゃんとメルは連れてくで。こっちにも、ちょっと急ぎの事情があるでな。」


「リーヴさん、堪えてください。ここはあの人の世話になるのが得策です。凪とメルは連れて行くと言っている。メルの探知機能なしで、僕達がこの先逃げ続けるのは無理です。……ノアさんもいいですか?」


リーヴは渋々銃を下ろす。


「…………わかった。」

「私も、嫌だけどわかった。」


ほんとに人間が嫌いなんだなぁ……

特にリーヴの人間への憎しみは、かなり深いみたいだ。



「ほな、いこか。」


久遠が足を引きずって歩き出した。

凪ちゃんは久遠の横にピッタリとくっついて歩いている。


人間が住んでる所を、コロニーと言うのか……。

まさか、こんなに早く人間と会う事になるとは思ってなかった。

もしかして、中野博士もそこにいるのかもしれない。


不安と興味を抱いて、俺達は人間が住むコロニーへと向かった。

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