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第33話.追跡と疑惑


足跡を辿りながら、慎重に歩いていると ノアが状況をまとめようとしているのか、ブツブツ喋り出した。



「……あの初めの足跡に着くまでは、一切凪ちゃんの足跡がなかった。ここで、このもう1つの足跡の大人型と会った後は普通に歩いてる。こいつと歩く為には足跡を消さずに普通に歩くしか、なかった……?」

「は?どゆこと?」

「この大人型の足跡の奴、変な歩き方をしてるわね……。ちょっと足を引きずってる。凪ちゃんは草むらの中で、何かを見つけて飛び出し……偶然こいつと会った……」

「ふむふむ。なるほど。」

「……訳じゃない。」

「違うのかよ!!わっけわかんねぇ!!お前何が言いたいの!?わっけわかんねぇ!!」

「あんたが勝手に私の推理に合いの手を入れて来たんでしょぉ!?あんたが合いの手入れて来なければ、とっくに説明終わってんですけどー!?つーか、分かんないなら黙って聞いてりゃいいのに、なんで入ってくんの!?独り言も言えないの私!?」

「独り言だったの!?でけぇんだよ独り言!!俺に言ってんのかと思ったわ!!」

「私、あんたに向けて言った!?言ってないよね!?一回も言ってない!!」

「ノアさん……いちさん……。話が進まないので落ち着いて下さい。」

「「は!!??だって、こいつがっ…」」


見事にノアとハモリながら振り向くと

氷の様に冷ややかな目で俺達を見つめるギンと……

左腕で剣をスラーッと抜いているリーヴの姿。


「もういっそ、どちらかの口を斬り落としましょうか。」

「両方でいいんじゃないか?」

「「すいませんでした!!」」



チャッ て構えた!!剣をチャッ って構えた!!

怖い怖い怖い!!チラッと隣のノアを見ると、同じ事を思ったのかキュッと唇を噛み締めて俺を見つめ、頷いた。


いや、お前リーヴより強いんじゃねーのかよ。


「つまり、凪はこの足跡の奴を見つけて、ここまで来て合流。しかしそいつはケガをしているのか、速い移動は出来ず。凪はそいつに合わせて移動している……と、言う事だな?」

「そう、そう!!それよ!!」

「凪は初めからこいつと合流する為に草むらから飛び出した。凪はこの者と知り合いなのかもしれませんね。」

「それを言いたかったのよ!!」

「ゆっくり移動しているなら、すぐに追いつけるでしょう。」

「そう、そう、そう!!」


ノアさん?あなたも合いの手入れまくりじゃねーか。

まぁ、ギンとリーヴは独り言ではないからいいのか……。下手な事言ったら口斬り落とされるから黙っとこう。


でも、なんで俺達の方に来ないんだ?

まるで俺達から離れる様に進んでる……。

凪ちゃんの進行方向に疑問を抱いていた俺だったが、ギンとノアとリーヴは違う事に疑問を感じていた様だ。


「……メル、ちょっといいですか?」

「ヒョ?」


ノアに抱かれているメルが、ギンの声に首を傾げる。


「凪には、探知機能は付いていないと……そう言いましたよね?」

「アイサ!!」

「ではなぜ、凪はこの足跡の者があそこにいると分かったんです?」

「……ヒョ…」

「草むらからあそこまで、結構な距離があります。目視でこの者を見つけるのは不可能だ。だとしたら、探知機能が本当は付いているとしか思えません。そして もし付いていたとしたなら……8人との戦闘は避けられたはずですよね?」

「………ヒャウ…」

「あの8人はわからなくて、この足跡の者はわかった……なんて、おかしいですよね?」

「………………」


メルの耳が、しょぼーんと垂れ下がる。


確かにギンの言う通り、凪ちゃんに本当は探知機能が付いていたとしたら……

ノアは無駄に8人と戦闘させられた事になる……って事?

まさか……そんな……。

ノアとリーヴを交互に見るが、2人とも黙って俯いている。


「ちょ、ちょっと待ってギン。凪ちゃんとメルが嘘ついたって言いたいの?」

「そうとしか思えません。」

「いや、何の為に?」

「それをメルに聞いてるんです。」

「……アゥ…」

「メル。本当は8人が近付いている事、凪はわかっていたんですか?」


メルは耳を垂らしたまま、フルフルと首を振った。


「……堂々巡りですね。」


ギンが眉をしかめながら、深く溜め息をつく。

そのまま全員が黙り込んでしまい、気まずい空気が流れたまま 足跡を追って進む。


「8人とぶつかった時、草むらに凪ちゃん隠したら……凪ちゃん、私の袖掴んで振るえてた。8人と戦闘になるって事、事前にわかってたとは思えないよ……。でも、なんで……?何でなの凪ちゃん……この足跡の奴、一体何なの……?」


ノアは悲しそうな顔で呟いた後、唇を噛み締めた。


嘘をつかれた……とは、思いたくない。

だけど、きっと俺達が知らない何かがある。

それだけは全員が確信していた。


「シッ!!いたぞ!!」


木の陰に身を隠して先行していたリーヴが、小さな声で俺達に言った。

俺達は、音を立てない様に急いでリーヴが身を隠している木の陰に走る。


木の陰からそっと覗くと、大きな木の根元に座っている凪ちゃんと………その隣には、恐らく俺達と同じぐらいの年齢設定であるだろう男の大人型が座っていた。



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