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第30話.3人と1匹での闘い(4)


「え……。…え!?何!?何今の!?」


一瞬だけど、掴んでいた敵の左腕に……電気?みたいなのが出て弾けた様な……


ギンとリーヴも、慌てて俺の所に走り寄って来た。


「今の……いちさんがやったんですか?」

「え、いや……よく……わかんなくて……」

「電流が流れて…弾けたのか?」


リーヴは、倒れている敵の心臓部分に耳を当てた。


「気絶しているだけだな……」

「お、俺がやったの…?」

「いちの体から出た様に見えたぞ。電気の様な物が。」

「でも、なんで…」

「前にもあったよな?…豚でスパイを倒した時も、電気の様な物が豚から出ていた。」

「あっ……うん。でも今回は爆発しなかったよ?」

「爆発自体は、豚の特性だからなぁ…」

「でも、なんで……」


パニックになって考え込んでいる俺をよそに、ギンは俺が抱えているリュックにトントンと身体を当てた。


「いちさん、びっくりしてパニックになるのもわかります。でも今は、一刻も早くこいつらの身ぐるみを剥がして ノアさんたちの援護に向かわなければなりません。」

「あっ……うん…うん。そうだ…ノア達も戦ってる!!早く行こう!!」


俺達は敵3人のリュックや武器をかき集め、出発の準備を整えた。


ふと、電気で気絶している奴に目が止まる。

こいつ、何かを言おうとしてたよな……


「ねえ、ギン。リーヴ。」

「何ですか?」

「この倒れてる人さ。連れてったらダメかな?」


間髪入れずに大反対される覚悟はしてたんだけど……


「僕も賛成です。この人、追っ手にしては色々と辻褄が合わないんですよね。」

「妙な行動を取ったら、すぐ俺が殺すからな。」

「えぇ。その時はお願いします。」

「あ、え?連れてっていいの?いいんだよね?」

「お前には重いだろう。俺が背負う。お前はギンを背負ってやってくれ。」

「わかった。ほら、おいでギン君。お兄ちゃんの背中にお乗りよ」

「子ども扱いしないでください。」


子どもじゃん。


運が良かった事に、リュックの中には空のパックの容器が入っていたので 俺達はさっきの木からぬめりゴケを取れるだけ取ってパックに入れた。


これは闘いの中でかなり使えるし、これから戦闘アイテムとして重宝しそうだ。


銃も何本か手に入ったし、この女が使っていた剣も手に入れた。


リーヴは銃を至る所にセットし、俺達もリュックの中に入っていたフード付きのコートを羽織った。

物凄く丈夫だし、内側にたくさんのポケットがついているにも関わらず、めちゃくちゃ軽い。


準備が整った俺達は、ギンの案内の元 全力でノアと凪ちゃんがいる場所へと走った。


俺達が今戦ったDランク3人とは格が違う。

1小隊の8人が揃っている上に、Bランクを持つ隊長までいる。


無事でいてくれている可能性は、どのくらいなんだろう……

出来る事なら、戦わずに なんとか逃げ切っていて欲しい。


「もうすぐです!!……あれっ?」


タブレットで2人と敵の位置を見ていたギンが、首を傾げた。


「あっ!!あそこだ!!!ノアが一瞬、木と木の間から見えた!!」



よかった!!!

ノアはまだ無事だ!!きっと凪ちゃんだって近くにいるはず!!

間に合った!!



俺達は木々や葉っぱをかき分けて

ノアがいる、開けた場所に飛び込んだ。

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